January 03, 2017

2016年の本 其の二 ∼国産小説編〜

何となく翻訳小説と国産小説、というジャンル分けにしているのだけれど、果たして自分はどういうバランスで読んでいるのだろう、とちょっと気になって、ゴクローにも数えてみた。

翻訳小説はなんと45冊くらいだった、という驚きの結果。
意外に少ない。しかしまあ、バランスという意味では全体の四分の一だから、そんなものなのかもしれない。

翻訳と国産、どちらを十冊選ぶのが心躍るかと言えば、実はやっぱり翻訳小説になるのは何故だろう。日本で出版される段階でかなり厳密なフィルターがかかっているから、アタリ率が高いのは間違いないのだが。
特に今年はその傾向が強い。

そもそも海外の風物などが好きでたまらないから、大学は語学系だったわけだし、挙句に海外で十年もほっつき歩いて、その細々した備蓄で今もどうにか食っているわけだし。まあそりゃあそうなるのも無理はないのか。はあ、なるほど、と勝手に納得してみる。

しかし翻訳ものが二作続くと「もういいや」となってくるあたり、ワタシもやっぱり日本人。
最近は好きだといったら好きだ!と叫びまくれるほど好きな作家がいないのが寂しい。

今年は一年振り返ってみても、心躍り胸膨らむ感じが、国産分野ではどうも薄かった感あり。
しかも小説と言いながら、半分ほどはノンフィクションなど実用書だ。
まあ、面白けりゃあなんでもよろしい、ということなんだが。
2017年は国産系での出会いに期待しよう。


1.ブラック・ライダー & 罪の終わり
2.暗幕のゲルニカ
3.ギケイキ
4.空気のつくり方
5.菌世界紀行
6.私的台湾食記帖
7.大統領の演説
8.流
9.竜と流木
10.室町無頼


そう、出会いと言えば、今年は東山彰良というデカイのがあった。
出会いは直木賞。ありがとう、直木賞。ケッとか言わずに今後は真面目にチェックするよ直木賞。
この人の本ときたらどれを読んでも面白いもんで、ワクワク順にすると十冊のうち半分くらいが東山彰良に占拠されてしまうのだが、一応続編もセットで一位『ブラック・ライダー』。翻訳小説のランキングに突っ込んだとしても、これは圧倒的に今年の一位だった。海外で翻訳出版したら、世界に並み居るポストアポカリプス小説群は裸足で逃げ出すに違いない。是非世界進出して、村上春樹を越えてほしい!
プラス、やっぱり初めて読んだ『流』はやはり楽しかった。こちらの私小説的な味わいも好きだ。結局突拍子もないところに話は飛んでいくのだが。



流
東山 彰良
講談社
2015-05-13



二位『暗幕のゲルニカ』。原田マハが実はそれほど好きではないのだが、美術作品を背景に据えた謎解きも含めてワクワクしながら読んだ。どことなく端正すぎるところは相変わらず原田マハなのだが。今年は『異邦人(いりびと)』なんつードロドロのメロドラマも書いているから、ちょっとは変化するのかなあ、と期待。
暗幕のゲルニカ
原田 マハ
新潮社
2016-03-28



異邦人(いりびと)
原田 マハ
PHP研究所
2015-02-25



三位『ギケイキ』。なんのこっちゃ、と思えば『義経記』、つまり源義経の話。狂った繰り言のような町田康節は本来苦手なのだけれど、何故かこの背景にはしっくりと溶け込む。まだまだ続きがあるらしいんだけど、いつ出るのだろう?
ギケイキ:千年の流転
町田 康
河出書房新社
2016-05-12



四位『空気のつくり方』。著者は横浜DeNAベイスターズ元球団社長の池田純。この本について周囲に語ると、ファン以外のリアクションがあまりに冷たいのだが、実録マーケティング小説的に非常に面白い話。SWOT分析なんて言葉、久しぶりに聞いて懐かしかった。球団史上初クライマックスシリーズ進出に華を添える快著。
空気のつくり方
池田 純
幻冬舎
2016-08-30



五位『菌世界紀行』。なんでこういう理系の本が視界に入ってきたのかなあ、とつぶやいてみたら、知人でもある田中真知さんの名著『たまたまザイール、またコンゴ』(昨年刊行)を押しのけて、第一回斉藤茂太賞とやらに輝いた作品なんだ・・・と、田中真知さん御本人に指摘されて気付いた。ハハハ。身贔屓でも何でもなく、話の密度、濃度、背景にある諸々をひっくるめ、ワタシに取っては真知さんの本のほうがはるかに面白いし、本の密度としてもはるかに濃いとは思うのだが。でも自堕落な酒飲み話が北大同窓系の琴線に響く。極寒地の菌類などの話もついでに面白い。



六位『私的台湾食記帖』。今年一番胃の腑と食欲中枢を刺激しまくった一冊。シズル感溢れる台湾のストリートフードがステキ。台湾、行かなくちゃな。できたら今年早々にでも是非。
私的台湾食記帖
内田真美
アノニマ・スタジオ
2016-03-30



七位『大統領の演説』。著者パトリック・ハーラン。テレビでよく見かける「パックン」の御著作。歴代大統領の名演説&ダメ演説を取り上げて解説しながら、現代アメリカ史にも切り込む。スピーチ教本的にも、歴史事象解説的にも、コンパクトながら実にうまいことまとまっていて、非常に良い本だった。いやはや、勉強になりました。今年は仕事のネタにも流用させてもらいます♪
それにしても、名演説を次々繰り出すオバマ大統領という「便利な英語の名文製造家」がいなくなって、ワタシの仕事的にはちょいと痛手・・・(代わりにアレじゃなあ)。
大統領の演説 (角川新書)
パトリック・ハーラン
KADOKAWA/角川書店
2016-07-11



九位は安定の篠田節子。怖い怖い!本当に怖い!相変わらずの不気味なリアリティーで迫る、生物環境パニック小説。
竜と流木
篠田 節子
講談社
2016-05-25



十位は垣根涼介。応仁の乱のちょっと前あたり、という、おっそろしくシブく且つ暗い穴を抉って描き出される青春群像で乱世の武芸者修行ストーリー。楽しく読めた。
室町無頼
垣根 涼介
新潮社
2016-08-22




ま、そんなようなこんなような感じで、今年もずるずる本を読みたいと思います。
面白い本があったら、皆さん是非教えてください。
やはり老年化への対抗策は、仲間を作ってチームとして打率を上げていくことですな、と思っている今日この頃だったり。いろいろな意味で。

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January 02, 2017

2016年の本〜翻訳小説編~

2016年が終わって、年末に読みかけていた一冊をやっと先ほど読了。
最後の一冊は、珍しく少しずつ一週間ほどかけて読んだ『すべての見えない光』。これが何とも素晴らしい本だったのだが、その話はまた改めて。

去年は結局まとめそこなったが、一年が終わって前の年に何を読んだか振り返る作業は楽しい。
本が好きだ嫌いだという以前に、活字がないと生きていけない中毒者なので、とりあえず量だけはこなしていて、2016年の分をざっくりカウントしてみたら184冊だった。

冊数で読書量を云々するなど、アホらしいことだとは思う。
ワタシの場合、二段組み全6巻1800頁であろうが、写真集50頁であろうが「一冊は一冊」なのだし。
だから数はあくまでも個人的な目安に過ぎない。
忙しいと半分寝ていても話が頭に入るようなオモシロ小説やら、スカスカと事実だけを追いかけられる実用書が増えるし、どっとヒマになると密度の高い、いわゆる「良い本」に腰を据えてとりかかれる。どっちにしろ楽しい。楽しくない本も確かにあるが、そういう本は壁に向かってぶん投げて「ばっきゃろー!」と叫べば少しはスッキリするので、基本読書に無駄はない、ハズだ(ウソウソ、やってません。イメージの割りに?暴力性はないのよ。猫がびっくりするし)。

まあ最近は悲しいことに「加齢」という思いがけぬハードルに足元をすくわれている。老眼というヤツ。ワタシは元から特に視力が良くはないので、周囲の友人に比べればまだ進行が遅い方らしくはあって、まだ読書に老眼鏡は必要ないのだが、それでもスピードはあからさまに落ちた。さらに、視力だけではなく知力のほうも鈍っていると思しい。やれやれ。
だから最近は、手当たり次第に手を付けずに、少しは考えてから選ぶことにしている。時間は有限なのだ。止むを得ない。タメイキとともにここを認識するところから、老いは始まるのだろう。始まったばかりだが。そしてどこまで進行するのかもワカランが。

なににつけても節操がないのは食生活と同じ。一つのジャンルに偏って読み続けることはできず、軽いものを読み飛ばした後は、しみじみと端整な小説を愛でたくなるし、時間をかけて観念的なものを読めば、怒涛のようなストーリーに没入したくなる。国産の小説を読めば、翻訳もの成分が欠乏するし、ウソかマコトかわからぬ世界に没入すると、実用書ビジネス書の類で頭をリセットしたくなる。だから概ね「小説(国産)→小説(翻訳)→ノンフィクション」のループで回っているような気がする。自分でそう決めなくても、何となくそうなる。

この何年かは嬉しいことに、職場に図書館が付設されているので、「新刊を読みまくる」という贅沢がかなり許されるようになった。ついでに「近所の図書館」という結構な施設の使い方もマスターしつつあってありがたい。でもその結果「返却期限で読む順番が定められる」という理不尽がしばしば起きる。イヤだけどしょうがない。便と不便は裏表なんだし。

要するに新刊にこだわらなければ良いのではないか、という当たり前の真実に、最近ようやく気付きつつはあるのだけれど、世に溢れている情報は新刊が主体であって、情報に触れれば中身に興味が湧くのは、根がミーハーだから致し方ない。やっぱり新しいものは楽しいのだ、と思うあたりは、ワタシも一応バブルっ子なのかねえ。どこかでこのループから解脱したい、と最近思い始めないでもないのだが、それはまだ先の話になりそうで・・・

ということで、今年読んだ本のベスト10を。
まずは翻訳小説。
この数年読書記録用に愛用している『本が好き!』というサイトに感想を上げたものは、一応URL付き。

1.ザ・カルテル
2.蒲公英王朝記 & 蒲公英王朝記2
3.幸せの残像
4.エンジェル・メイカー
5.見えないすべての光
6.奇妙な孤島の物語
7.べつの言葉で
8.火星の人
9.さよなら、シリアルキラー & 殺人者の王 & Blood of My Blood
10.ジョイランド

1位『ザ・カルテル』はかの傑作『犬の力』の続編。ワタシはむしろこちらのほうが面白かった。圧倒的なリーダビリティーで寝ず食わず読み耽ることができる一作。年に一作くらいはこんなものが読みたい。ついでに『ストリート・キッズ』の続編も書いてほしかったり。
ザ・カルテル (上) (角川文庫)
ドン・ウィンズロウ
KADOKAWA/角川書店
2016-04-23



2位『蒲公英王朝記』はまだ話の中盤。2015年に出た短編集『紙の動物園』の美しい余韻も冷めやらぬ中、第一部が二巻分冊で出た。SF歴史大河武侠ファンタジーで、トルキーン的背景とジブリ的風景が味わえる。このシリーズはもっと売れろ!そして早く続編を!



3位『幸せの残像』パーレビ朝末期から半世紀に及ぶ、イランの女性の半生を描く。あまりにクソ忙しい時に読んだので、未だに感想がまとめられていないのだが、読んでいる間中幸せだった。結末に共感できるかどうかは別として。社会背景も面白いのだが、一般的な先進諸国では考えられぬような社会的拘束の多い中だからこそ、純粋な瑞々しさが切なく昇華。ラストは泣いた。



4位『エンジェル・メイカー』一年前に読んだ本だが、永遠のトンデモ本として脳内に刻み込まれた傑作。三文オペラ@SFファンタジー風味。



5位『すべての見えない光』2015年4月の刊行以来、ニューヨークのベストセラーランキングを爆走中。『シェル・コレクター』など短篇の名手アンソニー・ドーアの初長編。スケッチ風に切り出される戦禍の少年少女の人生が瑞々しく美しい。こういう本がバカ売れするなら、アメリカ人もアホばっかりじゃないんだな、と思えて安心したり。



6位『奇妙な孤島の物語』夏の海辺でじんわりと読んだ。世界中の絶海の孤島が50か所、地図とスケッチ風の短文で紹介されていく本、なんていうと味も素っ気もないが。本の装丁からレイアウトから、すべてに癒された一冊。日本語版が、いい仕事です!



7位『べつの言葉で』ジュンパ・ラヒリがイタリア語で書いたエッセイと短編。原語で読めないのが何とも悔しい。あの夏の日、いつかは必ず・・・と思ったきり、イタリア語の勉強はまだ始めてもおりませんが。



8位『火星の人』究極のSFヲタクがブログ展開していた話が出版化されたとやら。映画『オデッセイ』のほうも背景にダサい80年代ディスコ曲をバリバリ取り込んで、違った味わいの楽しさだった。小説と映画で二度美味しいってのは珍しい。是非映画とセットで。



9位『さよなら、シリアルキラー三部作』叙情的な青春小説から、一期に暗黒アクションスリラーへと変転!続巻が待ちきれず第三部は原書で読んだけど、もう翻訳が出てます。
さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫)
バリー・ライガ
東京創元社
2015-05-11



10位『ジョイランド』スティーブン・キングの新作ということで、かなり期待していた『ドクター・メルセデス』がどうもイマイチ口に合わず。むしろこっちの方が好きだった。最初読んだときより、読んだときのことを思い出す方がじわじわ来る。
ジョイランド (文春文庫)
スティーヴン キング
文藝春秋
2016-07-08



昨年分の読み残しもまだ何冊か積んであるので、当分は楽しく暮らせそう。
とりあえずあらゆる国内ランキングを爆走中の『熊と踊れ』と、待望のツィママンダ・ンゴツィ・アディーチェの長編第二作『アメリカーナ』は早く読みたいが、返却期限縛りであと一週間は無理、というジレンマに苦しむお正月だったり。

2017年も面白い本とたくさん出会えますように。

熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫)
アンデシュ・ルースルンド
早川書房
2016-09-08



アメリカーナ
チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ
河出書房新社
2016-10-25



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August 30, 2015

2014年に読んだ本

最近はこちらに読んだ本の記録を残すことにしていて、あとはツイッターでつぶやくのみとなった日々。
元々は備忘録として始めたので、結局のところそういう形が一番良いのかな、と思っていたり。

しかしこのサイトだと、プロファイルにあげた記事を残しておけないので、一応こちらに移動させておきます。
今年初めにUPしたもの。

_______________________________

2014年の各ジャンルベスト5
一年間で読んだ本を初めて振り返ってみました。
『アラビアの夜の種族』で明け、『とらわれて夏』で終わった一年でした。

1)翻訳小説編
。隠院殖横押殖僑
△發ηはとれない
0Δ領側は闇
い箸蕕錣譴堂
ゥ凜.ぅリン職人の探求と推理

2)国産小説編
.▲薀咼△量襪亮鐶
冬虫夏草
E敘の花
ね戮詛
ス喊
イ里椶Δ両

3)ノンフィクション編
〔畋疾彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
⊂澤征爾さんと、音楽について話をする
9痛探検家
い泙襪瓦肇ぅ鵐匹蔽砲鳩觝Г靴燭
ス諜鐡豸羆颪料靆敖
グ貎清気塙餡

こうして並べてみると、やっぱり自分はエスニックな臭いのするものが好きなのだなあ、と改めて思います。



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August 15, 2013

久々更新!サラーム海上『おいしい中東』で涎ダクダクになった話




お久しぶりの更新…ていうか、最後の更新がもうほぼ一年近く前の話だったのに驚いてみたり。

近況はまた改めるとして、是非とも少しでも皆々様に知っていただきたい本があるので、こちらにもUPしておきます。

以下、最近読書録がわりにつけてる『本が好き!』という読書サイトに揚げたものの再録です。

__________________________

サラーム海上『おいしい中東』

タイトル通り、中東の料理の本だ。
でもしかし、夏が来るちょっと前くらいにたまたま出版されるような、オシャレな女性誌の旅行系ムック本みたいなものとは色々な意味で一線を画した内容となっている。共通点は900円ほど、という価格くらい。本書はもっとコンパクトな文庫の体裁ながらみっちりと500ページを超える文章。
元々は中東などエスニック系音楽の評論が主戦場だった著者が、満を持して食い意地を炸裂させた一冊だ。

500ページの内訳は、ざっくりとトルコ200p、レバノン60p、モロッコ120p、エジプト&イエメン・50p、イスラエル50pといったところ。著者自身の経験を反映しているのだろう、全体のバランスとしてはトルコ関係が圧倒的なのだが、その他諸国も短いなりに充実している。何しろ食物だけをテーマにして現地に飛ぶ人など、まずほぼいないような国が多いし、滞在経験の薄さは怒涛の食い意地でカバーしているから楽しく読める。
しかもレシピ付きだ。

基になっているのは、双葉社のサイトでウェブ連載されていた『旅で覚える!中東クッキング』47回分(!)の記事。
これがなんとも実に面白くかつ美味そうだったので、本書の出版は前から楽しみにしていたのだった(書籍化された分の記事は既に削除されているのはちょっと残念だが、未掲載分や新しい記事はまだUPされている。以下参照)。

http://www.f-bungei.jp/Essay/?cID=9&nID=48

私事だが、エジプトとトルコにあわせて十年近く住んだことがあったので、中東の味や香りには郷愁が強いワタシ。読んでいるうち、口中沸き起こる涎の渦には心底参った。

トルコのマントゥ(ヨーグルトをかけて食べるトルコ水餃子。昔住んでいた家の近所に、抜群にウマイのを出前してくれる店があって三日にあけず食べた時期があった。遠い目。しかもあれは絶品のカイセリ・マントゥだったんだ嗚呼)。
夜中闇雲に食べたくなって、お店の人に不審がられながら一人啜ったイシュケンベ・チョルバス(羊のモツのスープ。日本のモツ煮込み以上に癖が強くて、労務者の友みたいな食いもん)。

まだ見ぬレバノンの料理もいろいろ。
まだ見ぬ国ながら、エジプトにいた頃「美味しいものが食べたい」と思ったら高級レバノン料理店を目指した。昔の勤め先にもレバノン人の優良シェフがいて、羊肉の生たたきだ、羊の脳髄の刺身だレバ刺しだ…といった、フツーの神経でエジプトではちょっと食えないようなもんをよく食べていた時期があったっけ。

そしてエジプトのコシャリ。
アホか、と言いたくなるほど炭水化物系なローカルジャンクフード。米にマカロニを混ぜてトマトソースをぶっかける…という、非常にエジプトらしく芸のない単なるバカめし。未だに全く好きだと思えないが、しかしあの妙な独特の味わいは瞬間的に脳裏に立ち上がる。なにしろエジプトに着いた初日、一人で食べた夕食がアレだったのだ。

こんな話を繰り返していると本自体からガッツリ外れていくのでもうやめるけれど、どうもこのサラーム海上氏はワタシと喰いもん志向が似ているらしくて、とにかく読む拷問みたいな本なのではあった。
イヤ、もうヤメテ、と言いつつ涎ダクダク。
上品な写真主体のムック本では、こういう思いはできますまい。

そう、だから、この本にひとつだけ厳しく突っ込むところがあるとしたら、巻頭20ページ分ほど以外の写真が白黒で終わっていることだろう。これでは生殺し。ちょっとツライ。
しかもせっかくレシピ(それも日本の材料で再現できるように著者がきっちり研究を重ねた)までつけているのに。
予算の関係、出版社の事情など、色々あるのはよくわかるけれど、ここがあまりに惜しい。
まあ、全体を読み終わって巻頭の写真を追いかければ、それなりに「ああ、アレがコレか」と繋がるようにはなっていて、とりあえず苦心の編集がうかがえるのだが。

だからこの本がしっかりと売れて、もっとカラフルな本が後に続いてくれるのが、著者も当然そうだろうがワタシの悲願でもある。大袈裟だけど、ワタシはやっぱり中東メシを愛しているのだ。愛を再確認してしまった嗚呼。

とにかくそういうわけで、彼の地の料理のイメージが多少なりともある人はもちろん、一般的に中東に漠然とした関心があるだけ、という向きにも、誠に幅広い情報元となる一冊になるだろう。
そもそもこういう馬鹿げた本(!)に類書はないんだし。

あと、現地に行く予定があって、なんかローカルなウマいもんが食いたいよ・・・と思う人は、とりあえず一冊買って行きなさい。悪いことは言わん。買って読んでから行け。以上。

まずは本邦初の中東料理研究家の誕生を、陰ながら心から祝いつつ★★★★★。
次はガッツリ写真の入った一冊が拝めますように・・・!

追伸:
料理に限らない中東事情に関しては、同著者の『21世紀中東音楽ジャーナル』もあわせてドウゾ♪
タイトルのごとく音楽関連が主体とはなるけれど、別角度からの現地が面白いです。

________________________

こういう中東メシへの思いは、以前しょっちゅう縷々綴ったものだったよね、と懐かしく思い出す。

最近は諸々情勢が紛糾しているようで、正直のんきにあの辺りの飯がああだこうだ言っている場合ではないような気もするのだが、まあしかしそういう時だからこそ、こうした中東の側面を世の中に知ってもらうのも、とても大切なことだと思ってみたりします。

まずは本の感想文のご紹介まで。

おいしい中東 [ サラーム海上 ]
おいしい中東 [ サラーム海上 ]

21世紀中東音楽ジャーナル [ サラーム海上 ]
21世紀中東音楽ジャーナル [ サラーム海上 ]


arima0831 at 00:41|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote アラブ料理&トルコ料理 | 好きな本

September 18, 2012

浅草『468』で鱧とか押し鮨とか(はぁと) 〜2012夏に食べた美味しいもの 

9月も下旬になってしもうた。

秋風は朝晩ひっそりそよぐようには思うが、昼日中にはすかしっぺのような残暑が続く。
来月の今頃には、たぶんウールに触れても何の悪寒も覚えないし、短パン袖なしで表を歩くなんて考えたくても考えられないんだぜ・・・と思うと、日本の四季の移り変わりって激しいな。ふう。
なんせ衣替えが二週間後。
冬になるということだ。
そうかそうなんだ。そうなんだろうな。

とかいう感慨は置いといて、最近お誕生日だったので、美味しいものを何度か食べた。
半月以上前の話だが。
また中途で終わるかもしれないとは思うけど、久しぶりによく食い倒れた感があるから、一回分くらいはせめて書いておいても罰は当たるまい。

『468』と書いてヨーロッパと読む。
単なる駄洒落らしい。
まだ若い京都出身の板前さんがやっている押し鮨と京料理の店。
浅草の片隅にある。
欧米系でもなんでも無い。
店主のキャラはシンプルに明るく関西系やねん(笑)。

人生食い倒れの巨匠に教えていただいた店で、たまたまアパ経の自宅もわりと近いので数回行った。

我がお誕生日は八月の末なので、ほどよく酸味の効いた鮨なんかのイメージが浮かぶと、もうこりゃ行かなきゃいかん!ということになってしまう。

468 20120826


まずさっぱりと「うおそうめん」。

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そして鱧。

柔らかい口当たりなのに、旨みはしっかり。
ふんわりほんわり。
よろしおすえ〜。ほえ〜。

夏休み気分満載で、冷酒なんか啜ってみる。

468 20120826 (3)


左の黒いモノは烏賊の塩辛。
墨を入れて作ってあるので不思議な濃厚さがある。

〆鯖はエッジの立った姿だが、噛めば旨味が蕩ける。
うふうふ♪

468 20120826 (2)


出汁巻き卵。
これも酒にあうんだよね〜♪

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『芋吸い』というネーミングの汁物。
ジャガイモをすりおろして出汁とともに火を入れたものだそうだ。
これは冬でも夏でもいい具合に胃が温まって嬉しい。
外側かりっとした芋団子も沈んでいる。

468 006


押し鮨は盛り合わせで。
お持帰り用も色々あって、午後遅い時間に始終ガラス戸を開けるお客さんが絶えない。
アパ経が珍しくゆっくり食べているので、ああこれはどうもキライ嫌いなんだな、と気をきかせて一個多く食べてやろうとしたら、静かな店に騒乱が起きた。
ふん。

468 008


やっぱり鯖がタマラン。

浅草なのでしょっちゅうは行けないのが残念な店です。
こういう時だけは東京都心部に住みたいと思います。

一瞬だけどね。

468寿司 / 浅草駅(つくばEXP)田原町駅入谷駅

夜総合点★★★★ 4.5
昼総合点★★★★ 4.5



468 ヨーロッパ ( 浅草(つくばEXP) / 寿司 )
★★★★4.0
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July 17, 2012

中華街『獅門酒楼』のランチが極上激安ですよ!

三月に三日続けて中華街に行った話が、初日だけで頓挫しているんです。
子猫がやってきた話だって、まだ家に辿り着いたばかりの段階で放置されているんです。
夏休みの間に何とかしよう、すでに過ぎ去った七夕のお星さまに無意味に誓う・・・!

でも、とりあえず今日美味しいものを食べたので、久しぶりに「美味しかったレポート」@中華街『獅門酒楼』♪

いや、噂には聞いていたんだけれど、中華街で昼の二時までしか食べられないランチ定食の類って、ワタシの生活からはいろいろな意味でかけ離れていて、いつかできるもんなら・・・という遠い夢のような位置にあったわけですよ。

しかし、何故か突然昼過ぎに一人で中華街に行く用件発生。
勢いに乗って行ってきた♪

実際のランチメニューを店先で見ると、650円〜840円の価格帯で9種類もある。
目移りする。
5種類はカニ玉、酢豚といった、ごくごく当たり前な中華メニューなんだけれど、日替わり部分が実に面白い。

店の前に悩んでいても暑さが増すだけなので、店内に入ると意外に広々。
高級ではないにせよ、夜にお客さんを連れてきてもまったく問題ない雰囲気。

なんかこういう気分でお店に一人で座るのも、実は久しぶりのことなのでちょっと嬉しい♪

この店にはMランチというものがあって、MはなんのMかっつーと「ミステリー」のM。
要するに、素材だけ書いてあって、あとはなにが出るかわからないから「好き嫌いの多い人は頼まないでください」という但し書きがついているもの。
この日は「青菜と海鮮」だ。

ううううう。
これも良さそうだなあ。

しかし、ワタシのココロをクギヅケにしているのは、実は日替わりのAランチ。
「はまぐりとトマト、冬瓜の煮込み」だ。
冬瓜・・・5月からせいぜい9月下旬くらいまでしか食指をそそらない、この実に特殊な野菜。
しかも蒸暑い夏の間は、家でも外でも「冬瓜」と聞くと即降参の体なのだ。
あの微妙に青臭い旨味を思うと、もういてもたってもいられなくなる。

心を鬼にして(?)、Mは捨ててAに走った。

すぐにスープとザーサイが運ばれてきた。
高菜と大豆のスープは、高菜の酸味が効いた面白い味わい。
しかし、メインがなかなかこないね・・・と待っていたら・・・

獅門酒楼


・・・こんなのがきた。
作り置きではない証拠に、口を開いたばかりの大きな蛤からふんわりといい湯気がたっている。
しかも、二人分でもいいような量だ。
蛤だけでも六個くらいはあったろうか。

680円の定食ですよ、これは・・・。

この大きな蛤の旨味が染みわたった冬瓜。
他にも豚バラ肉の旨味やら、春雨の食感やらが入って、そこに煮崩れないくらいに火の通ったトマトの旨味がキュッと追い討ち。

そして、高菜の酸味が効いたスープが面白い中和剤として、全体の美味しさをおっとりと増す。

うわー、こりゃあ素晴らしいわねえ・・・と食べ終わってポヤンとしていたら「デザートは杏仁豆腐かマンゴプリンをお選びいただけます」と。

マンゴプリン、美味しゅうございました。
小さな鉢にちょこんと盛られて、小さな中華スプーンを添えたミニサイズなれど、ひんやりしたもので口をサッパリさせながら、ちょっとした甘味で心を和ませる効果は大きい。

ちなみに金曜日の日替わりは「穴子の一本揚げ 油淋ソースがけ」だそうな。
それから、隣席が頼んだ「Mのほう」を盗み見ていたら、「イタヤガイと空芯菜の塩炒め」で、これまたなんともウマソーでしたわ。

その他ランチメニューを見ていると、この季節には心を奪って世界の果てまで連れ去ってしまいそうな

「海老とトマト、冬瓜の冷やしつゆソバ&チャーシュー丼」なんていう麺セットが840円。

この店はランチでも、数名で来たら非常に楽しいに違いないです。
でも、一人でも美味しく楽しい。

そっかー、こんな店がまだ中華街にあったのかあ・・・!
と、己の不明を激しく悔やんだのでありました。

ランチで来てとても美味しかったから、夜に大事な人を連れてこよう!と思った。
これって良いお店の格安ランチの王道だよね♪

尚、週末にはちょっとアップグレードしたセットメニューを千円ちょっとくらいからでやっておられるそうな。

この辺の顧客へのアプローチも、かなりプロフェッショナルな感じがする、とてもいいお店です。
いままで知らなかったのが、とにかく残念でなら〜ん!

獅門酒楼広東料理 / 石川町駅日本大通り駅元町・中華街駅

昼総合点★★★★★ 5.0



獅門酒楼 ( 元町・中華街 / 広東料理 )
★★★★★5.0
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尚、もうひとつのランチ有名店『一楽』も未訪。行かねば!

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関係ないけど、最近最も爆笑した一冊。暑気払いにどうぞ。ワンコインだし。

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ついにキャットタワー購入。
でも、諸事情でまだ組み立てられない・・・。





arima0831 at 22:10|PermalinkComments(7)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 中華料理(2011.1〜) | 横浜中華街

April 23, 2012

中華街『同發 本館』のランチはお得♪ 〜三日連続中華街参り 初日〜

三月のとある週末、ふと気がついたら三日連続で中華街に出かけることになっていた。
このところしばらく中華街から足も遠ざかっていたことだし、まあいいか・・・と、これまた深く考えずに三日続けて出かけたワタシ。

初日は知人女子と昼食。
中華街にはあまり来たことがないそうだ。
飲茶系に行ってみたい、という希望なのだけれど「それをやるとランチ価格ではなくなるよ」と説明したら、とりあえずオマカセとの由。

こういう時に無難でかつ面白いのは、ウィークデーならやっぱり『同發本館』のランチセット。
雰囲気が落ち着いているのは数軒離れたところにある『別館』の方だが、入口にぶら下がった鶏やら家鴨やら叉焼やらを眺めながら食堂風の店内に入る、こちらの店の感じが如何にも中華街らしい。

ランチセットはいくつかあるが「中華街らしいもの」ということで、蒸し鶏と焼きもの盛り合わせを選ぶ。


同発120316 003

叉焼と皮付き焼豚盛り合わせ。
ちんまりと香菜に葱が添えられて出てくる。

同発120316 001

そして蒸し鶏。

それぞれ一人前のランチセットのメインだから、なかなか満足度は高い。
こういうメニューがランチ価格で食べられるのは嬉しいことです♪

他に「モツ盛り合わせ」もある。

同発120316 004

あともうちょっとなんか食べたい・・・ということで、揚げシュウマイを追加。
ビールにあうよ♪

同発120316 002

これにスープと漬物、さらに青菜炒めがついて、ランチ二人分+αのテーブルが賑やかに楽しくなる。

ただし週末や連休時は非常に混む店で、しかもランチセットの設定ナシなのでご注意あれ。

単品でもリーズナブルな値段設定だし、料理にもハズレはなさそうではあるものの、並んでまで行きたいか?と言われるとそうでもないので、ワタシはもっぱらウィークデー限定で出かけてます。

同發 本館 ( 元町・中華街 / 広東料理 )
★★★★4.0
supported by ロケタッチグルメ



この後『菜香新館』で飲茶。
特に週日はこういうランチがあるんだから、リーズナブルにほどよく食欲を満たしてからオヤツで行くのがやっぱり正解だよね、と思ったのだった。


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忘れたころに息を吹き返しております。GW中は多少更新できる予定♪



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最近読んだ。評判以上の圧倒的な面白さでした♪


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最近はこういうものを買う楽しみもあったり♪

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April 22, 2012

王子がやってきた♪ 〜二代目山口竹蔵襲名〜

白馬に乗った王子が現れる幻想は、女子なら誰でも持つものだと思う。
しかし現実は厳しい。
黙っていてもステキな王子様が向こうから突然やってくる、なんという都合のよい現実は、基本この世に存在しない。
中年から初老に至ると、その辺は身にしみてよくよく分かってくる。

でも年が明け、寒さが凶悪さを持ってエスカレートしてくるころ、どうも妙な情動が我が身を揺り動かし始めたのである。困った困った。

積極的に表に出て行って、手当たり次第に出会いのきっかけを作るのもよかろうよ。
しかし時は冬の最中。季節がら表はまだ寒い。
出会いが少なくなりがちなのは致し方ない。
そもそも思い立つのが寒くなってから、てのが、完全に若々しさを欠いている感じだ。

で、街を闇雲に歩きまわりながら、街角のあらゆるところに目を凝らしてみても、出会いなんてそう簡単に転がっているものではないのだった。
当初はその辺をかなり簡単に考えていたのだが、現実は案外厳しいものだ。

たまたま僥倖のようによさそうな相手を見つけても、ずかずか出て行って自分のものにできるか?となると、なかなかそうもいかないのが見知らぬ通りすがりの悲しいところ。
帰る家があるんでしょうねきっと・・・などと思って、一度オウチに帰って考え直したりしているうちに、同じ街角にその姿は消えている。

知り合いに「御縁があれば是非是非よろしくお願いしますぅ」と言って歩いても、世間の人々はあまりに忙しい。
無視するわけではないものの、そこまで親切に他人の出会いを考えてくれるものでもない。
第一そういう縁結び作業というものは、うっかりコトが不調に終わったりしようものなら、どっちの側にも恨まれた上、自分で厄介を抱え込む羽目に落ちることさえあるものだから、深く知らない人間のお世話なんか積極的にしたくないのが人情というものだ。

ではどうする?
希望に合わせた出会いを創出してくれるような組織機関も、官民問わず色々あるそうだ。
ただ、資格審査が意外に厳重で、例えば住居の状況だの婚姻状況だの職業だの生活状況だのを、結構事細かに問いただされた上で、どのような覚悟で臨んでいるのかまで明確にしなければいけないらしい。

あやふやな気持ちではない。真剣ですよ。審査で落ちることはないでしょう。それはない。
しかしアレだな、そういうのもちょっと情緒がないと言おうか、まあそこまで困ってもいませんよ・・・とかなんとか、格好をつけているうちに時は過ぎる。

どうにも煮詰まれば世間には、時間単位で出会い触れ合う場を提供する業種もあるそうだ。
正直に告白すると、この際まずは手っ取り早く・・・と、そういう場所の情報を集め、手渡されたチラシを握りしめるところまで来た。
もっとあけすけに言うと、夕暮れ時にその手の店の前まで行ってみたことまである。
結局中には入れずに、タメイキをつきながら夜の街を彷徨ったりした。

そうこうしているうちに時は二月始め。冬の寒さがこれでもかと、身にしみわたる頃・・・

出会いはインターネットを経由して現れた。
平たく言えばツイッターというやつ。

ある晩、ようやくキャンプインした横浜DeNAベイスターズの中畑清監督が、突如「インフルエンザでキャンプ離脱!」というニュースがあまりにトホホ・・・というようなことをつぶやいたら、所謂「フォロワーさん」の一人が「・・・絶好調!」と返してくれたあたりのタイミングで、コトは起こった。

「子猫を三匹保護!多分庭に置いていかれたらしく昨日の夜中の二時に最後の子猫を無事確保!めちゃ可愛いよー」と、同じ人がつぶやいたのであった。

「その猫、ください。二匹ください」
「え・・・?!」
「明日にでも貰いに行きます。御宅はどちら?」
「ああ、スミマセン、でももう2匹は貰い手が決まり・・・」
「じゃあ残った1匹をください。その子を是非くださいっ!!」

子猫4


・・・と、いうわけで、こんな猫が我が家にくることになった。
♂生後4ヶ月(当時)。
見ての通りのキジトラ。

群馬は高崎まで、湘南ライナーに乗って行った。
帰りは思い切ってグリーン車を奮発した。
思い切ると言ったって、たかが950円の差額なのだが、おかげさまでのんびりとビールなんか飲めた。
あのグリーン車はオススメです。

いや、グリーン車はあくまでも、外の環境に慣れない子猫を怯えさせない為のものだったのだ。
祝杯を上げたいからではなく。

タケゾウ120212 002

で、座席におさまった直後は、軽く緊張気味な表情を見せていた彼なのだが・・・

爆睡タケゾウ120212

30分後には完全に爆睡しておった・・・大物だな、コイツ。

名前は二代目山口竹蔵を襲名させることにした。


(つづく)

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おかげで猫カフェには行かずに終わりました。


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歯肉のお手入れによいそうです。タケゾウによると、なかなか美味しいんだそうです♪



arima0831 at 22:13|PermalinkComments(9)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 猫話 | 国内旅行

December 29, 2011

復活!荻窪『安斎』の極旨白焼き&鰻重!!

荻窪『安斎』が夏に復活した。
大将が「また始めたんで、近くに来たら寄ってください」と、秋風吹くころに連絡をくれた時には正直泣けた。
しかし、いったいどうなっているのか、妙に不安でもあった。

特にこのブログで話題にはしなかったように思うが、2010年で一番滅入った話はここの閉店だったのだ。
実はこの時に「店を閉めるかもしれない」という話は聞いていたのだが、そのあと冬が深まる中もやっていたようなので、なんとなく安心していたら、ある日閉店していたのだった。
閉店した店の後に、別の店が入っているのも見たときには、しみじみとがっかりした。
あのひどいロケーションだから、なかなか次は決まるまい。その間にちょっと考え直してくれないかな・・・と思っていたのだ。でも次の店が入ったら、身軽に再開するわけにはいかないだろう嗚呼。

何しろここは、極私的旨い鰻の基準点というだけに留まらない。
大人になって社会に出て、初めて自分の財布で自分の嗅覚で見つけ出した店のひとつでもあるのだ。
しかもそのタイミングが偶々この店の創業時と重なっているので、その思いは一層強い。

連絡が来たのは秋のころ。
「場所は?」「同じ」との由。
同じ場所に入った別の店は撤収してしまったらしい。
その店の人には申し訳ないのだが、思わず電話を切って「よおし!」と四股を踏んだ。

でもなかなか行けない。
今年の四月以来、ワタシときたら案外堅気に働いたりしているのである。それも都内深奥某僻地で。
うーうー唸りながら、荻窪の遠さを噛み締めていた。

安斎2011 001

そして、再開した白焼きは、記憶以上のものとなっていた。
蕩ける甘味と旨味は、じんわりと口の中に広がって、記憶の美味を塗り替えてくれる。
嗚呼また会えたね。もう駄目かと思っていたんだよ・・・!

安斎2011 003

鰻重も相変わらずだ。
辛口のタレ。
脂をたっぷり残しながらも、ふんわりとした焼き加減。
ガツガツ喰った。
泣きながら喰った。

食べ終わった後しばらく、神様は確かにいるよね、なんていう話をした。
お互いにゆるゆる頑張ろうよね、なんて言ったりもした。

ここの大将は本当に鰻馬鹿一代。
いろいろあったが、好きな仕事に戻れて本当に嬉しそうだ。
それがワタシには、なにより嬉しい。
まあ、良くも悪しくも馬鹿なんですけどね(笑)。
こういう馬鹿は正直でもある。真面目でもある。それは間違いないと思う。

「また修行のやり直しだから」ということで、いまのところ価格は創業時に戻している。
一階店内はカウンターになってしまい、移動式の小さなテーブルが一つ。
二階の座敷は以前のままだそうだ。
仕入れ数に限りがあって、ゆるゆるとした営業なので、お出かけの際には必ず予約を。
そして、基本は予約時間に焼き上げるので、必ず時間に行ってあげてください。

安斎 ( 荻窪 / うなぎ )
★★★★★5.0
powered by livedoor グルメ





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これが2011年、極私的トップニュースです♪



旅するウナギ―1億年の時空をこえて旅するウナギ―1億年の時空をこえて
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arima0831 at 01:41|PermalinkComments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 中央線沿線 | うなぎ

October 09, 2011

続 小田原『あじわい回転寿司 禅』 〜その変態性について検証する(?)〜

8月上旬南伊豆に出かけて、往きに小田原の回転寿司に寄った。
なんだか引き寄せられるものがあって、帰りにも同じ店にまた寄った。

順番から行くと「南伊豆の話」をまず書いたほうがいいのかなあ・・・と思わんでもないのだが、最近の更新状況だとそんな果てしもないシリーズを創設する気になれんので、いきなり帰路に飛ぶ。

だらだらと滞在した南伊豆の海の家を午前中に撤収。
夏休みとはいえ平日の昼間なので、渋滞などは特にない。
それでも小田原に着いたのは3時過ぎだったろうか・・・?

遠いよな、南伊豆。
だから寿司喰って帰るべ、という猫だましに、わりと簡単に引っかかってくれる我がオットは、ある意味徳の高い人だと思う。

しかし、うっかり「寿司」と振ったために、彼の口がすっかり寿司になっていたのは誤算だった。夫婦の意思疎通は、ネコダマシ領域まではシンクロしない。
オットは座るなり寿司のオーダーに入るのであった。

しょうがないから一人で食べられる範囲で、何種類か頼んでみる。

禅110809 007

いきなりベトナム風生春巻き。
これよりひどいもんを出すベトナム料理だのエスニック専門店だのは、世にいくらでもある。
しかし、生春巻の場合、どんなに美味い店でも傑出したポイントを稼ぐのは難しいのよね、とか思う。
要するにフツー。

禅110809 005

香菜サラダ。
大皿山盛りで出てくる。
大量の焼いた肉なんかとともに食べていれば、有難い一品だろう。
ただ、これだけ食べ進むにはちょいと酢が強めではある。

禅110809 003

ベトナム風揚げ春巻き。
世間一般のエスニックで出てくるよりは、はるかに美味しい。
つい最近この世で一番美味いと思えるベトナム揚げ春巻きを都内で喰っていなければ、いたく感動したことと思う。
サクッとした皮に、ジューシーな臭みのない肉が詰まっている。

何故ベトナム料理があるのかと思って、今回はやっと顔を見られた世間に所謂「変態店主」に尋ねてみたところ、彼が長く居たカナダはモントリオールの料理店に(元空手家だったが、レストランなどで働くようになり・・・ということだ)、ベトナム人のスタッフが一杯いたので賄いでよくいろいろ食べたんだそうな。

禅110809 004

タマネギのグリル。
中心部は甘く解け崩れ、タマネギの旨味がよく出ているのだが、いかんせんちょっと外側を焦がし過ぎかな、と思う。

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トリッパの煮込み。
好みの問題かも知れないが、どうもトマトケチャップ系の酸味と甘味が強い。

禅

美味しいライ麦パンもある。
寿司屋なのに。

ところで飲み物なのだが、今回は車なので酒は一切飲めない。
いや、ワタシは車の運転ができないので物理的に飲めないわけでは決してないので、
「あ、なんかビールとかのみたいなあ」と数回つぶやいてはみたのだ。無視されたが。

「ワイングラス一杯とか・・・」と言ってもみたが、やっぱり冷たい無言の無限空間が厳しく辛い圧迫感をもって返ってきただけであった。しくしく。

しかし、カウンターで好きに飲めるようになっているパックの緑茶でいただくには悲しい内容なので、しばし考えた後に「炭酸水ってありますか」と、前回いなかったご店主に、なんとはなしに聞いてみた。

「はい!」と明るい返事。
「ペリエとサンペレグリノと、XXXとOOOとNNNとBBBと、7種類ありますが」
「ええと・・・」
「あ、ボトルをお持ちした方がいいですね」

・・・というわけで、目の前に350〜700mlの大小取り混ぜた、7種類の欧系炭酸ミネラルウォーターの瓶が並べられた。
ココはどこって回転寿司のカウンターなのに。

告白すると、ペリエ以外はみんな700円というご店主の話なんで、一番でっかいのを頼んでしまった。
とりあえず口の中でプシプシ弾ける感じが長続きしないと、どうもマズイと思ったからだ。

それにしても炭酸水7種類って、これが変態と言われる所以なんですね・・・。

さて、そんなこんなうちに店内の様子を眺めていると、所謂「輸入ビール好き」が数名いるようなのだった。
時間は午後3時半ごろ。
確かに平日休みのビール好きが、静かにまったりできそうな時間帯ではある。
明らかに寿司を喰っていない客が、次はアレ、それじゃあコレと、楽しげに美味しそうに生のグラスを傾けている。

そして気がついた。
店の奥の「本日のビール」というボードに上げられている7種類のビールとは、つまり「本日の生ビール」ということだったのよね・・・!!!
ドイツにオランダ、ベルギーにアメリカ。
国産の生はエーデルピルツだったっけな。
それ以外は海外の生ビールを置いているわけですよ。
もちろん全部タンク入りのヤツ。
濃黒、中黒、薄黒、白なども含め、色とりどりだし。
うっひゃー!これは一杯飲んでみたいよう!!

・・・と、つぶやくも、オットに無視されるのであった。
ぐにゃ。

で、店主に話を振ってみると、一つ聞くごとに滝のような薀蓄がなだれ落ちてくる。
キビキビがんがん降り注ぐ解説の嵐。
うわあ、と思った。
普通の店でコレをやられたら、早々に逃げ出すはずのワタシ。

でも、ここの場合、もうここまで頑張ってるんならいいんじゃないか?と、なんだか許せてしまったんだね。
変態が変態なりに、己の好むところを極めているのであろう。
例えば輸入生ビールなんか「一体ここで売りきれるんですか?」とつい聞いてしまったら
「最初のうちはしょうがないから自分で飲んだり、豚肉のビール煮込みに使ったり(!)、苦労して使いきっていたんだけれど、最近は意外に全部売れちゃうんですよね」との由。
ワインも数百本単位で置いているし、日本酒も焼酎も、とにかく種類は大変な数がある。
こうなってくると、ワタシごときではなんとも判定しがたいんだけれど、要は変態ですね。
英語の"maniac"って確かに「変態」とか「キチガイ」とかいう意味があるし。
そういう品揃えだと思う。凄いです。

でもそれにしても、会話のキャッチボールが何故かまったく続かない。
ワタシがなにごとか尋ね、店主がゴガガガガガガとそれに対して意見解説を申し述べるも、ワタシは「はぁ、そうなんですか・・・」と、気が抜けたような返事で話が終わってしまうからだ。
後で気がついたけど、尋ねるワタシが炭酸水しか飲んでいないから、という至極シンプルな理由。
こういう飲み屋で「じゃあ、それ一杯もらいます!」というセリフなしに、コミュニケーションは成立しないわけです。
酒を飲まずに酒の話をしても、妙な焦燥感が強まるのみ。
ぶすぶすぶす。

それにしても不思議な店だな。
しかも、本来の回転寿司は良好なシロモノときたもんだ。
酒も飲めないので、ちょこまか上のような肴をもらったあとは、結局お茶で寿司喰って帰ったワタシ。
フレンチ系のサイドメニュー(及び多国籍系料理)には、多少突っ込みどころがありそうな気もするが、しかし酒が主体と思えばそれなりに納得が行くレベル。
これについては、遠路踏み越えて必ずリベンジしたいぞ。

帰り際「今日は車なんで飲めないんですよう」と泣いて見せたら、この時ばかりは大仰に同情してくれた。
要するに酒好きでよくしゃべる単なるいい人みたい、この変態店主。

ハイテンションに「また来て下さいねー!」と、いわゆる国道沿いのファミレス系にありがちな大駐車場まで送り出されて、我々は横浜に向かったのだった。

とりあえず、一般的な回転寿司を期待して行くのならそれで十分な店だが、それ以外の部分を試したければ車で行くな、とだけは申し上げておきます。

あじわい回転寿司 禅 ( 緑町 / 寿司 )
★★★★4.0
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ちなみにここから渋滞に巻き込まれて三時間近くかかった。
次回は絶対に電車で来ようと思う。いろいろな意味で。
小田原駅からは歩いて15分くらいだそうです。



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今に始まったことじゃないが、当分は不定期更新になりそうです。すみません。


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「人はお墓へ
入ります。
くらいさみしい
あの墓へ。

けれどいい子は
翅が生え、
天使になって
飛べるのよ」

秋の宵に逝きし猫らを思ってしみじみ。心に染みる言霊の群れです。


ケストリッツァー・シュヴァルツビール【楽ギフ_のし宛名書】
ケストリッツァー・シュヴァルツビール【楽ギフ_のし宛名書】

たとえばこんなのも飲める。

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