May 29, 2008

三宿『新記』で香港メシなど 〜ダメなオトナたちの午後〜

ネコモリにかまけて引きこもっていたら、いつの間にか髪ぼうぼうだった。

会う人ごとに

「あ・・・髪伸ばしてるの、かなあ・・」
(イエ、伸びただけです、と答える。髪はほうっておけば伸びるものだ)
「ええと、パーマをかけましたか?」
(イエ、天然です、と答える。どうせアタマは生まれつきクルクルだわい)

というような会話が出始めたところで「そろそろ」と思う。
面倒くさいが致し方ない。

なによりも、洗ったまんまで出かけてOKだったものが、風呂上りにドライヤーをかける(所謂「ブロー」)がないと、どうもヤマンバ(一過性だが流行った若い娘の形態ではなく、日本伝承にある部類)のような印象になると、もう限界だ。
座って「いつものヤツ」が効くところに出かける。
不惑もとうに過ぎてこの身なりの構わなさは、ほとんど社会問題らしい。

場所は毎度のことながら、ウレシハズカシ原宿は東郷神社前である。
美容師さんたちの意識レベルが高いので、社会問題解決に協力してくれるのだ、
というのはウソで、相手が好もうが好むまいが15年も通っているから、
数ヶ月にいっぺんワタシが現れるという現状が既得権を伴う既成事実と化しただけだ。
ようするに、ただの成り行きである。

だから「どういう髪型にするか」ではなくて、「さ〜、何を食べるかな!」という思いに
集中できる。

中華スイーツのあそこここも、一応足を運んだ。

「汁なし坦々麺」
とも思ったのだが、どうもなんだかどうしても、行きたい店がある。
前夜この店のHPを見ながら、嗚呼行きたい・・・でも誰かとお約束をするのも億劫だわ、などとダラダラ考えていたのだった。

しかし、香港麺の固いゴム状の食感を思い描けばもう辛抱タマラン。
ワンタンメ〜〜〜〜ン!

香港麺 新記
採点:★★★★★


場所は知らない人にはわかりにくい。
「三軒茶屋」そして「三宿」という地名になじみがなければ、行き着くまでが結構大変。
そもそも「みしゅく」と読むのだということを初めて知ったよ。
「さんじゅく」じゃないんですね。
すみません。

昼ごろ南青山で別の用があり、美容院は午後の予約。
よくよく都内交通網を検討すると、表参道から地下鉄に乗ると一本で行けるではないか。

しかしそれにしても、一人で行っても麺と小さい飯物と、あとはせいぜい水餃子程度だ。
つまらんのでイヌに「今日の夕方は三宿の香港!」と電信連絡を流すと、「昼や昼や!電話しろ。イマスグ!」となにかに感電して狂ったとしか思われないような返信が来た。

どうも有名なラーメン屋の行列を見て頭に血が上った、まさにその素晴らしいタイミングだったらしい。
しかもどうやら、前夜ワタシと似たり寄ったりの時間帯に、おなじHPを眺めて涎を拭っていたらしい。

電話をすると「散髪の予約を変更して昼飯にする」と、勝手に告げられた。
「する」ってアンタ・・・と絶句しながら美容院に無理を言って、予約を夕方に。
気がついたら駅の改札を挟んで「ようよう♪」と尻尾を振るいぬわんくんの姿があった。
ワタシが迷ってスタートが遅れると、喰い始めが遅れるから身柄確保に来たイヌ。
美談でもなんでもないです。
そもそも渋谷じゃなくて池尻大橋の改札だしな。

イカ葱生姜















座るなりビール!
そして「イカ葱生姜和え」だ。
単に処理して切って醤油系のソースにあえて、細かく刻んだ山ほどの葱生姜をのせただけの一品。
それだけのものに、二人まず悶絶する。
イカのプリンとした歯応えに、葱生姜の香りと醤油系のタレが絡む。

外の陽射しは初夏そのもの。
爽やかに乾いた五月の空気に、ビールが一本瞬く間に空いた。
屋内だけど。

空芯菜蝦味噌炒め豚ばら







胃袋のキャパシティーとは不思議なもので、一人が二人になると単に倍、ではない。
空芯菜蝦味噌炒め&皮付焼き豚ばら。
ビールもう一本!

香腸
やっぱり腸詰はここで外せませんぜ。
おお、せっかくまっぴるまっから
ビール飲んでるんだからなあ。

実はわりと普通の腸詰だったが、
ひとたび気分がハイになると
些細なことは気にならん。


水餃子
















水餃子を頼むのは、そこに水餃子があるからだ。
ゆるゆるな生活姿勢ながら、この一点には妥協を許さぬワタクシ的哲学である。

もちろん広東メシ香港メシの水餃子なんて、ろくなもんが出てこないのはわかりきって・・・

わかりきっていたはずが、なんとこの水餃子はウマイ!
水餃子のウマイ香港麺屋なんて、きっと世界中でここだけに違いない。
餡がちょっと韮の勝ったタイプで、若干皮が柔らかめだが、汁気の含み具合など
どうでもいいような中華街行列店なんかよりはるかによい。

小龍包小龍包をたのむのは、そこに・・・(略)。
「そんなに喰えへんやろ」と
妙に冷静なアドバイス指示を出すいぬわんに
冷徹な我が人生哲学を
涙ながらに語ろうとすると
カッテニシロ、と言ってくれた。


広東メシ香港メシの小龍包もまた、どうせろくなもんではないのはわかってはいるが・・・

ちょびっと皮が厚め固めではあったが、中華街のふざけた点心店なんぞよりずっとマシ。
餡も皮も水餃子とは別に調製しているらしい。

まあ、これも我が人生哲学に沿って「小龍包より水餃子」という結論だ。
だからいいのだ。

しかも、いぬわんときたら「まだ喰えるな」とトランス状態で呟いている。

冬瓜と帆立のスープ















ちょっと季節は早いが、冬瓜はやはり喰いたい。
壁のメニューには「炒め」と出てたがスープだった。
帆立入り。
ちょっと暑い日にはやはり暑気払いになる。
他のナニカとどっちにしようか、かなり激しく二人悩んだのは覚えてるんだが
あれってなんだったっけ?

ワンタン麺スペアリブ飯







ここで、こんどはワタシが「麺を半分にすべきではないか」という冷静なアドバイスを。
しかし、いぬわんは「いや、フルで頼む」と眦を決していうのである。
そうか、それがオマエの人生哲学ならば仕方あるまいよ、と思えば・・・

単に「大きいほうが二人で分けやすい」という、実に思想性の薄い話なのであった。
この場合、現実性をも凌駕しておる。嗚呼。
まあいいけどね。

鼓椒排骨飯はセットで出てくる。

ええと、ワタシラがビール瓶を握り締めて縦揺れ横揺れを繰り返している間、
周囲の卓を通り過ぎていった、いわゆる普通の皆様の「ランチセット」は上記二品です。

さすがに多い。
苦しくなってくる。

ワンタン















しか〜〜し、この麺の輪ゴムな食感とプリップリのワンタンは、実にタマラン。
味がちょっと濃いように思ったのは、単にクイスギなんだと思う。


ロウメン杏仁豆腐








いぬわんときたら、山ほど牛肉をのせた撈麺(ロウメン)まで頼んでいる。
肉がうまい。
しかしこのインパクトある一品は、爆食の締めでなく「通常ランチ」で喰ってはじめて
進化を発揮するものなのでは・・・と若干人生観に悔いが出るが、考えなかったことにした。

香港的元気印ジャンク飯、だなあ。
こういう上品で和風なヤツとは世界観が違う。
どっちもうまいけどね。

最後に過剰カロリーをリセットすべく、杏仁豆腐を二人前。
小さなガラス椀にちゅるんと出てくる。
甘味薄めでふんわりと杏仁が香る。

胃液とともにアドレナリンまで吐き尽くした感のある各種内臓が
一瞬ほっと和むのを感じた。

尚、ワタシは見えてしまったのだが、冬瓜追加の辺りで厨房から顔が覗いて
「え、まだ喰うのかよ?!」という視線が飛んだのであった。
一応微笑んでおいたが、社会性に若干問題があったかもしれないな。はっはは。

いぬわんレポートもご参照あれ!

この後、髪ボーボーでビール臭い息を吐き散らしながら原宿を歩いていって、
こうした社会問題を一つ解決してもらえたから、まあよかったのだと思う。

でも服に喰いこぼしまでついているのはさすがに恥ずかしかったので、
「えっへへ〜、飲んできちゃったあ♪」と頭をかいてみた。

ここの美容院のスタッフはシャンプーの子から店長、オーナーまで人間ができているので
特に迷惑がられもしなかった・・・と、信じている。



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そしてこのあと、三日間はまったくお腹が空きませんでしたとさ(嘘)




香港麺、売ってます♪

香港粉麺飯―めんとご飯

作るためというよりは、Mな食欲を無駄にそそるための一冊。うまそうです。

arima0831 at 02:10│Comments(19)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 渋谷・恵比寿 | 中華料理

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1. 池尻の新記は香港でGO!  [ 犬悔い ]   May 29, 2008 09:07
ある平日の昼下がり。 こちらのブログで有名な多賀野の店先の36人もの行列を目の当たりにして呆然と立ち尽くしていたら、ほにゃららのアリ...

この記事へのコメント

19. Posted by アリーマ   September 01, 2008 06:04
ぺりおさん

重要情報ですね。
深夜まで、ですか。

万万が一あのへんで深夜をやり過ごさなくなった場合は、かならず思い出すことにします
18. Posted by ぺりお   August 31, 2008 23:06
アリーマさん

お店のHPによれば、7月に開店したようです、、、知らなかった。
時々はチェック必要ですね。

なお、中延店は平日のランチはやらなくなって、夜のみの営業となって、夜中の3時!まで開いているようです。夜遊び好きの人にはいいですね。

p.s.16で私のリンク先が入力ミスにより開かなくなっています。
ご覧になる方は、他のコメントのリンクでお願いします。スミマセン。
17. Posted by アリーマ   August 30, 2008 23:52
ぺりおさん

おお、ありがとうございます!
虎ノ門はたまーに用件できるので、そういうときによれますねえ(嬉)
16. Posted by ぺりお   August 30, 2008 22:52
開店情報です。

虎ノ門に新店舗オープンです。

仕事場に近いのでランチにも行けるし、仕事帰りに一杯できるし。
食べるところはたくさんあるけれども、どこもいまいちのこのエリアで嬉しい出店です。

まだ実際は食べていないのですが、メニューも他店と同じようです。
15. Posted by アリーマ   June 07, 2008 14:27
ぺりおさん

なるほどー。
どうも今ひとつアクセスのイメージがわかないんですが、なんにもないのは覚えておこうっと。
14. Posted by ぺりお   June 06, 2008 07:55
アリーマさん 横入りです。

>中延のほうが、横浜から近いのでしょうか?

横浜駅からだと行き方にもよりますが、中延の方が若干近い感じですね。

ただ、食べた後の事を考えると店の周りナンもないです>中延
13. Posted by アリーマ   June 02, 2008 22:04
るる♪さん

「行きたい食べたい!」の衝動って、結構激しく耐え難いですよね。
中延のほうが、横浜から近いのでしょうか?

いいなー。
お台場にも支店があるそうですよ。

こういうとき、ほんとに胃袋二つ欲しくなりますねえ。
12. Posted by るる♪   June 02, 2008 19:53
アリーマさん
あれから数日間「行きたい、行きたい、食べたいたべたい」ともんもんとしてて、行ってきました。
といっても、中延店のほう。
こっちは香港チックな店内ではなかったけれど、
おいしかった〜〜〜。
もっといろいろ食べたかったです。
11. Posted by アリーマ   June 01, 2008 22:27
min-minさん

テケテケ歩きながら「うおぉぉぉ、あれはっ?!」
「むむむ、こ、これは??」と騒いでたんでしたが・・・ご近所にいればよさそうな感じ、でしょうか。
でも、あのへんて「御近所向け良店」がずいぶん多そうですねー。
10. Posted by min-min   May 31, 2008 15:48
いぬわんさん、こんにちは。

歩道からちょこっと奥まった位置関係にある寿司屋さんですよね。
およそ4年前でしょうか、地元に住むお方と一緒に入ったことがあります。
彼はここの常連さんのようで、コストパフォーマンスがとても良いお店とのことで連れて行ってもらったわけです。
特に『すげぇ、美味い!』ということはないのですが、あまり値段を気にせず入れるお店、と言っておきましょう!

9. Posted by いぬわん   May 31, 2008 09:18
おっ!
三宿在住経験者発見!
で、質問!
アリーマと池尻から新記へ歩く途中、やっすい鮨屋発見!
アレ、どうなんでしょう?
アリーマともども、気になる、気になる、といいつつ通過したのですが・・・
8. Posted by アリーマ   May 30, 2008 21:17
min-minさん

おお、さすがご存知でしたか。
この辺りにお住まいって、渋谷も近いから便利そうでいいですね。

フットワーク・・・ただ食欲のみなんですが。
7. Posted by min-min   May 30, 2008 13:56
おお、こんな所まで足を伸ばしているんですねぇ。

三宿の「新記」、なつかしいなぁ。
ここはもっぱら昼の普通の皆様の「ランチセット」を食べておりました。それにしても『よくこれだけ食べられるなぁ!!!』

実は僕は昔、池尻の住人で、このお店の246の反対側、世田谷公園の三宿通り沿いのマンションにしばらく住んでいたのです。
長男は「三宿病院」というところで産まれました。もう、涙が出るほど懐かしい場所です。ちなみにこの三宿通りはこじゃれたお店が多いことで有名のようですが、現在はかってほど集客は多くないそうです。
アリーマさん、イヌわんさんコンビのフットワークの軽さに脱帽です(笑)
6. Posted by アリーマ   May 29, 2008 23:41
るる♪さん

ここ、価格的にもチープな路面店に良い意味での+αなかんじで楽しいですよ。
場所がわかりづらいと思うかどうかは・・・人それぞれかも。

ドリフ爆発→ゆるふわというのもかなり大変ですねえ・・・雨が降るとドリフに戻っちゃうんですよね・・・。
5. Posted by るる♪   May 29, 2008 23:01
いぬわんさんのレポートをみて、アリーマさんがいつアップするのか、首を長くして待ってました。
めちゃくちゃおいしそう。
でも、場所がわかりづらいのか・・。行くのが大変そう。

ちなみに、ワタシは朝おきると、ドリフのコントで爆発したときみたいな頭になってます(マジで)。ドライヤーを使いこなせないので、それをホットカーラーで巻いてごまかしてます。
4. Posted by アリーマ   May 29, 2008 19:02
ぺりおさん

ハイ、とうとう行ってきました。
行ってみれば案外渋谷から近いのですね。

昼間のビルは本当に目立たない普通のビルで、交差点に面しているとは思えぬ地味さです。
麺のスープ、確かにちょっと味が濃いかも。あと、確かに蝦くさい香港風とは違います。美味しいですけどねー。
いわゆる香港風ならば、糖朝のワンタン麺が良かったです。

あの葱と生姜のちゃっちゃは、すばやく確実な粗微塵でありまして、アレができる人はかなり包丁使えるヒトだと思います。えぐみ出さず、風味殺さず。
単にゆでたイカが実にうまかったです。
嗚呼、また食べたい・・・!
3. Posted by ぺりお   May 29, 2008 14:20
アリーマさん とうとう行かれたのですね。

気に入っていただいて、良かったです。
私はこの店の入っているビルの感じがとても好きです。昭和の香りがぷんぷんして、、、
夜クルマで店の前を通ると、ボーっとネオン管が光って気分満点です。

麺のスープは香港の蝦臭いのとは違っていますが、これはこれでいけますよね。ただ三宿のはいつもちょっとしょっぱいかも、

水餃子は食べたことあるんですが、小龍包はまだ無いので、次回食べてみようかな。

鼓椒排骨飯、美味しいですよね。白切鶏飯も是非次回食べてみてください。上に乗っているネギはイカの上のと一緒ですが、こういうのちゃっちゃって自分で作れたらいいなあなんて思います。

2. Posted by アリーマ   May 29, 2008 11:39
いぬわんくん

あ、そか、ニガウリかぁ。
ニガウリ食べたいなあ。大珍のニガウリ煮込みとか。

写真・・・そうですかー?
ふうむ。人間数をこなせば少しは進歩するもんなんですね。
オドロキ。
1. Posted by いぬわん   May 29, 2008 09:09
いんやー
ほんまにウマかった
五月の晴れた午後、ってゆうシチュエーションもウマさを加速させたな!
ちなみに悩んだのは苦瓜。こちらも帆立との炒め、と書いてあった。
しかし、写真、ウマくなった・・・
ワンタンメンの麺がとってもウマそうだ

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