September 15, 2008

松本『米芳』で馬肉料理 〜松本城で食前運動もする 白骨温泉 其の四〜

長野・白骨ツアーも今回でラスト。
ああ、やっとここまで来たな。
一応前置きですが、5月末ごろの話です・・・。

白骨温泉を出て、覚悟してうねる山道に向かったところ、
なんだかあっさり山裾に出た。
往きは霧も出てずいぶん苦労したのだが、妙にあっけない。

往きに立ち寄った蕎麦屋の店主が教えてくれたように、松本までは確かに
一時間もかからなかった。

山道即ち不可解。
やっぱり山に狐狸はいるものなのであろう。
そうにちがいない。

松本に意外と早く着いたので、まあ観光でもすっかということになる。
ここの観光と言えばまず・・・

松本城















松本城、であろう。
名所旧跡めぐりに情熱はないのだけれど、この城は中が当時のまま
保存されているそうだ。
青空の向こうに雪をいただいた山脈。
ああ、本日は晴天で嬉しいわ。

「中も見たいなー」
「こんな城を見てどうする。城といったら熊本城に決まっているぞ」

熊本出身のオット、たまに妙な辺境型の意固地さを見せる。

「でも、お城の中を見学できるんだって。中が当時のままだって」
ワタシ、実は観光見物にどうも興味が薄いのだけれど、昔のままの天守閣って
一度登ってみたいじゃないですか。

「熊本城の比較ではないぞ、バカモン。登るなら熊本で登れ」

「ん・・・?」と怪しく思う。一応聞いてみた。

「ところでアナタ、熊本城の中に入ったことあるんですか?」
「ある。もちろんある」
「あのね、ワタシは小学生のときに母と入ったのよね」
「・・・ええと、ううむ・・・」

熊本城が城なのは外側だけで、中は近代的な博物館風になっていたはず
ですがね・・・

と、いうわけで、彼は生まれて初めて城の中に入ったのだった。

城に造詣が深いわけでもないので、とりあえず「へー!」と言いつつ這い登り
そして這い降り、ああ行って来たもんねという達成感に心躍らせる。
フィールドアスレチックをワンラウンドこなしたようで、結構楽しい。
楽しいが、本当に「建てたときそのまんま」だ。
急勾配の梯子段みたいなものを昇り降りすることになるので、
登りもきついが降りる時など結構怖かったりする。

当時のお侍さんたち、戦の最中に甲冑姿で駆け下りるときなんか、
絶対に何人か転げ落ちているにちがいない。
誰かが足を踏み外したせいで、三人くらいまとめて段々から転げ落ちる図、
なんてもんがリアルに想像できる。
ていうか、アレを重い甲冑装備でドカスカ上下なんて無理だな。
片手に靴袋を持ってるだけで、バランス失いそうになるくらいだ(土足厳禁なのだ)。
上に行くほど梯子化してスリルが増すのだよ。

ううむ。当時はどうしてたんでしょう?

松本城熊本城当主であった加藤清正公も
この城に立ち寄ったことがあるそうだ。
詳しい話は看板に書いてあるが
土産に名馬をあげるから
二頭のうち一頭選べ、という申し出に
「せっかく選んでくれたんだから両方もらうぞ」
と二頭連れてっちゃった、という話。

どうも微妙なエピソードだが、オットは「流石は清正公だ」と悦に入っておった。
郷土の誇りって、ワタシよくわかんない・・・。

そうそう、この看板のところにあった桜の木に馬を繋いだそうです。
もちろん看板に書いてある逸話には、ネガティブなニュアンスは
一切含まれてませんから。
この話が「微妙」と思うのは、きっとワタシの心が曲がっているからだわ。
きっとそうだと思う。

さて、ランチタイム。
ほどよく運動したのでオナカもすいた。
前夜に結構美味い馬刺しは食べたけど、やっぱり「馬料理専門店」は外せない。
旅館で教えてもらった店に向かう。

米芳米芳







まずは独活の味噌和え&山葵菜のお浸し。
お通し程度の小鉢。
イマイチ香りが薄いが、まあいいや。
「ビール飲みたいなー」と一応軽くつぶやいてみたが、運転手のオットに無視される。
ちぇ。

米芳馬モツの煮込み。「おたぐり」という。
手繰るから「おたぐり」だそうだ。
おたぐっている光景は
敢えて想像しないで食べるのだ。
ご飯が恋しくなる味噌ベースさっぱり味。
大好物だから嬉しい♪


まあモツ煮だね、と言ってしまうと身も蓋もないが、ちゃんとしたモツ煮は
確実に美味いのも真実。

ビールが欲しいよう・・・ともう一度小さく呟いてみた。
無視された。ぶうぶう。

米芳















ここまできたら、当然馬刺しの盛り合わせ。
ロース、ヒレ、もも、たてがみの四種(どれがどれかは忘れた)。
月旨志向のワタシにとっては、やっぱり一位たてがみ(白い脂身)、二位ロース。

肉自体は前夜宿の夕食で特注したものの方が、多少味わい濃厚だったろうか。
残念ながら熊本と違って、長野の場合はおろし生姜だけで食べる。
おろしニンニクがちょびっとだけ欲しい・・・なんて思うのは無粋なのだろうな。
でも、辛抱強く待つまでもなく蕩けだす、タテガミの脂はやっぱりタマラン♪

ビール・・・というツブヤキが、心の中で虚ろにこだまするが静かに諦めた。

米芳馬肉丼。
牛丼の馬版、と言ったら
これまた身も蓋もないのだろうな。
タマネギ、にんじんなどの野菜やら
しらたきやらとすき焼き風に煮てある。
ナゼかふちの赤いかまぼこ一枚。
お値段は840円とわりあい手頃。

野毛某所の馬肉専門店ですき焼きを食べたときにも思ったのだけれど
こういう風に煮込んでしまうと、馬肉独特の味わいは薄れてしまうような気がする。
でもまあ、話の種に一度くらい食べてみるのもよろしいかも。

こういうのが500円くらいでスタンド売りしていたら、B級で面白いかも。
牛丼のイメージが強すぎるのだろか?

米芳















そして「さくら丼」。
馬刺しの丼だ。
ちょっと甘めのタレに絡めた馬刺しを、ドドドと丼ご飯に乗っけてあるのだが
これは是非また食べたい!
海苔とカイワレも相性よい。
ウマイです!
ああ、松本にきてよかったな、と思う。

一人で来て「何か一品!」ということならば、コレがオススメです。
ちょびっと値は張るが、馬丼より楽しい。

お店はこちら↓

米芳 (よねよし) (馬肉料理 / 松本)
★★★★ 4.0



松本市内目抜きの大通りに面した比較的大きな店で、観光客の利用は多そうな店だけど、平日はランチ定食もやっているそうだし、馬鹿げて高くもない。
馬料理のよい店は、熊本もそうだったが松本も営業が夜に集中しているらしいから
昼に開店しているのはありがたい。

よろしいんじゃないでしょうか。

ところで、松本はじめ長野って美味しいものが多い。
是非また遠征して、今度はゆっくり喰い倒れてみたいものであります。

酒もビールも飲める状況で・・・!!



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ビールが飲みたかったよう(泣)




馬油、実は愛用してます。口紅の下地にヨロシ(たまには必要なんだ)。

松本市100年地図帖

松本はいい感じの古い町だった。

スーホの白い馬―モンゴル民話

喰ってから読め。読んだら喰えない。

arima0831 at 02:05│Comments(12)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 長野 | 和食

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この記事へのコメント

12. Posted by アリーマ   January 17, 2009 00:24
里香さん

鯉のデカさからすると、それなりに深さはありそうな・・・。
11. Posted by 里香   January 16, 2009 23:23
ハッシ!と祖母が私の両足をつかんで、
上半身が身を乗り出す格好のギリギリのところで
身投げを回避できたそうです。

底、深いのもやだけど浅くても痛いんだろうなあ。
10. Posted by アリーマ   January 15, 2009 23:33
里香さん

おお、どうもどうも!
こちらこそ今年もよろしくお願いします。

松本にお住まいのことがあったんですね。
空気も水もきれいで歴史があって、とてもいいところですよねえ。

>松本城で駆けずり回って砂利に足を取られ、
お堀に半身を投げた

半身ということは飛び込んだのではないんですね・・・(笑)
確かにあのへんの縁でけつまずいたらドブンと行きそう・・・と思いましたが。
あの底は深いのかしら?
9. Posted by 里香   January 14, 2009 14:51
アリーマさん、ご無沙汰してますー。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

松本、私も幼い頃住んでいました。弟が生まれたのも松本です。
去年旅行で行ってきましたが、やはりいい街だと再確認しました。
松本城で駆けずり回って砂利に足を取られ、
お堀に半身を投げたことをいまだに母に言われます。
8. Posted by アリーマ   January 13, 2009 00:06
タコさん

おお、お久しぶりです!
松本の馬肉検索で拙ブログが・・・?
えー、不思議。
馬肉喰ったのなんてほんの数回なのに。
いや、大好きだけど、なかなか食べる機会がなくって。
7. Posted by タコ   January 12, 2009 23:56
ご無沙汰してます。馬肉乙女です。
今週末、松本に行くので、馬肉検索したところ、姐さんのとこに辿り着いてしまいました。運命ですね☆
6. Posted by アリーマ   September 28, 2008 16:48
Seijiさん

いらっしゃいませ!

松本の町、こじんまりした城下町の趣があるし、
美味しいものもいろいろあって気に入ってしまいました。
水も空気も酒も良し…住んでおられたとは大変うらやましいです。


今回は通り過ぎただけですが、いつか機会があればまたゆっくりしてみたいと思います。
5. Posted by Seiji   September 28, 2008 15:45
5 初めまして、横浜市中区に住んで渋谷に通うオジサンです。おいしい料理・酒の話を中心に楽しく拝読させていただいております。よろしくお願いします。
松本は、7年住んだ思い出多い街です。馬だとここ以外は三河屋が有名ですねぇ。そうそう、来っ来知っ来(くっくちっく)にも、たてがみ含む3-4点の刺し盛りがあって、安くいただけたと思います。
私も松本は美味しいお店が増えたなぁ、と思います。蕎麦屋で日本酒をまっ昼間からキュッとやる、特に信州でのそれはタマリマセン・・・・・。うまい蕎麦屋を歩きでハシゴしてハシゴ酒なんて贅沢も信州ならでは。あぁ松本に遊びに行きたくなってきた。。。。。
4. Posted by アリーマ   September 26, 2008 14:50
トリノさん

実は大分と熊本に行って帰ってきたところです。

で、これって熊本人の至極天然で裏のないKYさと、長野独特のもろもろの意味でシブい感性が絶妙に絡んだ絶妙なエピソードね・・・と改めて思った次第。

身体能力か・・・瞬発力などはわかりませんが、甲冑装備で「あの梯子段」を上り下り可能だっツーだけで、力持ちで足腰強いのだけは間違いないと思う。
あれは手ぶらでも結構キツイっす。

尚、また改めて書きますが、熊本城の馬鹿でかさにはたまげました。
あの城の主なら「じゃあせっかくだから二頭もらってくわ」くらいは普通に言いそうでもある。
3. Posted by トリノ   September 25, 2008 07:23
戦国時代の武士達の身体能力。
『スゲーよ、世界一』ってヒトやら
『たいした事ねって。まっとうに走れたかも怪しいし』と、まちまちなようです。
著者の来歴を勘案しながらだと。
戦国武人の身体能力は!
・・・わかりまてん。
てへ。

清正公の贈り物選び。
ん〜。
清正公の判断はアレキサンダー大王のゴルディアスの結び目エピソードを思い出させました。

つか、戦国時代の贈り物の風習とかに、詳しい訳ではありません。
が、客に『どっちか一つ』と選ばせるホストが、普通じゃない気がするんですが。。。
私も良くやりますけどね。
『今日のお勧めはスズキのポワレと牛ホホのラグーとなっています』
『両方ください』
2. Posted by アリーマ   September 16, 2008 10:11
にっきさん

まあ、現実的によく考えるとあの城は攻め落とされていないし、あそこの中まで敵が侵入するとなるともう負け戦の断末魔状態なのでしょうけどね。

でも、上のほうで守りを固めるにしたって、武具甲冑ごとわっせわっせ這い登るのは並大抵なことでないはず・・・または戦国時代の武士たちは体力運動能力気合根性がみんな超人レベルだったのか?

ワタシ「うわ、図々しい!」と松本の人たちは思い、「なんとケチ臭いことを」と清正公が思い、微妙な空気を明るくガハハと笑ってふっ飛ばしたのかも・・・なんて考えちゃいました。

で、この桜丼は横浜辺りで食べられる場所を捜索中。どうも一軒ありそうな・・・。
1. Posted by にっき   September 16, 2008 07:12
私も松本城に登ったので、あの急勾配の階段と立派な梁に見入ったクチです。戦いが始まって敵に攻め入られたら、お殿様はあの天守閣でじっくり待機するしかないのでしょうね。あんな階段をジタバタ降りて途中で転げ落ちたりしたら、部下の信頼を一気に失うもんね。

そして清正公・・・さすが清正公だとみなさん噂なさったって、看板にもかいてあるけれど、アリーマさんが感じた微妙さがなければこんな話が残るわけがない。きっと当時の皆さんも口々に「さすが清正公だ!」と言いつつ目配せしあったにちがいない。(私の心も曲がっているのかしらん)

「桜丼」朝からヨダレが流れそうなほど旨そうです。

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