September 11, 2009

続 中華街『大珍楼』の秘密の小部屋 〜夏休み思い出し日記 其の弐〜

其の壱のつづき)

弟、その息子(甥)、オット、そしてワタシの四名が集い、大珍楼でランチ。
その内容は・・・

大珍楼 鴨舌

まずは鴨舌。
弟はこういうものが好きなのである。
基本的に喰いモン嗜好がよく似た弟が「ゲスト」なので、結構な狼藉が可能
なのだ・・・と思ったが・・・

しかしうっかり忘れていたが、これは明らかにお子様向けではないのだった。
モノが卓上に並び、甥が若干暗い目つきで「これ、ナニ?」といった瞬間に
それを思ったワタシ。

「鴨の舌だよ」と明快に答えるオットの声に大きくかぶせるように

「それはねえ、トリのあごのところだよー!」

と答えつつ、オットの足をテーブルの下で蹴飛ばしたりする。
「いて。ナニ??」とあくまでKYなヤツなのだったが。

「おおっ!ウマイねえ!!」と喜んで喰らいつく弟も、うっすら気配を察した
らしく、甥に「まあいいから一個食べてみなさい」と鴨舌を握らせた。

「ねえ、これってナニ??」と甥は疑り深そうな色合いを強めた目つきで
ワタシに一瞥をくれる。
こいつ、9歳というトシの割りには妙に聡い上にシニカルなヤツなのだ。

おそるおそる一口かぶりつき「・・・・・・」と微妙な表情を浮かべる甥。
「おえ」という一語を飲み下したのは立派だよ褒めてやる。

ワタシがいわゆる本格中華ってやつを「美味しい楽しい」と思って食べられる
ようになったのは何歳の時だっけ・・・と取り急ぎ回想してみたところ
「中学時代」という答えが出てきた。

そうそう、変なもんは所詮ヘンナモンだったよ。小さい頃のワタシだって。
いっけねえ、今日の裏のメインは「お子様」だっけ・・・と反省してみる。


大珍楼 モツ

豚モツの葱生姜和え。

うまいぞ!
弟とオットは嬉しそうに食べている。

が、甥は黙して見つめるのみであった・・・嗚呼。

微妙にブレンドされたタレに、ふんだんな葱と生姜。
そこに絡みつくプリプリの臓物・・・大人でもだめな人はだめでしたっけ・・・と
思いだしても遅いのだった。

実にうまいんだがなあ嗚呼。

大珍楼 チャーシュー

起死回生の一発を期待した叉焼だったが・・・甥、もう箸が出ない。

弟「一口食べてダメならしょうがないが、喰いもせんでイヤは許さん」と
甥に厳かに言い渡している。
「喰わないならそれでいいけど、おまえのヒルメシはないぞ」

ワタシは失地回復を狙って「なんか食べたいもんある?」と甥に振ったが
「そういうことはしないでくれ」と弟。
「こういうことだって経験なのだ」と。

「まあまあ」とオットが珍しく(天地鳴動しそうに珍奇なことに)
とりなしに入る。
「これはフツーだから喰ってみなよ」

がんばって口に入れた甥、やっぱり先ほどの「おえ」な表情である。
ううむ、困ったな。

弟がトイレにたっているスキに「ねえ、どんな感じでイヤ?」と聞いてみたら
「なんか変な匂いがする」と甥。
はあ、なるほどね。
匂いでダメなら店中からプンプンしておりますがな。
そうかあ、それでいきなり最初から落ち着かなかったんだねえ・・・。

「どんな感じの匂い?」
「醤油だけど醤油じゃなくてクサイの・・・」

そんなような感想は、東南アジアに来た欧米系観光客などがよく口にする。
彼らにとっては醤油だってクサイことがある。
増してや複雑な香辛料が入り混じったら、こりゃあたまったもんではなく
一目散にマクドナルドへ逃げ去るヤツが、実はどれほどいることか。

いきなり話がずれるが、ワタシが17歳の頃、ひょんなことで一人パキスタン
はカラチで半日過ごしたことをふと思い出す。
とあるツアーグループに往復だけ混ぜてもらって、ケニヤ駐在の父の知人宅を
訪ねた帰路のことだ。

飛行機の乗り継ぎ待ちで、半日某一流ホテルの一室を一人与えられたが
このホテルときたら隅から隅まで強烈なスパイスと香料が入り混じった強烈な
匂いがするのである。
同行のグループ参加者は全員オトナで、しかもアフリカマニアばっかり。
ワタシのいたたまれないような不快感など「?」でしかない。

記憶している限りでは、鼻を摘んでシャワーを浴びてから、一人諦めて
何も言わずにホテルの部屋を出て、ホテルの外の排気ガスの匂いに吹かれて
いた、ような記憶がある。

その辺を思い起こせば、まあ甥の反応も仕方がないな、と内心思う。
でも、それを言っても何の解決にもならんから、とりあえず点心類などを
追加オーダー・・・

「炒飯とか焼きそばとか頼んでみよか?」と申し出たが、
「ここの炒飯とか焼きそばとかって、同じ匂いがしそうな気がする」と。

ううむ、そうかもしれん。ていうか、そうだろうよ。


大珍楼例湯大珍楼空芯菜炒め

例湯がきたのを幸い、一口啜らせてみる。
クチ直しだよ。

「薄い」とは言ったが「おえ」な表情はなかった。
いかんせん「滋味」という味わいだって、わかってくるのはそう言えば
いいトシになってからだよね・・・と我想う。

そして「おお、青菜炒めだ。ほれ喰ってみろ」と弟が甥に薦めているのは・・・
ワタシもオットも弟も大好き♪な「空芯菜海老味噌炒め」だったんだよ嗚呼。

甥よスマン!オーダー時に己の食欲に目がくらんだワタシを許してくれ!

こういうの、そういえばワタシの周辺でも「普通のお食事が好きなお友達」は
押しなべて嫌がるシロモノなんだよね。
そうだったよね嗚呼。

まあ確かにDNA的な食嗜好に期待するところもなくはなかったのだが、
普通に考えれば無理でしょう。
そうだよね。
しかもどうも甥の言う「変な匂い」って、どうやらオトナ3名にしてみると
「いい匂い」ないしは「普通の匂い」の香辛料を含んだ「中国醤油の匂い」
なのだ、要するに察するに。

まあいいや、これも経験だろうよ・・・と、微妙に突き放しちゃうワタシ。
ここまでの考察は、あくまで自分のためのものであったよ。
あはははは。


大珍楼 冬瓜煮込み

弟が感動した冬瓜の五目煮込み。
こういう煮込みモノ、この店は本当にウマイ!

甥は、じっと見ていただけだが。

大珍楼ボウチャイ飯大珍楼 大根餅

「炊き込みご飯なら子供は好きだよね」という発想はよかったかも知れんが、
具を「塩魚」にした愚・・・。
甥、涙目である。
ごめんよ。
ボウチャイ飯、相変わらずうまかったが。

「大根餅は喜んで喰ってたよな」と弟がオーダーしたが、特に好評も博さず。
しょーがねーよもお。

とにかく、オトナたちはそれなりに楽しく盛り上がり、ゲーム開始前に
元野球少年二人と現野球少年一人は横浜公園でキャッチボール。
そのために、男子三名はマイグローブ持参の今日なのよ。

嗚呼、いいなあ・・・と指をくわえて見学女子なワタシ。
甥が一気に生気を取り戻したのがみてとれる。
ああよかったヨカッタ。

ハマスタベイドッグ

ハマスタで弟がみんなに買ってくれたホットドッグ。
喰いモン不味いハマスタだが、何故かこれだけはウマイ!
甥もバクバク喰っていた。

パンが所謂コッペパンとは違うもので、ソーセージもそこそこジューシー。
横で好きなだけトッピングのたまねぎやらマスタードやらをかけられる
スタイルもジャンクだがいい感じ。
外で食べたらそうでもないだろうが、ハマスタで食べるとまさに「野球場食」
で、実にウマい!!

ついでに甥の頭を小突いて「中国の醤油に負けたヤツめ。や〜い!」と
言ってみた。
暗い思い出になるのかなあ。
どこかで立ち直ってくれることを切に願う。

ハマスタ090815 001この日、オットは持参のグローブで
佐伯のサイン入りボールを
ゲットしてくれたのだった。

これを笑顔で甥に
「ほうら!」と渡してやるのに
数秒の葛藤が必要だった
ダメなオトナはワタシです嗚呼。

ばかみたいだが、若干高揚していたらしい元野球小僧のオットは

「いいじゃないか、キミの分は僕がまた取ってあげるよ」とか抜かして
おりましたとさ。


フン!




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arima0831 at 00:45│Comments(12)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 中華料理(2008.6~2010.12) | 横浜中華街

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この記事へのコメント

12. Posted by アリーマ   October 30, 2009 20:20
cobbyさん

いらっしゃいませ。
しばらくお休み中ではありますが、また近いうち再開しますので遊びにいらしてくださいね。
ご参考になれば幸いです。
11. Posted by cobby   October 30, 2009 19:44
中華街 美味しいものの食べ歩き
今度は僕も行ってみます。
ここを参考にして色々回ってみることにします。
これからも色んなお店教えてください。
10. Posted by アリーマ   September 12, 2009 14:16
>ぶりさん
ええ、そこから突っ込んでくる・・・?!
恥じらいの乙女(年齢不問のこと)のワタシとしては、何故激レアになるのか不思議ですっ!

>kanさん
そうそう。
彼が大人になったら「子供のころ中華街で中国醤油に負けた」といびってやるんだわい、と今から楽しみに・・・(違)

オット、佐伯選手のボールはダイレクトキャッチで結構周囲の注目なんか浴びてたから、まあちょびっといい感じではありました。
何度も行ったはずの大珍楼で待ち合わせたのに隣の店に座って飲んでた、というダメ行動はこの際許そうかと思います。でもダメだと思うな、アレは。
9. Posted by kan   September 12, 2009 09:45
そうでした。
しいたけ、牡蠣、珍味、モツ、個性的なスパイス…
子供時代には美味しくもなんともなかった、
むしろ苦痛な食べ物って確かにありましたね。
そもそもお酒からしていただけない味ですもんね。

彼がオトナになったとき、
この食事を思い出して懐かしむ日が来るでしょうか。


佐伯選手のボールをキャッチしたダンナ様、ステキです。
実はダンナ様のファンです。
きっと隠れファンがたくさんいらっしゃると思います。
8. Posted by ふ゛り   September 11, 2009 23:31
エントリーを読み、フムフムと頷き、コメントを読みウンウンとニヤけました。

とりあえず、今年の流行語エントリーは
>アリーマ様が激レア

>ご愁傷様で鴨舌
で。
7. Posted by アリーマ   September 11, 2009 15:44
トリノさん

なんだ激レアってっ!

あとエーベルバッハ少佐だと、激マズなドイツ粗食になりそうな気がするからどうもイマイチ・・・けど、貴族だから案外自邸敷地内で仕留めた鹿肉かなんかが出てくるならいいかなあ。
やっぱり取りたてのキノコ各種が添えられたり・・・(涎)
ああ、ヴィルデの季節ですわね、そろそろ。

8歳年下を相手に自分の食欲に目がくらんだとはご愁傷さまで鴨舌。
6. Posted by トリノ   September 11, 2009 12:11
いや、甥っ子さんよりも、最後にちょっと照れてるアリーマ様が激レアです。
青池先生のエーベルバッハ少佐が夕飯ご馳走してくれる位レアな気がします。

さて。
私も若かりし頃、全く同じ失敗をやりましたね。。。
『袋茸と何かの炒め』
『腸詰め』
『臭豆腐』
とハードル上げてってもOK。
イケル!と思って頼んだのが
『鶏足』
『鴨の舌』

鶏足はオケでしたが、鴨舌は。
『この造形はあり得ない。絶対にエイリアン』
と嫌われました。。。

あれさえ無ければ今頃、8歳年下の(以下略
5. Posted by アリーマ   September 11, 2009 10:21
本須さん

>慣れてないものづくしの食卓は針のむしろでしょう。

そうでしょうね。
あとで大変反省したのではあります。
しかし、弟に言わせると「コドモのうちに世の中いろいろなものがあるって経験しとくのは大事」だそうで、こういう時にヘンにコドモ主体でファミレス行っちゃったり子供向けメニューを特注しちゃあイカン!のだそうで。彼の教育方針もあるので、甥には泣いてもらいました。叉焼くらいは喜んで食べるかと思ったけど甘かったです。
4. Posted by アリーマ   September 11, 2009 10:17
>つちころりさん
この一生の思い出が、ベイスターズ一勝の思い出とともに、ポジティブなものとなってくれることを切に願うのであります・・・。

>にっきさん
いやあ、ほんとに男の子にはキャッチボールとホットドッグなのね、と痛感しました。
サインボールは・・・「ねえいらなかったらワタシが貰ってあげるよ」としつこく言い募った挙句弟に叱られ・・・。

ちなみに、慣れてない外国人には日本の空港は「醤油くさい」のだそうです。
体臭ってそんなもんなんでしょうねー。

ちなみにワタシがインド系の香辛料を喜んで摂取するようになったのは、17歳のとき以降さらに数年かかってハタチ越えたころになります。いまやなんでもドンとこい!になって忘れちゃってたのを思い出しました。
3. Posted by 本須   September 11, 2009 07:47
あらら、これはきつい。
食べ物は基本的に慣れでしょうから、
慣れてないものづくしの食卓は針のむしろでしょう。
オトナに対する強烈な不信感が芽生えそう。

中国醤油が厳しいなら、以下のようなものを
取り混ぜればもうちょっとなんとかなったかも。

・海老の漁師風料理
・マテ貝のニンニク蒸し
・陳さん村の焼きクレープ
・野菜入桂林ビーフン
・貝柱と白身入炒飯
・ココナツのもち米ロール(甘いやつ)

ほとんど塩味&ニンニク味になってしまいますけどね。
2. Posted by にっき   September 11, 2009 07:15
大丈夫、大丈夫。
あと11年たってお酒を飲むようになったら、鴨の舌だろうが臓物だろうが、奪い合って食べるようになるから。
でもこの日はホットドッグとキャッチボールとサインボールがあって良かったね。

そういえば昨年アジア、アフリカの何カ国かの視察団だかなんだかが日本の労組見学と称してうちの会館にやってきたのだけれど、彼らは2階の会議室にいるにも拘わらず、3階の事務所までスパイシーな香料の香りが漂ってきました。
 決してイヤな匂いではなく、そこはかとなく食欲を掻き立てられる匂いでありましたっけ。
1. Posted by つちころり   September 11, 2009 01:28
確かに子供にはヘビーでしょうね(苦笑
東南アジア系のフレーバーに慣れたら
もってこいでしょうが。

いずれにせよ、甥っ子さんには一生の思い出でしょうね笑

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