May 22, 2008

南青山『ESSENCE』再び! 〜こんどはイヌ連れディナー〜

しばらく前の話だが、いつぞや中華スイーツを食べに出かけた『ESSENCE』に。
こんどは晩メシ。
連れはマサカのいぬわんである。
ランチ記事にワンワン不満の声を上げて吼えたけっておったので、夜のほうには到底ついてくるまいと思ったら、なぜか引っかかるものがあったらしくて自分から言い出したのだ。

「どこいく?ズイエン?」(→都内でメシの計画であった)
「・・・エセンスとか・・・」
「は?!アンタ『写真見ただけでハラ立つ』とかのたまわっとらんかったか??」
「いや、まあ」

どっちにしろ一度誰かを引きずって行きたかったのだし、同行いぬわんとなれば割り勘ディスポーザー(?)としては大変心強い。
あっそー、じゃあそーしよーーー、というわけで怪しい不穏な空気を孕みつつ会食はスタートした。


前菜















勢いよくスタート!・・・としてはちょっと萎えるルックスの前菜盛り合わせ。
一品一品、大変旨いのではある。
内容は、たこほたて葱生姜、新たけのこのえび味、金時芋のペースト、大根陳皮、あん肝の以上である。
薬膳と季節感を踏まえた、繊細で丁寧な味付けはステキだ。
季節感、違うじゃないかといわれそうだが、この頃はこれでOKな季節感だったのよ。
こうしてみると本当に「かなり前」の話だなあ。

で、二人前なのだ、これは。
ウマイマズイは別の話として、これは中華ではない。
フレンチでもワタシがあまり好かない「オシャレちょん盛り系」。
和食ならワタシが滅多と近寄れない(涙)高級会席の向こう付けってやつ?

しかし、それであるならば、この一皿が一人前、であろう。
知らずに盛り合わせで頼んだ我々がイケナイといえばイケナイが、これはプレゼンとしてNGよ、という注意指導を店からもらっても別に怒んなかったなあ。

それぞれは間違いなくウマイ。
それだけに惜しい。

モツのぱりぱり揚げ「モツのぱりぱり揚げ」だ。
マンゴーが添えられている。
外はさっくりパリパリ
噛めばじゅわあと濃厚な脂溢れるモツに
甘酸っぱいマンゴーの取り合わせは
実に至福の組み合わせ。
これはステキだな♪


モツのぱりぱり揚げ















寄ると一層ウマソウな切り口でしょう。
量は少なめだが、前菜のように「ありゃ?」とコケるほどバランス悪い感じはしない。
イヌはがるがる不満を申し述べていたが、軽い食感と脂の濃厚さとマンゴーの楽しい組み合わせを堪能するには十分。
むしろこういうものは、量が多すぎると後味が悪くなるからこのくらいでよいと思う

・・・ま、もちっとあっても怒ったりしないけどさ・・・。


鶏と金針菜鶏と金針菜の蒸し物。
薄味だが鶏の旨味はしっかり。
上品でうまいのだが、
なにかしらインパクトがほしい気もする。
丁寧な仕事振りはよくわかるのだけれど
なにかが物足りない。


羊とクミン羊とクミンのスパイシー揚げ。
いぬわんが喰いたがったが一度却下。
しかしシェフに尋ねたらこれがオススメと。
上質な羊を揚げて
クミンや香菜と調理したもの。
実にウマソウな料理だが
ナゼまずは却下したかというと・・・

こういう料理はもうちょっと「荒々しい環境」で食べたほうが気分が出るから・・・。
中東系のよくない刷り込みが日ノ出町『延明』辺りでアナーキズムを備えてしまった、悲しいやつなんだ、ワタシ。

もちろんフレンチなどで出てくるラムチョップは「別の料理」だ。
こっちはこっちで「がはは」と笑いながら骨ごと素手でむしゃぶりつく。

要するに、羊、とりわけスパイシーな羊を喰うには血湧き肉踊る状況がほしいのだが、
この店にそれは無い。
それがイケナイわけではないし、料理もよくできたものだと思ったが、やっぱりインパクトが薄かった。

変わったものばかり喰いたがる客だということで、きっとこういうオススメをしてくださったものだろうと思う。
シェフに罪はない。

豚肺の杏仁スープ















さて、この辺に来るとシェフの本領発揮だ「豚の肺の杏仁スープ」!
豚の肺のフオフオした食感に、まったりと濃い杏仁の汁粉が絡まったスープは
じんわりと五臓六腑にしみる。
こういうスープはなかなか他所ではお目にかかれないので、大変嬉しく美味しく頂く。
スープがよいので嫌味な後口もない。
本当はこの類の「煮込み系」をもっと食べたかったな、と思う。
他にも面白そうな薬膳系スープが色々とあった。


麺醤







パスタかと見まごうルックスだが、立派に中華の和えそばだ。
まあ、突き詰めれば麺のルーツは同じなのだしなあ、と特に嫌味なく思う。
シャキシャキしたレンコンなどの野菜の食感がよかったし、なんといっても右側の
ちょこっとついてくる「醤」がよかった。
海南島産のかぼちゃと黄色パプリカの醤だそうで、店で作ったものではないのだが、
見かけの割りに相当辛い。
辛さのなかに面白い発酵臭があって、これを最初ちょちょいと、あとで全部どかすか
麺に混ぜ込んでしまうと、一見こじゃれたパスタ風の一品が楽しい中華味に一変する。

甜品















いぬわんに「さっきのスープとどう違うんだ?!」と文句を言われたが、スミマセンこれはワタシのオーダーミスであります。
杏仁と白キクラゲとクコの温かいスイーツ。
味がワカランてアンタ、横からスプーン突っ込んで一口喰っただけじゃわかるはずもあるまいが・・・でも、杏仁がかぶっちまいました。
だって杏仁、好きなんだもんね。

糖水煮込みのもっと違うものを頼めばよかったのだろうが、なんだか杏仁と白キクラゲとクコを体が欲していたんだなあ・・・きっと。

ここの中華デザートの揃いは相変らず大したもので、なんだか本当に目移りする。
本当は二品くらい頼みたかったが、なんとなくやめた。

この辺にいたるまでに、お店の人と色々話ができたので「甘味は極限まで抑えてください」とお願いしたところ、やっぱりそれが正解だった。
ほんのりうっすらした甘味(肺のスープよりは甘みがある)が杏仁の香りと本来の甘味を生かした、とてもいい味だ。
先日でかけた「糖朝」よりも、濃やかに手がかかっている感じがする。

出掛けにお店の人が「本当にアレでよかったのですか?」と聞いていたので、よほど甘味を控えてくれたと見える。

実は前回食べたデザートが、特に何もいわずに頼んだら「ダダ甘かった」のだ。
こんどもまだ甘かったらもうキライだぞ!と思ったが、お願いすれば調整してもらえるのがわかって嬉しい。
確かめたら「昼間でももちろん大丈夫ですよ」と。
美味な中華スイーツなんて、そうそう都内だってお目にかかれないのだから、こういうお店は大事にしないとね。

このように、一品それぞれには大変手がかかっていて、お店の人の気配りも実に濃やか。
内装がちょっと喫茶店風ではあるが、静かにどぎつくないものを食べながら、気の置けない雰囲気の会食をするには良い店だと思う。
値段だって、ビールも紹興酒もそこそこ飲んで一人6000円ほど。
場所柄を考えればこんなものだろうよ、と思う。

いぬわんは相当ストレスがたまったらしいし、確かにその気持ちはわからなくはない。
わかるこたわかるが、このお店の薬膳中華に真面目に取り組む姿勢はステキだと思うし、
スタッフも真面目で親切なので頑張ってほしいと思う。
だから、むやみに気分だけでくさしてしまいたくないのではあるが、敢えて言うならば、うまい中華を食べているときに感じる「強いエネルギーの流れ」みたいなものがどうも薄いのは否めない。
皿に乗った段階で、どうも何かしらちまちました「滞り」があるんじゃないかなあ・・・
と僭越ながら思ってみたりする。

量についても、ワタシは少なくても構わないのだが、やはり「見て元気になる量」は必要だろな。
多けりゃあいいというものではないのだが、あの盛り付けと量はやはりちょっと寂しい。

この辺はどこまでも好みの問題だとは思うのだが、ちょっとベクトル修正しないと、ワタクシ的には中途半端なところがついつい目に付く店ではある。

まあとにかくとりあえず、安価爆量迫力志向の方はやめといたほうがいいです。
頑張ってほしいんだけれどなあ。

そうそう、中華スイーツ大好きならば是非どうぞ。
甘すぎるのがイヤなら「控えめ指定」も可。
ワタシの舌がそもそもスイーツ向けじゃないので、お好みだと思うのですけどね。

追記:
その後また別のところに同行出撃して、あ〜やっぱこういうのはヨイなぁあぁぁ〜、と
機嫌よくまったり過ごしましたとさ。



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ところで関係ないが『延明』両店が最近どうも営業していない。
一体どうしちゃったのだろー??




お湯に溶くだけで杏仁汁粉。喉や美肌にも良いそうです。


薬膳の基本

ちょいと高い本だけど面白そう・・・うう、欲しい。

arima0831 at 19:26│Comments(11)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 中華料理 | 青山・広尾・六本木

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1. 青山、チャイニーズレストラン エッセンス  [ 犬悔い ]   May 22, 2008 21:46
この記事が上がってスグ、アリーマが再び青山に現れるとゆう。 盛りの悪さに見ただけでハラが減る、と毒づいたアノ店に突入だ! 前菜5種盛??.

この記事へのコメント

11. Posted by アリーマ   May 23, 2008 21:23
にっきさん

ありゃ、気をつかわせてしまったようでスミマセン。
後半を「いぬわんくん向け」にくくり忘れただけで、にっきさんの意見は正しいと思いますよ。
ワタシも見てくれをいじりすぎた料理は好きじゃないです。例えば飾りのセルフィーユ一切れ乗っけるために無為に費やされる30秒は、確実に30秒分料理を不味くするんだ、と信じてますし。

このお店にこと関しては、そういうスタイルがちょっと「?」だけれど、好きなところもあるので一言で「くだらんオシャレ系」と言い切ってしまいたくなかったんですよ。結局お店へのバッシングのように読み取れるならば、それはワタシの表現が至らないだけです。
ともあれ、お仕事中にご心配いただいてスミマセン。この話はここまでにしましょうかね。
単に「この店に行って喰ってどーだった」というだけの記事なので。
10. Posted by にっき・・・しつこいが(その5)   May 23, 2008 14:17
わかったぁ・・すべての誤解が。
私のイヌワン氏への一票は「お店の評価」に対しての一票ではなくって「アリーマさんほめてないじゃん」に対しての一票だったのよ・・。
アホでした、言葉が足らんで・・・。
こんなことでイヌワン、アリーマ同盟に亀裂が入ったらそりゃあ、アタシのせいだわ。すまんすまん。お詫びにお二人がここでおごってくれると言ったら、いつでも行きますから許してぇ〜。でも仕事中だった。さすがにまずい。
9. Posted by にっき・・仕事中だぞ(その4)   May 23, 2008 14:00
どうでもいいけど、このコメント欄400字までなのね。一度に書いて「このコメントは送信できません」と表示されたときには泣きたかった。大層あせりました。仕事中なのに・・・。
8. Posted by にっき その3   May 23, 2008 13:55
まだまだ続き・・・たぶんおなじようなことをアリーマさんも本文で述べておられるので、たぶん基本意見は同じです。仕事行く前で中途半端なコメントを残して申し訳なかったです。今は仕事中なので(オイッ!)ちゃんとフォローしておきます。「気配りも実に濃やか」とアリーマさんに書いてもらえるお店はそうそう無いですから・・・。

いぬわんさんはたぶん照れちゃうんでしょう、こういう素敵なお店にアリーマさんと行くと・・・。
7. Posted by にっき その2   May 23, 2008 13:54
続き・・・それは価値観の違いだとは思うのですが、昨今、こうしたキレイさを追求するあまり、お菓子でいえばショーケースの中に宝石然として並んだ、写真映りがすんごく良いケーキばっかり増えていくような傾向には、ちょっぴりうんざりしております。
お店が悪いのではなく、そうした方面に偏りつつある昨今の傾向にこそ意義を唱えたいかな。
そういう意味での「食べ物は元気が無くっちゃ」発言であります。
 
6. Posted by にっき   May 23, 2008 13:53
アリーマ様
大変失礼いたしました。
気に入らない店をアリーマさんがこんなに長く紹介するはずはないのでその点は十分理解しております。
ただ、きっと「おしゃれちょん盛り」のところに、アリーマさんとしては「無念!」がにじんでいるのだろうと思って一概に「ほめてないよぉ〜」ここに無念が漂ってるよ〜と応じてしまったわけです。
南青山という土地柄からいって、こうしたおしゃれ度は当然他のお客様からは求められるであろうテイストだと思います。
5. Posted by アリーマ   May 23, 2008 09:14
にっきさん

決してダメな店だとは思わないんですが、どうもその辺のセンスが個人的にぴんと来ないところがあるのは確かですね。
でも、全面的にだからダメ、というつもりもなくて、ワタシはランチやスイーツ、もしくはメニュー次第でディナーでも、リピートするつもりは十分あります。誤解なきように。

真面目にやっているお店だとおもうので、いぬわんくんの八つ当たり的な非難はちょっと筋違いにも思えます。気に入らなかったとアレだけストレートに自分のところで書いたのだから、もう十分じゃないですか?
あのお店の場合、薬膳や中華スイーツという一般の店ではやろうとしない分野に取り組んでいるのだし、批判は批判としてあってもよいけれど、面白半分の気分任せなバッシングを受けるいわれはないと思います。「好みの違い」や「自分自身の味覚センスの至らなさ」という部分は、忘れないほうがよろしいかと。
発展性のないお店への無意味なバッシングはやめましょうよ。
ワタシもアカラサマに貶すケースはあるけれど、原則それは「マネジメントとして客をなめている。ふざけている」といった不快感を感じた場合に限られます。

記事中に誤解があるといけないのでもう一度書いておきますが、ワタシはこのお店は頑張ってほしいと思います。方向性を多少調整したほうが、私の好みにはあうなあ、とそれだけの話です。
4. Posted by いぬわん   May 23, 2008 08:04
をを〜
力強い援護射撃〜〜!
>「しょせん食べ物なんだから飾り立てたってしかたない」
すばらしい〜!
3. Posted by にっき   May 23, 2008 07:59
イヌワン氏に一票!
つまりは、最初の一皿、あの「オシャレちょん盛り系」が、全て悪いのね。
私も料理に過度な芸術性はいらんと思うよ。「しょせん食べ物なんだから飾り立てたってしかたない」私のケーキの師匠も言っております。
食べ物は元気でなくっちゃ。
2. Posted by アリーマ   May 22, 2008 22:13
いぬわんくん

褒めてるよ〜。
ホメてますぅ〜〜。
1. Posted by いぬわん   May 22, 2008 21:44
ぜんぜんホメとらんやん(´д‘)

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