November 05, 2006
中野『カルタゴ』で、エジプト料理〜遅まきながら、嬉し懐かしチキン・モロヘイヤ!〜
カルタゴ
最寄駅:中野
料理:アラブ料理 / トルコ料理
採点:★★★★★
一人当たりの支払額(税込み):5,000円〜10,000円
用途:夕食
美味とはいまひとつ縁のない国エジプトに、併せて八年ばかり住んでいた。
ドイツにいたときは、ワインとビール以外は逆に懐かしくなるくらいだったが、
トルコという美食の国に移り住んで、エジプトの食レベルの低さが身にしみた。
まあ、この辺の話は単なる愚痴になるから、場所と機会を改めて書こう(こっちの方ですね。また後日)。
しかし以前も書いたけれど、本当にしみじみ郷愁(?)を誘ってくれるものもなくはない。
彼の国の名物料理「チキン・モロヘイヤ」だ。
これだけは、特に夏が来ると無性に食べたくなる。
だから、一度は四谷のエジプト料理店まで出かけたりしたが、出てきたのは実に和風に
薄まった「モロヘイヤ・スープ」だった。
ちょっと違うんだよね・・・と思いつつ、喰い意地があちこち他に飛び火しているうちに、
あれよあれよと秋も深まってしまう。
いかん、モロヘイヤが終わる!!、と焦っていたら、中野の『カルタゴ』というマグレブ(モロッコとかチュニジアの辺り)の料理ではその名を知られた老舗で、モロヘイヤの特別メニューを出し始めた、という話が飛び込んできた。
上野で開催中の「ミイラと古代エジプト展」とのタイアップ企画、との由。
展覧会の半券を見せて、このメニューをオーダーすると、カルカデ(ハイビスカスティー)が
一杯サービス、なのだそうだ。
ずいぶん昔から名前はよく聞いていたけれど、なんとなく行きそびれているうちに
横浜住まいになって機会を失っていたレストランでもある。
これは行ってみよう、ということで、エジプト時代の悪友と二人で中野遠征してきた。
事前に中東通にしてジンギス通でもある某氏に話したら、
「ああ、いいなあ! カルタゴはねえ、名店だよ」とお墨付き。
残念ながら都内近郊にいらっしゃらないのだが、そうであればお誘いしたいところ。
(*注:前回記事の翌日にあった「ディープな宴」は、実はこの方を囲む会だったのだ)
オーナーシェフの畑中さんは、パリでマグレブ料理に出あって修行され、帰国後しばらく
某トルコ料理店のシェフを務めた後に、このお店を開店。
以来17年というから、トルコも含めた中東系のレストランとしてはとない屈指の老舗だ。
お店はこじんまりしているが、品よくオリエンタルな雰囲気がいい感じ。
シェフの奥様が、にこやかに、フレンドリーに、風のように素早く、そしてびっくりするほど
テキパキとサービスしてくださる。
とりあえず、ビール。
ここはマグレブからトルコまで中東圏各国のビールが揃っているのだが、無粋なワタシらは「ハイネケンの生」にする。
だって、安いしそれに・・・いや、まあ、現地のビールは現地で飲むのが一番美味しいんですよね・・・(と、言っておこう。まあ、好みの問題だ)。
ワインもグラスで中東各地のものが楽しめる。
さて、まずは前菜盛り合わせ。
なんだかワケのワカラン写真になってしまったが、中東一帯、こういったペースト状の前菜が色々とある。
なんだかワカラン写真なので「実体」を確かめたい方は、こちらのメニューをご参照あれ。
右上の白い物体は「山羊の白チーズ」。トルコでベヤズ・ペイニールという。
ベヤズ=白、ペイニール=チーズで、文字通り白チーズ。
ギリシャでは「フェタ」。中東一帯でもよく食べる。
塩気が強くて癖があるが、慣れると病みつき。トルコの「ラク」やアラブ圏の「アラック」、
ギリシャの「ウーゾ」といった、現地の地酒に合う。
と、いうことで、ビールをチェイサーに降格させて、ラクを頼む。
時計回りに、次が「ぶどうの葉のピラフ詰め」。
ぶどうの葉のかわりにキャベツを使うこともあって、するとロールキャベツの様になる。
ぶどうの葉は塩漬けにしたもの。
和菓子に使う桜葉の塩漬けの、食感がちょっと固くなった感じだろうか。
ちょっと芯のあるピラフがマグレブ風で面白い。
懐かしい香りがして、二人遠い目になりつつ、口だけはひたすら動いている。
その隣の「漬物っぽい野菜」は、メニューで単品では出ていないがエジプトのトルシー。
漬物っぽく見えるが、実際漬け物なのだ(?)。
酸っぱくてしょっぱい。
「これって・・・」
「エジもんだねえ」
(ふたり、遠い目)
聞いてみたらやっぱり、エジプトからの直輸入品だった。
畑中さんによると、マグレブのものは「もっと強烈にしょっぱい」のだそうだ。
似たようなピクルスは中東一帯にあるが、場所により味が微妙に違う。
その隣は実は緑色のペーストで、マグレブ風の野菜のミンチ(色まで解説しなければいかん写真を載せる意味とは、という疑問が脳裏をよぎるが、面倒くさいからこのまま続ける)。
次も赤く見えるが、これは本当に赤い。
エズメ・サラタシという、トルコのピリ辛ペースト。
この赤さで想像すると拍子抜けするほどさっぱりしていて、少しピリッとするくらい。
中東の料理は、一帯に唐辛子を使いはするが、風味付け程度で多用はしない。
次の白茶けたペーストは「ババガヌーグ」。
焼き茄子のミンチに練りゴマを混ぜたペースト。
ちょっとブチブチした食感が面白い。
練りゴマは「テヒーナ」といって、エジプトでは調味してこれだけを前菜にする。
湾岸あたりではやらないそうだ(一度国内某所で頼んだら「なんちゅうビンボ臭いことを・・・」という目をされたことがある)。
そのまた隣のもっときめ細かいペーストは、ヒヨコマメと練りゴマを併せた「ホンモス」。
あ、皿のふちにのっているトマトのようなものはトマトで、上にのってる葉っぱはコリアンダー(スミマセン、解説です。皆さんを馬鹿にしてるわけじゃないんです。ホントです)。
コリアンダーはクスバラといって、生葉もドライシードもよく使う。
カイロではガサッと一束で10円もしなかったっけ。
これは現地で「ガルギール」と呼ぶ、所謂「ルッコラ」も似たような値段。
これを平たい、所謂「ピタパン」で拭いとるように食べる。
エジプトでは「エーシュ」と呼ばれているが、その他アラビア語圏では「ホブス」。
だから「エーシュくれ」などとエジプト外アラブ圏で言おうものなら、ウェイターにプッと笑われてしまうのである。
余談だけれど、エジプト弁というのはベタ訛りに訛ったアラビア語方言。
どこにいってもよく通じる方言でもあるのだが、必ず聞いてるほうが笑いをこらえるか、得体の知れないものをみるような目つきになる。
日本語なら「大阪河内弁」のようなもん、と思えばいいらしい。
でもって、吉本興業が大阪弁を全国区に押し上げたように、エジプトも一昔前
「お笑い系TVドラマ」の一大輸出国だったのだ。
やれやれ、まだ前菜だ。
しかし、この段階で既にエーシュをオカワリしている二人。
「あのさあ」と、ワタシはふと思い出す。
「んぁ〜?」(なんか喰ってる友人)
「忘れてたけどさ、エーシュって爆発物だったんだよね・・・」
「んぁっ!危ないざんす!!」(思い出した様子)
そう、エーシュ(乃至はホブス)は洋風のパンと違って「実がつまってる」ので、
お腹にたまって後からドカン、もといドスンと来るのだ。
気をつけないと・・・お腹が爆発する・・・というのは冗談だけど、胃のスペースに自信のない向きは「食いすぎ注意」ではある。
つい食べちゃうんですけど。
特に前菜に合うから・・・。
次は懐かしの「ターメイヤ」。
なんじゃそりゃ、というと、ソラマメのコロッケ。
カイロでは街中で売っていて、ビールの肴によく買って帰った。
ちなみに「キロ売り」で、4分の1キロ(ルバァ・キロ)が20円くらいだった。
現地は丸いのを、ゴッテリと澱んだような黒い油で揚げてくれる。
何故そのように見えるかというと、油が澱んで黒くなるまで使っているからだ。
シンプルな理屈である。
だから、鼻をフンフンとしてから店を覗いて、油が新しそうなところから買うのがコツだ
(必要なのか、こんな豆知識は?!)。
もっとも、当時のワタシは大層若かったので、テキトーに買っていた記憶もある。
こちらは見たところ、格段に上品だ。
でも、カリッと噛めば広がるニンニクの香りとホックリとしたソラマメの味・・・見かけと違って、正しく現地の懐かしい味。
友人とふたり「ああああああ」「おおおおおお」と、意味不明のヨロコビの声をあげる。
上にタヒーナがかかって、トルシーも添えられている。
エジプトでは「乾燥ソラマメ」がただのような値段で山ほど売っているのだが、
こちらはどうやって・・・と思えば、生の茹でソラマメを擂り潰して作っている、と。
手間がかかっているわけだ。
正直にいうと、エジプトのジャンクな味とは違うものの、同じ匂いをさせながら、こちらの方が上品でおいしいかも知れない・・・。
尚、写真に二個しか写っていないのは、半分以上食べてしまってから気がついたからだ。
スミマセン。
そしてメインディッシュ。
そう、お待ちかねの「チキンモロヘイヤ」
現地でもなんとなく「ショルバ」つまり「スープ」と呼んでいるのだけれど、正式にはメインディッシュの扱い。
こちらがソース。やっとこの辺で素直にフラッシュを入れたので、これは見た通り緑色・・・(悲喜こもごも)。
細かく刻んだモロヘイヤを、チキンのスープで伸ばして煮たもの。
トッピングはトマトソースと生タマネギみじん切り。
おや?と思ったら、やっぱりカイロの『アラベスク』という有名店の再現。
最近エジプトに行かれた奥様が、ここのチキン・モロヘイヤに惚れこんで、シェフの御主人に試行錯誤してもらったもの、との由。
「見たこともないものを再現するのは、大変でした」とは、シェフの談。
いえいえ、そうおっしゃらなければ気がつかないくらい
『アラベスク』が再現されていますよ!
カリッとグリルしたチキンに、バターライスを添えて・・・。
このチキンが実に、外はカリッと中はジューシーで
美味しかった〜。
本来は、出汁をとったチキンをオーブンでグリルしていただくものだけれど、シェフはチキンの味わいを考えて、スープとチキンは別にされたとのこと。
で、上にドドドとソースをかけると完成!
トッピング乗せの写真は、忘れた。スミマセン・・・。
確かに一般家庭の油も強く量も凄いものに比べれば、かなりあっさりしていいるけれど、モロヘイヤのレシピは様々だから、これはこれで大変上品な味わい。
こちらにも別記事をUPしたので、ご参照いただければ・・・。
あ〜、デザートのマハラベイヤ(中東風ミルクプリン)と、名前は失念しましたが、ピスタシオとデーツを餡にした餃子風のマグレブのお菓子も、大変美味しかったけれど・・・写真忘れ・・・。
尚、こちらのメニューは要予約(モロヘイヤ以外の内容は日によって変わることがあるので、お問い合わせ下さい)。
お店自体も、こじんまりしているので予約がベター。
でも、久々にモロヘイヤを堪能して、ウフフのフ。
ところで、なんと驚いたことに、シェフはエジプトは行ったことがない・・・と。
でも、エジプト人にエジプト料理を出すと「ここのエジプト料理は、美味しいけど胃にもたれないでいいなあ」といいながら帰る、とやら・・・やっぱり彼らも、それなりに胃もたれはしていたんだね・・・(笑)。
こうなったら、シェフ真骨頂のマグレブ料理、タジンやクスクスを是非とも、
と思うのは人情でしょう・・・次回だな、インシャアッラー。
ああ、また煩悩がもう一つ増えてしまった。
いつ行こうかしらん。
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胃が二つあるなら、もう一足先の荻窪に行って『安斎』で鰻・・・という妄想が・・・。
ただの妄想ですけれどね。いやホント・・・。
Elle a table (エル・ア・ターブル) 2006年 09月号 [雑誌]
『カルタゴ』も、マグレブ代表で掲載されています。


白チーズも各種あり。
最寄駅:中野
料理:アラブ料理 / トルコ料理
採点:★★★★★
一人当たりの支払額(税込み):5,000円〜10,000円
用途:夕食
美味とはいまひとつ縁のない国エジプトに、併せて八年ばかり住んでいた。
ドイツにいたときは、ワインとビール以外は逆に懐かしくなるくらいだったが、
トルコという美食の国に移り住んで、エジプトの食レベルの低さが身にしみた。
まあ、この辺の話は単なる愚痴になるから、場所と機会を改めて書こう(こっちの方ですね。また後日)。
しかし以前も書いたけれど、本当にしみじみ郷愁(?)を誘ってくれるものもなくはない。
彼の国の名物料理「チキン・モロヘイヤ」だ。
これだけは、特に夏が来ると無性に食べたくなる。
だから、一度は四谷のエジプト料理店まで出かけたりしたが、出てきたのは実に和風に
薄まった「モロヘイヤ・スープ」だった。
ちょっと違うんだよね・・・と思いつつ、喰い意地があちこち他に飛び火しているうちに、
あれよあれよと秋も深まってしまう。
いかん、モロヘイヤが終わる!!、と焦っていたら、中野の『カルタゴ』というマグレブ(モロッコとかチュニジアの辺り)の料理ではその名を知られた老舗で、モロヘイヤの特別メニューを出し始めた、という話が飛び込んできた。
上野で開催中の「ミイラと古代エジプト展」とのタイアップ企画、との由。
展覧会の半券を見せて、このメニューをオーダーすると、カルカデ(ハイビスカスティー)が
一杯サービス、なのだそうだ。
ずいぶん昔から名前はよく聞いていたけれど、なんとなく行きそびれているうちに
横浜住まいになって機会を失っていたレストランでもある。
これは行ってみよう、ということで、エジプト時代の悪友と二人で中野遠征してきた。
事前に中東通にしてジンギス通でもある某氏に話したら、
「ああ、いいなあ! カルタゴはねえ、名店だよ」とお墨付き。
残念ながら都内近郊にいらっしゃらないのだが、そうであればお誘いしたいところ。
(*注:前回記事の翌日にあった「ディープな宴」は、実はこの方を囲む会だったのだ)
オーナーシェフの畑中さんは、パリでマグレブ料理に出あって修行され、帰国後しばらく
某トルコ料理店のシェフを務めた後に、このお店を開店。
以来17年というから、トルコも含めた中東系のレストランとしてはとない屈指の老舗だ。
お店はこじんまりしているが、品よくオリエンタルな雰囲気がいい感じ。
シェフの奥様が、にこやかに、フレンドリーに、風のように素早く、そしてびっくりするほど
テキパキとサービスしてくださる。
とりあえず、ビール。
ここはマグレブからトルコまで中東圏各国のビールが揃っているのだが、無粋なワタシらは「ハイネケンの生」にする。
だって、安いしそれに・・・いや、まあ、現地のビールは現地で飲むのが一番美味しいんですよね・・・(と、言っておこう。まあ、好みの問題だ)。
ワインもグラスで中東各地のものが楽しめる。
さて、まずは前菜盛り合わせ。なんだかワケのワカラン写真になってしまったが、中東一帯、こういったペースト状の前菜が色々とある。
なんだかワカラン写真なので「実体」を確かめたい方は、こちらのメニューをご参照あれ。
右上の白い物体は「山羊の白チーズ」。トルコでベヤズ・ペイニールという。
ベヤズ=白、ペイニール=チーズで、文字通り白チーズ。
ギリシャでは「フェタ」。中東一帯でもよく食べる。
塩気が強くて癖があるが、慣れると病みつき。トルコの「ラク」やアラブ圏の「アラック」、
ギリシャの「ウーゾ」といった、現地の地酒に合う。
と、いうことで、ビールをチェイサーに降格させて、ラクを頼む。
時計回りに、次が「ぶどうの葉のピラフ詰め」。
ぶどうの葉のかわりにキャベツを使うこともあって、するとロールキャベツの様になる。
ぶどうの葉は塩漬けにしたもの。
和菓子に使う桜葉の塩漬けの、食感がちょっと固くなった感じだろうか。
ちょっと芯のあるピラフがマグレブ風で面白い。
懐かしい香りがして、二人遠い目になりつつ、口だけはひたすら動いている。
その隣の「漬物っぽい野菜」は、メニューで単品では出ていないがエジプトのトルシー。
漬物っぽく見えるが、実際漬け物なのだ(?)。
酸っぱくてしょっぱい。
「これって・・・」
「エジもんだねえ」
(ふたり、遠い目)
聞いてみたらやっぱり、エジプトからの直輸入品だった。
畑中さんによると、マグレブのものは「もっと強烈にしょっぱい」のだそうだ。
似たようなピクルスは中東一帯にあるが、場所により味が微妙に違う。
その隣は実は緑色のペーストで、マグレブ風の野菜のミンチ(色まで解説しなければいかん写真を載せる意味とは、という疑問が脳裏をよぎるが、面倒くさいからこのまま続ける)。
次も赤く見えるが、これは本当に赤い。
エズメ・サラタシという、トルコのピリ辛ペースト。
この赤さで想像すると拍子抜けするほどさっぱりしていて、少しピリッとするくらい。
中東の料理は、一帯に唐辛子を使いはするが、風味付け程度で多用はしない。
次の白茶けたペーストは「ババガヌーグ」。
焼き茄子のミンチに練りゴマを混ぜたペースト。
ちょっとブチブチした食感が面白い。
練りゴマは「テヒーナ」といって、エジプトでは調味してこれだけを前菜にする。
湾岸あたりではやらないそうだ(一度国内某所で頼んだら「なんちゅうビンボ臭いことを・・・」という目をされたことがある)。
そのまた隣のもっときめ細かいペーストは、ヒヨコマメと練りゴマを併せた「ホンモス」。
あ、皿のふちにのっているトマトのようなものはトマトで、上にのってる葉っぱはコリアンダー(スミマセン、解説です。皆さんを馬鹿にしてるわけじゃないんです。ホントです)。
コリアンダーはクスバラといって、生葉もドライシードもよく使う。
カイロではガサッと一束で10円もしなかったっけ。
これは現地で「ガルギール」と呼ぶ、所謂「ルッコラ」も似たような値段。
これを平たい、所謂「ピタパン」で拭いとるように食べる。
エジプトでは「エーシュ」と呼ばれているが、その他アラビア語圏では「ホブス」。
だから「エーシュくれ」などとエジプト外アラブ圏で言おうものなら、ウェイターにプッと笑われてしまうのである。
余談だけれど、エジプト弁というのはベタ訛りに訛ったアラビア語方言。
どこにいってもよく通じる方言でもあるのだが、必ず聞いてるほうが笑いをこらえるか、得体の知れないものをみるような目つきになる。
日本語なら「大阪河内弁」のようなもん、と思えばいいらしい。
でもって、吉本興業が大阪弁を全国区に押し上げたように、エジプトも一昔前
「お笑い系TVドラマ」の一大輸出国だったのだ。
やれやれ、まだ前菜だ。
しかし、この段階で既にエーシュをオカワリしている二人。
「あのさあ」と、ワタシはふと思い出す。
「んぁ〜?」(なんか喰ってる友人)
「忘れてたけどさ、エーシュって爆発物だったんだよね・・・」
「んぁっ!危ないざんす!!」(思い出した様子)
そう、エーシュ(乃至はホブス)は洋風のパンと違って「実がつまってる」ので、
お腹にたまって後からドカン、もといドスンと来るのだ。
気をつけないと・・・お腹が爆発する・・・というのは冗談だけど、胃のスペースに自信のない向きは「食いすぎ注意」ではある。
つい食べちゃうんですけど。
特に前菜に合うから・・・。
次は懐かしの「ターメイヤ」。
なんじゃそりゃ、というと、ソラマメのコロッケ。
カイロでは街中で売っていて、ビールの肴によく買って帰った。
ちなみに「キロ売り」で、4分の1キロ(ルバァ・キロ)が20円くらいだった。
現地は丸いのを、ゴッテリと澱んだような黒い油で揚げてくれる。
何故そのように見えるかというと、油が澱んで黒くなるまで使っているからだ。
シンプルな理屈である。
だから、鼻をフンフンとしてから店を覗いて、油が新しそうなところから買うのがコツだ
(必要なのか、こんな豆知識は?!)。
もっとも、当時のワタシは大層若かったので、テキトーに買っていた記憶もある。
こちらは見たところ、格段に上品だ。でも、カリッと噛めば広がるニンニクの香りとホックリとしたソラマメの味・・・見かけと違って、正しく現地の懐かしい味。
友人とふたり「ああああああ」「おおおおおお」と、意味不明のヨロコビの声をあげる。
上にタヒーナがかかって、トルシーも添えられている。
エジプトでは「乾燥ソラマメ」がただのような値段で山ほど売っているのだが、
こちらはどうやって・・・と思えば、生の茹でソラマメを擂り潰して作っている、と。
手間がかかっているわけだ。
正直にいうと、エジプトのジャンクな味とは違うものの、同じ匂いをさせながら、こちらの方が上品でおいしいかも知れない・・・。
尚、写真に二個しか写っていないのは、半分以上食べてしまってから気がついたからだ。
スミマセン。
そしてメインディッシュ。
そう、お待ちかねの「チキンモロヘイヤ」
現地でもなんとなく「ショルバ」つまり「スープ」と呼んでいるのだけれど、正式にはメインディッシュの扱い。こちらがソース。やっとこの辺で素直にフラッシュを入れたので、これは見た通り緑色・・・(悲喜こもごも)。
細かく刻んだモロヘイヤを、チキンのスープで伸ばして煮たもの。
トッピングはトマトソースと生タマネギみじん切り。おや?と思ったら、やっぱりカイロの『アラベスク』という有名店の再現。
最近エジプトに行かれた奥様が、ここのチキン・モロヘイヤに惚れこんで、シェフの御主人に試行錯誤してもらったもの、との由。
「見たこともないものを再現するのは、大変でした」とは、シェフの談。
いえいえ、そうおっしゃらなければ気がつかないくらい
『アラベスク』が再現されていますよ!
カリッとグリルしたチキンに、バターライスを添えて・・・。このチキンが実に、外はカリッと中はジューシーで
美味しかった〜。
本来は、出汁をとったチキンをオーブンでグリルしていただくものだけれど、シェフはチキンの味わいを考えて、スープとチキンは別にされたとのこと。
で、上にドドドとソースをかけると完成!トッピング乗せの写真は、忘れた。スミマセン・・・。
確かに一般家庭の油も強く量も凄いものに比べれば、かなりあっさりしていいるけれど、モロヘイヤのレシピは様々だから、これはこれで大変上品な味わい。
こちらにも別記事をUPしたので、ご参照いただければ・・・。
あ〜、デザートのマハラベイヤ(中東風ミルクプリン)と、名前は失念しましたが、ピスタシオとデーツを餡にした餃子風のマグレブのお菓子も、大変美味しかったけれど・・・写真忘れ・・・。
尚、こちらのメニューは要予約(モロヘイヤ以外の内容は日によって変わることがあるので、お問い合わせ下さい)。
お店自体も、こじんまりしているので予約がベター。
でも、久々にモロヘイヤを堪能して、ウフフのフ。
ところで、なんと驚いたことに、シェフはエジプトは行ったことがない・・・と。
でも、エジプト人にエジプト料理を出すと「ここのエジプト料理は、美味しいけど胃にもたれないでいいなあ」といいながら帰る、とやら・・・やっぱり彼らも、それなりに胃もたれはしていたんだね・・・(笑)。
こうなったら、シェフ真骨頂のマグレブ料理、タジンやクスクスを是非とも、
と思うのは人情でしょう・・・次回だな、インシャアッラー。
ああ、また煩悩がもう一つ増えてしまった。
いつ行こうかしらん。
胃が二つあるなら、もう一足先の荻窪に行って『安斎』で鰻・・・という妄想が・・・。
ただの妄想ですけれどね。いやホント・・・。
Elle a table (エル・ア・ターブル) 2006年 09月号 [雑誌]『カルタゴ』も、マグレブ代表で掲載されています。
白チーズも各種あり。
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この記事へのコメント
1. Posted by peketan November 05, 2006 08:31
おはようございます、カルタゴ 店名もいいですね。ハイネケンの生や麒麟のクラシックが常備してある店ッて美味しいお店が多いぃですね、一つの基準にしてます。3日の夜、8時頃、南京亭のサンマー麺行ッてきました、塩味の海鮮風味で器にすりきれで出てきます、行列と言う情報もありますが、並んでまで食すものでもないでしょうか。行列で一番驚いているは赤ら顔のご主人ではないでしょうか。この辺ッて、京急とJRが交差していて大変便利です、出店を考えている腕に自信のある人には狙い目かも。そういえば今日は書道展でしたね。
2. Posted by ramurin November 05, 2006 17:04
アリーマさん、こんにちは。
探していた「モロヘーヤスープ」がココにはあったんですね。
かけたスープがお皿からこぼれそう。。。しかも、くぅ〜〜〜おいしそうです!!
私も早速、行ってみたいと思います。スープ(ソース?)がけご飯は初体験です。
素敵な情報、ありがとうございます!!いつに、しようかなぁ〜〜〜。
探していた「モロヘーヤスープ」がココにはあったんですね。
かけたスープがお皿からこぼれそう。。。しかも、くぅ〜〜〜おいしそうです!!
私も早速、行ってみたいと思います。スープ(ソース?)がけご飯は初体験です。
素敵な情報、ありがとうございます!!いつに、しようかなぁ〜〜〜。
3. Posted by 小径のヌシ(^-^) November 05, 2006 18:11
ん〜 コレにしても
レバノン料理にしても
食べたことのないジャンルの多いこと…
仮に初突入をしてもいったい何を
オーダーしていいのか判らないですしね (^−^;)
モロヘイヤスープ(スープ?)とマハラベイヤ
頭の隅にメモしましたよ♪
レバノン料理にしても
食べたことのないジャンルの多いこと…
仮に初突入をしてもいったい何を
オーダーしていいのか判らないですしね (^−^;)
モロヘイヤスープ(スープ?)とマハラベイヤ
頭の隅にメモしましたよ♪
4. Posted by min-min November 05, 2006 21:16
おお、さっそく訪れる機会があったのですね♪
オーナーシェフは中東料理の“エッセンス”を彼の鋭い感性と技で現地で味わうよりも更に華麗な味付で我々に提供してくれます。
ここ数年訪れていないのですがアリーマさんの紹介文を読んで猛烈に行きたくなりました。
このお店の真骨頂はやはり「マグレブ料理」だと思いますので次回は是非こちらもお試しを。
オーナーシェフは中東料理の“エッセンス”を彼の鋭い感性と技で現地で味わうよりも更に華麗な味付で我々に提供してくれます。
ここ数年訪れていないのですがアリーマさんの紹介文を読んで猛烈に行きたくなりました。
このお店の真骨頂はやはり「マグレブ料理」だと思いますので次回は是非こちらもお試しを。
5. Posted by Ryuman November 05, 2006 22:35
アリーマさんこんにちは。
気合の入った画像ですね!
「モロヘイヤ」のスープ。美味そうです!!
前に広州料理で飲んだ事がありますが、それだけお腹一杯飲みたいと思えるほどの存在感でした。
エジプト料理だったらなおさらでしょうね!
気合の入った画像ですね!
「モロヘイヤ」のスープ。美味そうです!!
前に広州料理で飲んだ事がありますが、それだけお腹一杯飲みたいと思えるほどの存在感でした。
エジプト料理だったらなおさらでしょうね!
6. Posted by アリーマ November 06, 2006 06:45
>peketanさま
ビールの選び方から神経を使うお店って、確かにお料理にもこだわりがありますよね。
南京亭、ですか。なるほど。
並んでいるのなら、あまり無理に行かないかも・・・でも、情報ありがとうございます。
>ramurinさん
「不人気の場合、打ち切りもあり」ということですから、是非お早めに。美味しいですよ♪
ビールの選び方から神経を使うお店って、確かにお料理にもこだわりがありますよね。
南京亭、ですか。なるほど。
並んでいるのなら、あまり無理に行かないかも・・・でも、情報ありがとうございます。
>ramurinさん
「不人気の場合、打ち切りもあり」ということですから、是非お早めに。美味しいですよ♪
7. Posted by アリーマ November 06, 2006 06:48
>ヌシさま
モロヘイヤはエジプトの料理で、どこにでもあるわけではないんですよね・・・。
まだ食べてないけれど、横浜の『アル・アイン』では季節ものということで出ています(もうおわったかなあ)。どちらにせよ、どこでも有無を事前に要確認です。
>min-minさま
モロヘイヤを求めて、行ってまいりました。
おっしゃった通り、ステキなお店でした♪
未だ見ぬモロヘイヤをここまで作るなら、是が非でもクスクスやタジンを食べたいものです・・・やっぱり、お料理は感性ですね。今回痛感しました
モロヘイヤはエジプトの料理で、どこにでもあるわけではないんですよね・・・。
まだ食べてないけれど、横浜の『アル・アイン』では季節ものということで出ています(もうおわったかなあ)。どちらにせよ、どこでも有無を事前に要確認です。
>min-minさま
モロヘイヤを求めて、行ってまいりました。
おっしゃった通り、ステキなお店でした♪
未だ見ぬモロヘイヤをここまで作るなら、是が非でもクスクスやタジンを食べたいものです・・・やっぱり、お料理は感性ですね。今回痛感しました
8. Posted by アリーマ November 06, 2006 06:55
>Ryumanさま
広州料理でもあるんですか?!
どんなものなんだろう(興味深々)。
実はデジカメを持っていたんです。
でも、使いこなせないし、元々カメラが苦手なので、原則食べてる間は写真を撮らないんですが、今回は「資料」ということで撮ってきました。
中東系のものだけは、別ブログ用ということもあって一応記録することにはしています(でも、失敗する)。
気合・・・ううむ・・・気合負け映像は、笑って見逃してください。
広州料理でもあるんですか?!
どんなものなんだろう(興味深々)。
実はデジカメを持っていたんです。
でも、使いこなせないし、元々カメラが苦手なので、原則食べてる間は写真を撮らないんですが、今回は「資料」ということで撮ってきました。
中東系のものだけは、別ブログ用ということもあって一応記録することにはしています(でも、失敗する)。
気合・・・ううむ・・・気合負け映像は、笑って見逃してください。
9. Posted by キョウエ November 06, 2006 14:22
すばらしく美味しそうなチキンモロヘイヤ!
10. Posted by アリーマ November 06, 2006 14:36
キョウエさん
美味しいんですよん♪
でも、タジンやクスクスはこれ以上というから、期待感高まります・・・もっと近いといいのに・・・(泣)。
美味しいんですよん♪
でも、タジンやクスクスはこれ以上というから、期待感高まります・・・もっと近いといいのに・・・(泣)。
11. Posted by クラムボン November 07, 2006 00:03
モロヘイヤ〜!!
食べたいですね〜♪
エジプト展行きたいと思ってるし、
そこで、お店の名前は見たんですよね♪
いつごろまでモロヘイヤってあるんでしょう??
食べたいですね〜♪
エジプト展行きたいと思ってるし、
そこで、お店の名前は見たんですよね♪
いつごろまでモロヘイヤってあるんでしょう??
12. Posted by アリーマ November 07, 2006 07:37
クラムボンさん
モロヘイヤは最近はハウスものが年中出ているから、いつまででもやろうと思えばあるということです。それだけ都内の一般の食卓に定着した、ということみたいです。
でも、人気なし、ということになったら、随時打ち切る可能性もあるとか。できればお早めに・・・。
あと、事前予約が必要です。お忘れなく。
エジプト展も面白そう。これはワタシも「絶対行かねば」と思っているのです。
モロヘイヤは最近はハウスものが年中出ているから、いつまででもやろうと思えばあるということです。それだけ都内の一般の食卓に定着した、ということみたいです。
でも、人気なし、ということになったら、随時打ち切る可能性もあるとか。できればお早めに・・・。
あと、事前予約が必要です。お忘れなく。
エジプト展も面白そう。これはワタシも「絶対行かねば」と思っているのです。
13. Posted by まみもも November 07, 2006 10:25
今回のは写真が沢山あって「より」美味しそ〜!!
「ババガヌーグ」と「ホンモス」大好きです☆
この前秋茄子で自作してみました^^
行ってみたいけど、四谷って未知の世界です。
でも本当に美味しそうだな〜
上の本、買いましたよ♪
「ババガヌーグ」と「ホンモス」大好きです☆
この前秋茄子で自作してみました^^
行ってみたいけど、四谷って未知の世界です。
でも本当に美味しそうだな〜
上の本、買いましたよ♪
14. Posted by アリーマ November 07, 2006 11:28
まみももサン
『カルタゴ』は四谷でなく中野で、さらに中央線で10分ほどのところです。
行くと案外近いものなのですけれどね〜。
『カルタゴ』は四谷でなく中野で、さらに中央線で10分ほどのところです。
行くと案外近いものなのですけれどね〜。
15. Posted by 蓮 November 07, 2006 15:23
うわ〜行ってみたい!
モロヘイヤは季節限定なのかしらねぇ。。。やっぱり。。。
と思ったら、ハウスものがあるんですね!
モロヘイヤは季節限定なのかしらねぇ。。。やっぱり。。。
と思ったら、ハウスものがあるんですね!
16. Posted by アリーマ November 07, 2006 22:26
>蓮さん
そーなんです。
びっくり。
モロヘイヤも最近はついに、少なくとも都内近郊では食卓に定着した、ということなんでしょうね。
そーなんです。
びっくり。
モロヘイヤも最近はついに、少なくとも都内近郊では食卓に定着した、ということなんでしょうね。






