June 03, 2008

草津遠征 其の二 〜温泉旅館の前衛と非日常的選択肢について(?)〜

草津の話、つづく。

結婚15周年謝恩月間ということで、先月末からこっち無意味にイベントてんこ盛り。
気がついたらそうなっていた。
まるで年中夫婦して遊び歩いているようだが、そんなことはないです。

遊びすぎの言い訳を後付した感あり。
まあいいや。いいことにする。

さて、お泊りは某温泉旅館。

さて、草津の中心「湯畑」に程近い旅館に着くと、
「女性は浴衣を30種類の中からお選びいただけます」
という案内があった。

下から持って上がるのがメンドクセエ、とシンプルに思いつつ玄関ロビー奥を見やると、
いっそ前衛的とすら言えるような光景が広がっていた。
色とりどりの浴衣が山積みになっているのだ。
最近そういうサービスがたまにあるらしいと聞いてはいたが、
マサカ自分の目の前にでてくるとは何故か思わなんだよ。
なにしろ自腹を切って高級旅館なんて、身に過ぎた贅沢に慣れていないのである。
そもそも今回の宿泊だって、貰い物の旅行券だから自腹ではないし。

色とりどり満艦飾な光景って、例えば国技館前の幟立ち並ぶ風景のように、
本来もっと心躍るもののはずだが、なぜか一瞬思考停止に陥る。
予想外のオドロキって、思わぬところにあるもんだ。

「部屋に置いてあるやつでいいです」などと口走らなくて良かった。
まあ、口走ったところで強制的に持って行かされるんだけれどもね。
どうせ選ばせてくれるんなら、お部屋にお届けくださいませえな、
などと思っちゃイカン。イカンのだっ!

ぎすぎすとけたたましい色柄の山が目に痛い。
赤地に花柄、ピンクに花柄、水色にピンクの蝶々、薄緑に折鶴極彩色・・・

ナニが悲しゅうてこんないいトシして、中国産インチキ金魚コスプレもどきを
せにゃあいかんのだ。
こんなコッパズカシイもん、着られるかっつーの。
第一、これって寝巻きだろ。
こんなもん着て安らかに寝られるかっ・・・

といった思い渦巻く中、

「白地にXX旅館て書いたようなのは、ないんでしょうか?」という言葉を飲み下して
なんとか一番「クワイエットなヤツ」を隅のほうから見つけ出した。

最近自分は、実に温厚で物分りの良い協調性に富んだ人格に変わりつつあると思う瞬間。
こういう「一瞬の留め」みたいなもんが十年前に身についてれば・・・と思うもムナシ。
要するにこれが「中年になった」ということなんだろうなあ嗚呼。

「あらあ、そんな地味なのでよろしいんですかあ?」と仲居さん。
スミマセン、いいんです、これでいいんです・・・。

部屋は実に広々としていて立派だ。
卑しく館内案内図をこっそりチェックすると、角部屋の一番広い間取り。
へへへ、良いではないか・・・と浴衣に着替えた。

図体のばかでかいオットは、広い部屋を見てルンルンしている。
ばかでかいので、狭い窮屈なところが大嫌いなのである。
「ウチの社員旅行なら十人部屋だなあ」というヨロコビのツボが若干不思議だが
まあ良いとしよう。

しかし、彼が下で「大」の浴衣をテキトーに手にとった時点で嫌な予感がしていたのだが
着た姿を見ると、つんつるてんでまるっきり「アホのこども」である。
なんぼ浴衣が寝巻きでも、この姿で部屋の外に出すのはまずい。
両足を淑やかに閉じていればまだしも、開いて立てば猥褻であり、胡坐で座れば
ほぼ変質者だ。

しかもこの熊本男児は、病気の猫を抱くときさえ「女座りだ」と両足閉じて椅子に
座りたがらない。
やれやれ。

本人はまるで気にしていないのだが(気にしろよ!)、押し留めてフロントに電話。
「なんでもいいから一番でかいのを持ってきてください」と頼む。

ありました。よかった。風呂に行った。

お湯は実に良い。
ちょっと熱いのだけれど、硫黄の匂いにうっとりする。
でっかい風呂に体を浸すと、どうして思わず「ううぅぅぅ〜♪」なんて声がでるのだろ。
まずは何より幸せいっぱい。

湯上りにビールをぐびぐびいって、ふんにゃあほんにゃあと畳の上で伸びをしていたら
夕食がやってきた。

晩飯1正しい旅館の晩飯。
ワインがハーフボトルサービスでついた。
どうせなら日本酒が・・・などと
文句を言ってはいけない。
フルーティーで結構いけたし
左下の「春きゃべつとスモークサーモン」には
白ワインでちょうどよかった。


刺身エビ







どんな山奥であろうと御約束のように、刺身は必ず供されるのである。
馬刺しもちょっと付いた(喜)

しかしなあ、左の不思議なマヨネーズぽいクリームをかけた海老料理は、
敢えて草津で喰わんでも・・・などという野暮は言うものではない。

まあ、こんな感じでちょこまかとつづく。
どうも中途半端なフレンチ洋風もどきが入り込むのは気になるが、まあよかろ。
以下省略。

旅館恒例のセレモニーとして、ここの女将(雑誌に載ったりしてるらしい)が突然現れ
キンキラな声で「ご挨拶口上」をケタケタ述べて出て行った。
ふたりして口の端から海老の尻尾をぶらさげて聞いた。
ほんの一分ほどのようだが、えらく長く感じた。

朝めし風呂から出たり入ったり
ビールを飲んだり日本酒飲んだり
テレビを見たり本を読んだり
寝たり起きたりするうちに朝が来る。
正しい旅館の朝ごはんがやってくる。
細かい内容はいちいちアレコレ言うまい。
温泉玉子か茶碗蒸しがお選びいただけます、
とのことなので、この朝は茶碗蒸しにした。

干物味噌汁








なんと朝食から魚も味噌汁もお手元であっためていただけます、というコンセプト。
朝から板場を稼動させるには、よほど経費がかかるのだろうな・・・と感慨にふける。

ここまではまだよかったが、二泊目の晩には「オードブル五点盛り」を皮切りに
不可思議に中途半端なフレンチ洋風な色合いが強まる。
そして「次は温泉玉子♪」な心算の翌朝は「鉄板焼きベーコンエッグ」が供された。
お一人様用鉄板鍋に、火を通してないベーコン&生卵。
鍋に添加して蓋をしておくと、蒸れたベーコンエッグができる。
この辺はお選びいただけないらしい(嘆)

普通に温泉玉子を喰わしてくれろっ!

こういうことに不満を言いまくる自分は、とても贅沢だと思うのではあるが、
一体何が不満かよくよく考えてみると、要するに「このくらいやっとくと若い女の子が
喜ぶんじゃないの?」というソロバン勘定があっさり透けて見えるところなのかなあ・・・
などと思ったわけだ。
良し悪し以前に、こういう人様をなめた目線を感じると、つい「ふざけんな」と構える
自分がいる。

余談だが、風呂場でオバハン二人組みがおり、一人は玄関ロビーでまず目に付いて吐き気を催した「赤地に花柄」を着ていたのだった。

「あらあ、それにしたのねえ!」
「そうなの、普段着ないようなものにしようと思ってえ」
「それ、かわいいわぁ♪」

そう、温泉旅行も温泉旅館も、要するに「非日常を楽しむ場」なのであろう。
だから、宿それぞれに趣向を凝らして「非日常」をクリエイトしてくれてんだよな。
そうだよな。

まあ、とりあえず「浴衣お選びサービス付き」という非日常選択肢をくれる旅館は
今後避けることにしよう。そうしよう。

尚、後日うまい香港メシを喰いながら、いわゆるタダのいぬわんなんかにその話をしたところ

「アホーなネーチャンとオバチャンのツボがおんなしって、あたりまえやんか」と
キッパリ言っていた。
そうなのか。そんなもんなのか。

なんだか、ちょっといやだなあ。


(以降は草津の楽しい話がつづく・・・たぶん)


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草津のお湯と町はよかったです。宿を変えてまた行きたい。



草津温泉マン、ビーズストラップ!


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2009年版もあります。ガイドブックなんて旅館にどうせあるワイと思っていたら、意外と装備していないもんなのね。
自分で買っていこう。

arima0831 at 22:00│Comments(13)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 草津 | 温泉/スパなど

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この記事へのコメント

13. Posted by アリーマ   June 22, 2008 15:34
にっきさん

遊びすぎが祟っているのでありませう。
このようにパソコン遊びをするくらいなので、良くなってきてはいるのですが。
げほげほ。

アタリですか。
街であんな顔のバカデカイ人類を見かけたら、思いっきり肩をどついてやってください。
12. Posted by にっき   June 22, 2008 15:21
>現地の人はたぶん決してしない行動
うふふふ・・・じゃあ当たりだぁ!

風邪、もうよくなりましたか?お大事に。私はこんどは左目が(先週は右目だった)ものもらいになったらしいです。
早く梅雨、終わんないかな。
11. Posted by アリーマ   June 22, 2008 14:39
にっきさん

単に湿気が高まったので、漠然と更新をサボっているうちに風邪を激しくこじらせてしまいました。
風邪を引いたぞといいながら、出掛けて遊ぶことは欠かさなかった報いなのでもあります(省)

ザウルスは赤目です。
どう見ても現地の人にしか見えないのだけれど、現地の人はたぶん決してしない行動をとっています。
10. Posted by にっき   June 21, 2008 15:54
なかなか次が更新されないもんだから、「ザウルスを探せ!」をして遊んじまいました。
で、たぶんザウルス発見。たしかに草食恐竜っぽい穏やかさというかのんきさが漂っている気がいたしました。(全然違う現地の人だったらゴメン)
9. Posted by アリーマ   June 11, 2008 21:27
しゅうるりサン

そう、ベーコンエッグ。
それも、蓋つきのお手元鉄板蒸らし焼きのヤツです。
旅館の朝食なんだから、これだけはちょっと許せない気分でした。今回一番の萎えどころだったかも。

ザウルスの本体、実は香港編某所にこっそり出現してます。
在香港時広東語話しかけられ率100%なザウルスなので、でかいわりに暗い雑踏に溶け込んでますが。
8. Posted by しゅうるり   June 11, 2008 11:16
ナカノヒトは完全中年オッサン主婦のしゅうるりです。

何が悲しくて旅館に来てまで自分でベーコンエッグを焼かなくちゃならないんでしょうかね。そこで現実に立ち返れってことでしょうか。アタシも温泉玉子に1票です。

ところでほんのちょびっとだけご主人様のご尊体が拝見できて、なんだかウレシクなってしまいました。リアルアロサウルスを拝めたジュラシック・パーク的ヨロコビ…なんでしょうか。
7. Posted by アリーマ   June 10, 2008 21:03
Gingerさん

そーか。あれ、オモテナシか。
ううむ、バチアタリもんのワタシは、なんだーかんだーとブツクサ言ってましたが。

まあ、お湯はよかったし、部屋も広々でのんびりできました♪
草津自体はいいところです。
6. Posted by Ginger   June 09, 2008 01:15
辛口利いてておもろくて何度も読み返しちゃったわん。浴衣選びにも人生を投影しちゃうガラスな我々世代なお話、笑いながらいろいろ考えちゃうわん。
山奥の旅館のエビとか鮪って、最大のおもてなしの表れなのよ♪(でも確かによけー)。そんな素敵な旅館で唸れて羨ましいわん。
5. Posted by アリーマ   June 05, 2008 15:44
いわゆるただのいぬわんくんへ

あら、結構根に持ってんのかしら・・・(へへへ)

でもさあ、かわいらしい女子大生なんか見て、その30年後がイメージできるのって、果たして幸福なんだか不幸なんだかわかんないなあ。
その想像力を是非幸福につなげてくれ。
4. Posted by いぬわん   June 05, 2008 14:56
いわゆるタダのいぬわんなんかです。いわゆるタダのいぬわんなんかでもオトコ50年続けてると、このねえちゃんはこうゆうオバハンになると思い描けるようにナリマス
3. Posted by アリーマ   June 04, 2008 11:32
>泥酔院さん
まさにおっしゃるとおりで、でっかくなったバカボンの顔を南洋系にしてください。
これに懲りて、長野の時には「事前特大浴衣リクエスト」を入れたのでした。

>にっきさん
「少女趣味」というのはまあ、一つのジャンルであろうと思うので、自分の好みではないにせよ許容できるのですが、あの意味不明なキッチュさを喜ぶ感性は理解不能です。
ワタシも「ガキからオッサン」の口なんでしょうね。フナ同士仲良くしましょう♪
2. Posted by にっき   June 04, 2008 11:05
以前職場にいました。
ガキから大人にならず、いきなりオバサンになってしまったと思われる女の人が。でも時々わが身を振り返って、もしやアタシは「ガキからいきなりオジサン」になってしまったクチではなかろうかと不安になります。
アタシも「中国産インチキ金魚コスプレ」出来ないクチです。フナでいいですぅ。
1. Posted by 泥酔院   June 04, 2008 08:27
>つんつるてんでまるっきり「アホのこども」である。

大変失礼ですが、大人になった『バカボン』が頭に浮かんで離れません。

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