April 12, 2009

鰻を求めて雨の銀座彷徨 〜地焼きの鰻はやっぱりウマイ♪〜

しばらく前のある雨の日、所用で都内へ。
悪天候下、電車に乗って混んだ都内の街中へ・・・と思うと微妙に気が重かった。
しかも予定の時刻は午後二時半から1〜2時間ほど、ときた。
なんとも中途半端で、出かける前に結構悩む。

いったいなにに悩んでいるのかといえば「どこでどのようにランチしようか」と
例によって天下泰平な話だが。
最近どこかに出かけるとなると、事前準備で一番丁寧なのが「メシ場の選定」。
人生もっと大事なことも・・・と誰かに肩を叩かれそうだな嗚呼。

「鰻が食べたい」と突然思う。
「そういえば銀座に地焼きの店があったっけな」と思い出す。
「地焼き」つまり「関西風の蒸さずに焼くタイプ」だ。
脂ぷちゅう、だね嗚呼。

時計をみれば、どうにかぎりぎりランチタイムに滑り込めそうなタイミングなので
慌てて傘を掴んで飛び出した。
電車の中で「う〜なウナうなう〜な〜ぎぃい♪」と「ウナギの歌(即興)」に合わせて
カラダをゆらゆら揺らしてみる。

あくまでイメージだが。気分だけだが。
実際にやるほど、ワタシは壊れていない。
軽いハミングと微妙な揺れ感くらいは、ひょっとしたら出ていたかもしれないが。
雨の昼下がり。どうせ車内は空いているからそのくらいはよかろ。

ところが電車は途中で止まってしまった。
まさか微妙な揺れ感が、電車の電機系統に支障をきたしたのか?
え〜〜〜〜〜!と無言歌(?)を有音ブーイングに変えたが何の助けにもならず。
あえなくランチタイムは車中で終了。
こうなったら夕方の開店を待ってやろうと募る空腹のみを噛み締めながら、
用件先の雨の六本木をとぼとぼ歩く。

しょうがないから用件を先に済ませた。
こういうときはいつもの倍くらい時間がかかってくれても構わないのだが、
こういうときに限ってスイスイと全てが迅速に片付いてしまう。
日頃の行いの良さが忍ばれるぞ。

六本木から銀座へ。
銀座の某書店で時間を潰していたらついつい本を買いこんでしまい、
外に出たら雨足がいっそう強くなっていた。
ああしまった。荷物が重い。

日々の些細なことから人生まで、一事が万事計画性ゼロ。
こういうときに思いがけず反省の機会が訪れるのだ。いつも時すでに遅いが。
やれやれ。

そのようにウダラウダラと辿り着いた『ひょうたん屋』は銀座一丁目にある。
以前は味わいある下町庶民派の店構えだったらしいが、最近新築移転したそうだ。
真新しい店は非常にシンプルにこざっぱりとしていて、なんだか寂しいくらい。
老舗の鰻屋というよりは、新装開店した立ち食いうどんのようにも思える。

寒中雨に打たれて冷え縮みつつ全身湿気た風情のワタシに同情してくれたか、
お店の女性が傘を畳んだりお茶を出したり、こまごま親切に世話を焼いてくれた。
熱いお茶を啜ってようやく人心地。はぁ。

ひょうたん屋 003体が温まったので
小瓶のビールをもらう。
突き出しはおから。そして大根の浅漬け。
うざくも頼んだ。
高級店だとこの一品で
千円以上も取られることがあるのだが
この店は穏当な「小鉢価格」がとても嬉しい。

『尾花』のうざくにちょっと感動して以来、価格にめげず毎回頼むようになったが
やっぱり所詮は酢のもの小鉢なのだ。
価格も小鉢並みであってほしい。
値段も嬉しいが、香ばしい鰻が軽く甘酢でしなっているのもやはり嬉しい♪
手軽でウマイです。

ひょうたん屋肝焼き

手前に肝焼き。そしてかぶと焼き。
肝のぷりんとした食感がいい。
かぶとの軽い歯ごたえと濃いが臭みのない脂もタマラン。
「かぶと」と呼ぶからには頭の部分なのだろうが、小骨はなくて柔らかく
頭の形状も残っていない。
どちらも辛目のタレが焦げて、炭の香ばしさがシンプルに絡んでいる。

名店の肝焼きなどは上品に手がかかっていて、それは確かに値段なりの仕事だが
しかしこのスッキリ無骨な串もなかなか良いぞ。

で、これが一本300円?!
思わず振り返って背後のお品書きを確認してしまった。
なんと庶民フレンドリーなお店であろう。

この手軽で気楽な店構えならば、気張らずにこの辺の串やら酒肴やらだけで
軽く一杯もいけそう。
こういう力の抜けた感じは都内のいわゆる老舗名店にはないものだ。
お店の人の距離感も程よくて、無愛想スレスレだが気持ちと目は行き届いている。
何が「新装開店の立ち食いうどん」だっ!
「スミマセンデシタ」と心の中で項垂れてみる。

そうこうするうちに目の前でこれまた香ばしく焼き上げられた蒲焼が・・・

ひょうたん屋 005

「ほいよ!」と目の前で御飯にのって、テンポよく一直線に目の前に出てきた。
御飯にのせてから蓋をしないので「蓋開けの儀式」ナシが若干寂しくはあるが・・・

ついでにもうひとつ付け加えると、後から来た馴染みらしいお客が迷うことなく
「特上!」と注文したソレもつい見てしまったので、ワタシの「中」はやはり小さい・・・

そうなのだ。
美味しい鰻に出会うたび、いつも「嗚呼もっと大きいのにすればよかった!」と
後悔をする学習能力のなさ。
まあ、大きい分だけ高くてガックリすることもあるからね・・・と過去イイワケを
繰り返してきたが、もうそろそろきちんと学ぶべきだろう。

「鰻は潔く大きいのを頼め!」

しかし、なまじ特上を目の前で見たからツマラン悔いが残るだけであって、
一切れちぎって噛めば強い歯ごたえ、そして「ぷちゅう」と香ばしい脂。
しっかりと濃厚でもある。いいぞいいぞ♪

そして炭で焦げた軽い苦味をスパイスにした辛目のタレ。
御飯は固め。
好きなタイプだ。
一番好きではないかもしれないけれど、かなりトキメクなコレは。

思わず笑みこぼれるワタシ。
雨と寒さに萎えた気分は既にきっちりとリカバリーを果たしていた。
幸せなり。
わはは。

ひょうたん屋 1丁目店 (うなぎ / 銀座一丁目、宝町、銀座)
★★★★ 4.0



ところで今回この『ひょうたん屋』を検索していたら、鰻専科のサイトを発見!
『うなぎ大好き日記』『うなぎ大好きどっとこむ』も、鰻100%混じりっ気なし。
各店のお品書きまで網羅している、この情報力!
なによりも画面全てから滲み出る「鰻愛」がなんとも素晴らしい。
もっと早く知りたかったなあ。
鰻好きは必見です。
ただし鰻死滅地帯横浜在住にして都内にしょっちゅう出られない者には相当辛い。
覚悟して御覧あれ。
ワタシはついつい読みふけった結果、全身鰻と化してのたうちまわっております。


ランキングバナー人気blogランキングへ ←いちにち、いちポチ♪
鰻が食べたいよう。



レイン・フォール/雨の牙 (ハヤカワ文庫)レイン・フォール/雨の牙 (ハヤカワ文庫)
著者:バリー アイスラー
販売元:早川書房
発売日:2009-03-31
クチコミを見る

ついに今月末映画劇場公開。小説はとりあえず抜群に面白いです。観る前に読め!


アイスラー最新作も出た!(新シリーズなり)

arima0831 at 01:40│Comments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote うなぎ | 新橋・銀座・有楽町

トラックバックURL

この記事へのコメント

8. Posted by アリーマ   April 15, 2009 10:01
ももなつさん

銀座でパスタもいいと思いますよ。
ワタシだって銀座でパスタを食べることはある(笑)

年をくって思うのですが、寿司や天麩羅なんかに比べれば鰻は敷居が低いです。
あれこれ頼むんでお酒を飲むと高くつきますが、老舗の有名店でも鰻重のいいやつが3000円。
この『ひょうたん屋』だと特上2500円です。
ソレだけ食べて帰るのがむしろ普通ですから、銀座で夕食にしてはむしろ安上がりかも。

華隆餐館、月曜は休みなので気をつけて。
7. Posted by ももなつ   April 15, 2009 01:11
この間銀座に行ったのに、普通の可愛らしい女子のフリをして(笑)パスタを食べてしまいましたぁ。
鰻は私にはまだ敷居が高い感じなのですが、こんな素敵な画像&文章で魅せられては・・・
行っちゃうかもです

華隆餐館の詳しいおススメ情報、ありがとうございます
すぐ行く筈だったのに、諸事情あって、五月初めに延期になってしまいました。
当日は盛り上がること間違いなしです!


6. Posted by アリーマ   April 14, 2009 23:25
にっきさん

その歌、いただき♪
♪う〜なぎ〜アブラぷっちゅり う〜なぎよ〜〜やって〜こい♪と、店でうな待ち中に小さく口ずさみましょう。
いとあやし。

お店はむしろ殺風景なくらいで、銀座お出かけイメージはゼロですが。
でもこの値段は立派だと思う。
ご家族一緒だと、店の雰囲気やら関西鰻の独特さやらが軽くネックかなあ・・・という気がしないでもないですが、その辺OKならお手ごろ価格でもあるしオススメです。
5. Posted by にっき   April 14, 2009 22:30
私のうなぎの唄はあのキューピーマヨネーズの「たらこ」バージョンです。

♪う〜なぎう〜なぎ、うっとりう〜なぎ〜♪

ここ、良いですね。銀座なのにお値段も手頃だし・・・。父のお墓参り後に寄る所がまた増えちゃったわ。
4. Posted by アリーマ   April 14, 2009 11:57
Gingerさん

蒸した江戸前とはまた違う世界ですよねー。
生臭くない脂の乗った気さくなちょっと男前のヲジサン、て感じ。
今度絶対特上食べに行くんだい!

蒸さない鰻を知ったのは札幌北18条の『なが木』。
学生の身には数カ月に一度の思い切った贅沢だったなあ。
ここもガッチリ焦がすタイプで、ハタチの頃の「思い出の人」です。
今は二代目でビルになって、品良くなっちゃったみたいですが。
3. Posted by Ginger   April 14, 2009 00:51
アタシもトキメクマヤコン(*^^)
えどっこだけど蒸さないウナギLoveです♪


2. Posted by アリーマ   April 13, 2009 12:08
kanさん

さすが元銀座のオトコ(?)
前の店は写真でしか知らないのですが、いい感じの構えでしたね。
今度の店は、なんともこざっぱりとしています。
店の形はひょろ長く「鰻の寝床」風で、ここはとっても鰻屋さんらしいかも。
去年の秋頃に移転したようです。

高級店で肝にうざくに・・・とやっていると、確実に1万円いってしまいますが、この店は半額以下。
近くにいたらもっと通えるのに!
このためだけに銀座で働きたい!と思いながら横浜に帰りました。
1. Posted by kan   April 13, 2009 10:14
ああ、ひょうたん屋、ナツカしいですねえ。
銀座は移り変わりの激しい場所ですが、
けっこう気楽な店が残ってますよね。
って移転してたんですか?いつのまに…

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔