June 05, 2009

中華街『栄楽園』で名残を惜しむ 其の一 〜嗚呼、海老と玉子丼!〜

とうとう5月31日をもって、本当に閉店してしまった中華街『栄楽園』

最後は大変な混雑だったそうだ。
「だったそうだ」と伝聞になるのは、ワタシが何度か出かけたときには
まあ混んではいるがほどほどの入り具合、と思えたからなのだが。
この辺は見事にタイミングの差だったように思える。

前の記事から二週間程の間に、ついつい何回か通ってしまった。

今回は「一人突入編」。
週日週末昼夜問わず毎回すんなり座れて、取り立てて窮屈な思いもしなかったが、
それは本当に運がよかっただけだと後で知った。


栄楽園海老玉子丼

メニュー名『海老と玉子丼』
酔華さんぺりおさんのところで見かけなかったら食べずに終わったかもしれない。
なんとも地味な名前だし実物もいたってシンプル。

実際ネーミングの通り、海老を溶き玉子で綴じて合間に刻み叉焼を散らしたもの。
しかし、この姿を見ただけで玉子と海老が嫌いでない人なら喉が鳴るでしょう?

海老は丁寧に下処理されてプリプリ。これが十匹以上入る。
うっすら甘い味のふんわりとろりとした玉子は、御飯に当る面はきれいに焼き目が
ついているのに、上はほどよくとろりんとした状態。
そしてほんの彩り程度にしか見えない叉焼が、玉子に別の甘味と脂の旨みを加えて
これを熱々御飯とともに蓮華に乗せて頬張ると、もうタマラン・・・!

これがもう食べられないと思っただけで、いまや涙が滲んでくるくらいだ。
いつも叉焼丼ばかりで、何故か目も行かなかった愚かしさが悔やまれるぞ嗚呼。

こういう料理は案外自分でもできそうな気がするのだが、火の加減も味の塩梅も
諸々の細かな下処理も、シンプルそうに見えてプロの技と仕込みの両方がなければ
なかなか真似のできるものではなかったと思う。

最後の最後で逸品を知った。
なんとか間に合ってよかった。


栄楽園イカ葱

イカのネギ和え。
名前だけ聞くと、これも軽くスルーしそうな一品。
都内某所で一度食べたイカネギがとても美味かったので、ちゃんとした店のものは
美味しいのだということは重々わかっているのだけれど、しかしつい別のものに
目が行ってしまうのだが・・・

ぺりおさん、ありがとう。
やっぱりこれは食べておいてよかった!

確かに「松傘に切ったイカをさっと茹でて細切りのネギと和えたもの」という
それ以上のメニューではないのだが、絶妙な茹で加減のイカにネギを載せて
とても香りの良い胡麻油を熱したものと、一手間かかった醤油ダレをかけると
二人前は十分にある一皿がアラ不思議、一人のワタシのささやかな胃袋に
するすると入って行ってしまうのだった。
味わいは軽いが、なんとも後を引く味だ。

この日は土曜日で、まさか入れまい・・・と期待せずに行ってみたら相席とはいえ
すんなり座れてしまったのだった。
しかし、この日最大のお目当てだった「白切鶏」は無情にも売り切れ。嗚呼。


栄楽園豚バラ

昔一度食べたきりだったが、どうしてもどうしてももう一度食べておきたかった
豚バラ丼。


栄楽園豚バラUP

寄ると一層よくわかるが、この豚バラは皮付き。
それがほろほろと蓮華で切れるくらいまで柔らかく煮込んである。
塩ベースの薄い醤油味のタレが絡むと、豚バラ自体のの濃厚さが不思議なほど
あっさりとした味わいに変わってしまう。
レタスが一見不思議なのだが、食感が良いのでいい組み合わせだ。

味わい上品な豚バラの煮込みなんて、今こうして考えてみるとそうどこででも
食べられるものではない。
ちょっとゲテなくらいに濃厚で香辛料の強いものも好きなのだが、実はこんな風な
優しい味わいが一番だったんだなあ・・・と改めて思う。


栄楽園ラーメン

これぞ昭和中華の王道!という姿。
シンプルなラーメンも良かった。
物足りない、という声もあったらしいけれど、ワタシは世間によくあるコウルセイ
哲学てんこ盛りの行列ラーメンなんかより、このシンプルさを愛するものである。
しかもこれが450円だった。
最近ちょっと値上げしたのだが、それでも450円だ。
値段のことを言い過ぎるのも卑しい話だが、この価格と無駄のないラーメンの姿に
『栄楽園』の全てが語られているような気さえする。

栄楽園叉焼丼弁当

ある昼下がりに入ってきたスーツのオジサマが「叉焼丼弁当ひとつ」と注文するのを
ふと耳にしたので「その手があったか!」と真似してみた。

あの叉焼丼をネギの香りを楽しみつつ、その場で掻っ込むのもいいが、
弁当にしたものを持ち帰れば・・・
しんなりとしたネギと馴染んだ叉焼の脂が御飯に滲み・・・うふうふうふ♪

これを自宅で盛り付けなおして、レンジでチンしていただく、なんていうズルまで
やってしまった。

このお弁当、叉焼とネギも御飯もかなりの量が入っていたので、二回に分けて
しかも二度目は半熟の目玉焼きを胡麻油で焼いたやつなんかを乗っけて食べた。
邪道と謗るものは謗るがよろしいわ。ふぉっふぉふぉ。

黄色いタクアンも、いままでなんとなく食べずにいたけれど、試しに齧ってみたら
見た目の派手ハデしさにしては優しい味わいだった。
叉焼とねぎの味と香りが滲みた御飯によく合うのだった。

もう一回夕食時に二人で突入するのだが、それは次回に・・・。

ところでここの料理は基本的にさっぱりしているのだが、毎回名残を惜しむ余り
「量を抑える」という努力を一切放棄。

しかも同じ時期に、鰻遠征をしたり友達の結婚式に出たり自分の結婚記念日で
イタリアン喰ったりと、罪深いほどの美食爆食を繰り返した罰当りモンのワタシ。

6月1日に体重計に乗って青ざめたさー。
インチキな沖縄弁で語尾ゴマカシたくなるくらいのもんさー。
もーでらびっくりさー(ナニ弁?)。

喰い過ぎれば素直に体重に反映する。
若い頃は夢にも思わなかったことだが、それが中年の真実なのである。
やれやれ。



ランキングバナー人気blogランキングへ ←いちにち、いちポチ♪
当分は粗食で暮らします。
でもこういう時に限って食欲をケダモノにする話がたまっているんだな・・・ううう。




買ったきりやってないコアリズム。やるさー。



海に行かないか海に行かないか
著者:坂田 靖子
販売元:朝日新聞出版
発売日:2009-04-07
おすすめ度:5.0
クチコミを見る

うみねこに誘われて海に行く砂漠のフンコロガシの話、とか。面白いよん♪

arima0831 at 16:35│Comments(17)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 中華料理(2008.6~2010.12) | 横浜中華街

トラックバックURL

この記事へのコメント

17. Posted by アリーマ   June 09, 2009 18:59
フィエ吉さん

いらっしゃいませ。

その取材現場は実は見かけていたんですが、昨日が放映日だったんですね。
実は外出中で、お友達が「テレビに出てるよ!」と携帯メールくれていたのにも気付かずで・・・残念ながら見逃してしまいました。
再放映待ち、です。
16. Posted by フィエ吉   June 09, 2009 18:17
はじめまして〜。
横浜在住です!
栄楽園さん、昨日NHKで放映していたような。。。
ご近所さんがスープをもらいに行ってましたね〜。

15. Posted by アリーマ   June 09, 2009 08:59
宝さん

いらっしゃいませ。
岡野町交差点ですか。
近くはたまにとおるのですが、気がつきませんでした。
近くで機会があれば立ち寄ってみたいと思います。
14. Posted by 宝   June 09, 2009 01:58
5 こんにちは。
ひょんなことから、この日記にたどり着きライブドアの一覧でくぐらせてもらいました。
色々なお店に行かれているようですね。
もし、行かれていなければ岡野町交差点の先にある『このみ』という居酒屋にも是非、行かれてみてください。
普通の居酒屋ですが、カウンターの雰囲気がよいお店です。
13. Posted by アリーマ   June 07, 2009 12:12
ねこてんさん

おお、ほぼスルーされているこの部分にご注目いただけて嬉♪

坂田靖子の新刊はもう一冊『たぷたぷダイアリー』というのがありまして、こちらはエッセイ漫画。
食べ物のチマチマした話なんかが物凄く面白くてオススメですよん。

コアリズム、ちばるさ〜!
12. Posted by ねこてん   June 07, 2009 07:54
坂田靖子!
大好きなのに、この本は見逃してました。
買いに行きます。
アリーマさん、ありがとうございました。
コアリズム、ちばりよ〜!
11. Posted by アリーマ   June 06, 2009 13:12
にっきさん

このお店は必ずにっきさんのツボに来るお店だと思うので、一度くらいご案内したかったです。

やっぱり悔いなく美味しいものを食べておきたいですね。
体重計の針は、ちょっとくらい振り切れたって何とか後で元に戻せる・・・はず・・・なんだし・・・!

ええ、戻せますとも!
戻せるはずだっ!!
10. Posted by アリーマ   June 06, 2009 13:09
>socitonさん
この際「中華街うらぶれ御三家ラリー」を敢行してはいかが?

中華飯店→雲龍→江南・・・ちなみに江南はワタシも未訪ですが。

しかし、これらのどの店にもできない正統派の技が栄楽園にはあったなあ・・・とまたブチブチ言ってみる。

>酔華さん
ほんとうに、いつまでもあると思うな・・・ですよね。
今回は本当に痛感しました。

ワタシの定番と言えば叉焼丼で、他のものになかなか手が出なかったのは、やはりこの一品が傑出していたからなんだと思います。
お店の方によると「いつも同じものを注文される方がほとんどで」との由。最後になってオーダーが一気に変則化したそうです。
みんな同じなんだなあ・・・。
9. Posted by にっき   June 06, 2009 07:47
海老と卵かぁ〜美味しそうだなぁ。もう全てが過去形でしか語られないというのは残念だなぁ。
美味しいものにも終わりがあるのね、といまさらながら、ひと様のブログでしみじみと感慨にふけってしまいました。考えてみるとワタクシの師匠ももう今年古希を迎えられて「女の子のお尻を触りたいという願望が消えたら即引退!」と宣言されていて、なんだかヒシヒシと有限の時間というものを感じておる次第です。
美味しいものが食べられるうちに食べとこうね。たとえその後体重計の針が振り切れたとしても、美味しくて美しい思い出が残れば・・・。
8. Posted by 酔華   June 06, 2009 05:59
最後にいっぱい食べることができてよかったですね。
それにしても、こういうお店は「お金と親」と同じで、
いつまでもあると思っていてはいけないのですね。
「つね勝」のときもそう思ったのに…
食べてみたいメニューがいくつかあったのに、いつも定番のものを注文していました。
これは次回にしよう、なんて思いながらね。
それが、あっというまの閉店。
残念でした。
他にも気になっている店があるので、なるべく数多く訪ねておきたいものです。
7. Posted by sociton   June 06, 2009 02:35
ああ、未踏の地。ざんねん・・・
またどっかで食べられることを祈りつつ。
むりか。。。

また中華街探索しますー
6. Posted by アリーマ   June 05, 2009 23:35
ぶりさん

栄楽園シリーズは後編に続きます♪
5. Posted by ふ゛り   June 05, 2009 20:35
お手持ちの画像、まだありましたら是非お披露目してください。
画像を見、味を思い出しながら自作してみようと思う次第です。
しかしながらアリーマさまは男の料理にお手厳しい模様なので、こっそりと作ります(笑。
4. Posted by アリーマ   June 05, 2009 20:20
蓮さん

おお、お久しぶりでーす!
夜八時の残業空腹時にこれをみるのは・・・ツライだろうなあ。ほとんど自虐(笑)

しかも煮干し・・・職場に装備しているものなのかしら?

9時には美味しいものが食べられるよう、横浜の片隅からお祈りしてますです。

ワタシは今夜は納豆と梅干とオクラのちりめん和えに雑穀米に味噌汁で夕食です。
本当はこういうのが一番好きなのさ!と強弁してみる。
3. Posted by 蓮ーMorgana   June 05, 2009 20:09
めちゃめちゃ美味しそうじゃないですか〜!!!
まだ仕事してるんですよ〜。おなかすいた〜
だったら、ブログなんか読んでないで終わらせればよいのですけれど、今日は9時にレストランで待ち合わせなので時間つぶし中。
先ほど煮干しを食しました。。。
2. Posted by アリーマ   June 05, 2009 19:33
ぺりおさん

イマサラながらに「ナンバーワンにはならないがオンリーワンの店」と、しみじみ寂しさを噛み締めています。
ここでなければ!という一品が地味ながら色々あったなあと、改めて感心してもいます。

最終日のお弁当は無理でしたかー。
残念でした。
ワタシも実は「お弁当だけでも買いに・・・」と画策していたのですが、結局時間の遣り繰りがつかずに断念したのでした。ダメなら並んで叉焼丼だけでも掻っ込みたかったですが、この数回プラス夕食一回でかなり満足できたので、どうにかアキラメをつけました。

白切鶏は絶品でした。
「アレは是非!」と背中を押していただいて感謝しています。
1. Posted by ぺりお   June 05, 2009 18:02
アリーマさん

レポート待っていましたよ(笑)うーん。美味しかったですねぇ(過去形、残念)。

私も酔華さんのところで、「海老と玉子丼」を知って、最終回に初めて食べました。酔華さん ありがとうございました。

「イカのネギ和え」気に入って頂けたんですね。正直言うと、10年以上前に食べたときの方が美味しかったと思いますが、それでもこの調理法は誰も真似できない熟練のなせる技なのだと思います。

最終日に丼ものの持ち帰りが出来るか電話で問い合わせたのですが、「ごめんなさい、今日は一杯いっぱいなのでできません」と言う事でした。

白切鶏レポート楽しみにしています。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔