August 19, 2010

中華街『菜香新館』で飲茶する 〜はるみんがやってきた♪ 其の一〜


くるみんと夜な夜な京都で遊んで歩く話を、結局未だに書き終わっておらん。
しかし、そうこうするうちに、はるみんが横浜にやってくることになった。

はるみんはくるみんの妹で、昔の職場の同僚で、京都の人だが東京在住。
実は昨年以来、既に数回一緒にゴハン食べたりしてるのだが、ワタシの怠慢で
記事になっていないのである。スマンスマン。

まずは中華街へ、となって、どこに行こうか考える。
一応ご参考までに、選考の過程を公表すると・・・

『大珍楼』はウマイけど、量が女子2名にはちょいとヘビーだし、席によっては
どうも騒々しくて、ゆっくり話をする感じでもないのが難だ。
『楽園』や『海南飯店』は、確かにウマイが無難すぎるか、とも思える。
それに、女子2名の会食には、ややオッサンくせえ感じがしないでもない
(自分の行動がなんか「オッサンくせえ」という自覚は一応あるんだよ)。

で、ワタシの勝手なイメージとはいえ、この二店舗がオッサン臭い感じだと
『金陵』だの『雲龍』だのは既に論外であろう。
男女を問わず、敢えて行きたいという希望があれば、大喜びで突撃するけど、
この辺はまあ、基本的に「メシ会」の場であって「会食」の場ではない。

『北京飯店』の小龍包などは、はるみんがとっても喜びそうだが、既に別日程
で組まれているから、自己都合によりパス。

ゆっくり二人で話ができて、午後のランチ終了時間を気にせずに過ごせて、
爆量盛りである必要はない・・・となると、なんだか飲茶がよい感じ。
飲茶と言えば『萬珍楼点心輔』が有名ではあるが、二度目に行った時に
接客や価格設定なんかに、ばっつりNGがついてしまっているからパス。

『同発』もいいかな、と思える。
新館は特に、事前に席をちゃんと確保しておきさえすれば、落ち着いて食事が
できそうな雰囲気だ。
でもここ、焼きものはいいんだけど、点心類がイマイチなイメージなのだ。
ううむ・・・。

そういえば、以前一度上階でお茶した時の対応が、なんだかあまりに雑で、
以来すっかり行く気を失っていた『菜香新館』はどうだろう?と思いつく。
ああなるほど、その手があったか。

と、いうわけで、前置きが長くなったが、二階の一卓を予約して出かけた。

行ったらなかなか落ち着いた席だ。
内装は新しく見える。
高級感に満ち溢れている、というものでもないが、観光客の隙間にスーツ姿の
会食が混じっていても、特に違和感はない感じ。

正直言って「バスでドカスカやってきた観光客が、ドカスカ飯喰ってドカスカ
帰ってく店」というイメージでいたので、ちょっと認識を改める。

この日のワタシの場合、そのような雰囲気にも即応できる、さすがはオトナの
スマートカジュアルでラフに決めて

・・・いるわけはなく、この後のイベントに対応して、短パンにある種のTシャツ
&スニーカーという、まことカジュアルな風体なのではあったが。

きちんとワタシの名前を呼んで「いらっしゃいませ」と、一流ホテル的な対応
で現れた黒服のスタッフが、軽く目を背けるような気がした。
もしそうだとしたら別に気取った店でもないので、Tシャツ短パンがイカンの
ではなく、いいトシこいたオバハンがそーゆーカッコで街をうろついている、
鈍い痛みに耐えていたのであろうと思ふ。

しかし立派なテーブルに下半身が隠れると、とりあえず「単なるカジュアル」
になった。たぶん。ま、いっか。

で、メシ。

菜香 前菜

2〜3人前小サイズの前菜盛り合わせは、自分で好きな三品を選べる。
選んだものによって値段はいろいろだが、ちょっとずつ頼めるのは嬉しい。

皮付き焼豚、焼家鴨、そしてクラゲ。
豚の皮がパリパリ♪


菜香 青菜の餃子

季節の点心ということで、メニューに出ていた水晶餃。
青菜の旨味が海老のぷりっとした食感に混じって美味しい。


菜香蝦餃子菜香 叉焼腸粉

菜香 ピータン菜香 漬物

蝦餃(左上)、叉焼腸粉(右上)、とろとろのピータン(左下)、漬物(右下)

ここは点心を二個から好きな数を頼める。
前菜もそうだが、こういう小人数向けの配慮はありがたし。

で、このピータンが特に実にウマイ♪


菜香 冬瓜のスープ

ここは香港風に例湯がちゃんとある。
この日は「淮山芡實淡菜湯(ヤマイモ、オニバスの実、干しムール貝入り)」
で、それもよさそうだったが、季節メニューで冬瓜のスープがあった。
二人協議の結果、そっちで行こう!となる。
フカヒレ入りOR抜きで値段が違うが、すかさず「抜き」をオーダー(笑)。

小さな冬瓜をくりぬいて、スープを入れて蒸したものが出てくる。
これで二人前。


菜香 冬瓜のスープUP

お茶碗になみなみ二杯分を、お店の人が取り分けてくれる。
ちゃんと「取り分けますか?」と言ってもらえるので、自分でやって皮まで
齧りたければ、そうすることもできる。
しなかったけどね。

しみじみと旨いスープ。
冬瓜の独特の青臭さが、こういうスープになると絶妙な滋味に変わる。
こういう料理がちゃんと出てくるなら、夜に食事に来るのもいいなあ♪

本当はあと数種類点心を・・・と思っていたのだが、この辺でちょうどよい具合に
なってしまった。
頑張ればもうちょっと喰えんこともないが、何しろ外は暑いし、後にちょっと
したイベントも控えているので、まあいいか・・・と、甜品に移行。


菜香 デザート

杏仁豆腐とマンゴプリンのデザート(右)と、ココナッツババロア(左)。
どちらも口当たり滑らかで喉越し良い。甘味抑え目の上品な味だ。
中華の甜品て、食べると摂取カロリーが一気にリセットされるような気がする
・・・のは、単なる妄想だろうが。


料理を頼んでお酒も飲めば、そこそこいい値段になるのではあったが、結局
二人でまったりと午後一杯をここで過ごしてしまった。
ランチ時にはそこそこ人が入ってはいたけれど、全体にフロアがゆったりして
いるので、忙しいうるさい感じはしない。

料理は全体に癖がなく食べやすい。
しかし広東らしさはちゃんとあって、マイルドなりにきちんとしている。
他にもいろいろ面白そうなメニューがあった。
ひねりの効いたものをガンガン爆食したい場合には不向きだが、女性同志や
デートなんかには、なかなかよろしい店だと思う。
雰囲気の割りには、価格はリーズナブルな範疇で収まっている。
接客も特にムラなく良い。

なんだ、意外と使える店ではないか。
ちょっと認識を改めたな。
「ドカスカ系の店」だと思ってて、どうもスミマセン、て感じ。

ところで、以前香港に行った時から不思議に思っていたのだが、こういう料理
があまり酒を呼ばないのは何故だろう?
ワタシは平素何がなくてもまずは酒!なので、この種の広東料理に限っては、
どうしてこうもドライでいられるのか不思議に思う。
お茶はゴボゴボ飲みたくなるんだけどな。

それってワタシだけ、なんでしょか?

菜香新館 ( 元町・中華街 / 広東料理 )
★★★★4.0
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菜香 新館広東料理 / 元町・中華街駅日本大通り駅石川町駅
★★★★ 4.0



そうこうするうちに夕刻。
そろそろ次の場所に移動する二人なのだった。


(つづく)


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日本は完全に亜熱帯化してるなと最近思う・・・。



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arima0831 at 14:45│Comments(10)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 中華料理(2008.6~2010.12) | 横浜中華街

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この記事へのコメント

10. Posted by アリーマ   October 05, 2010 17:15
dada2さん

菜香、いいんじゃないでしょうか?
予約しておけば、割りと落ち着いた席がありますし。
ワタシも偏見持ってたけど、悪くないですよ。
牡丹園と桃花は、実は未訪でわかりませんが、4人で行くなら手頃な美味しいコースなんかありそうですね。

あと、モツOKなら『楽園』の塩茹でモツは確実に喜ばれる逸品です。臭くないし。
週末は結構混むので、やっぱり要予約ですが。

あと、食後のおやつ用としては「聘珍楼」。
最近一階を飲茶専門にして、帰りは横浜駅まで送迎あり。プラス、タクシー代は領収書を出すと、基本料金払い戻してくれる、なんていう奇特なサービスをやってます。

大珍も良いけど(ボウボウコウのメニューは本館に引っ越して、食べホと同居してるし)、変わったものが苦手な人が一緒だと、逆にストレスが溜まりそうだなあ。
9. Posted by dada2   October 05, 2010 11:30
おお、私にぴったりなエントリーが…。
私の方の食事は、結局4人になり、うち1人(メインゲスト)は、
臭いものはダメそう、でもモツは食べられると思う。
おまけに10/10は、中華街はお祭りなんですよね。悩みに悩んでおります。
『菜香新館』は、確かに1Fの混雑を思うと怯みますよね。
以前は評判良かったけど、最近は…と思ってたけど、なかなか良さそうですね。
候補に入れとこう。
あと、楽園、桃花、牡丹園とかかしら?
少しは勝手が分かってるし、4人だから大珍 本店がいいんだけどね。
まずは、どっか予約しないと。19:00からなんて一番混みそうだ。
8. Posted by アリーマ   August 20, 2010 23:33
本須さん

干し肉料理・・・それはまた美味しそうな♪
ボウチャイ飯なんかも、冬に出たりするんでしょうか?

菜香、もっと観光客向けの無難なメニュー設定かと思っていたのですが、結構ちゃんとした香港現地風のメニューが色々あって、また機会があれば出かけてみたいです。
7. Posted by アリーマ   August 20, 2010 23:21
>にっきさん
なるほど。確かにラーメンとかも、基本的には「酒別」ですよね。飲む時はまず餃子もらって、〆にラーメンだし。

ちなみに洋食では「食事とともにお茶」は原則ないですよね。イングランドの午後のお茶は別として。
この午後のお茶の内容も、基本は炭水化物系だし。

ちなみに「甘味」の主体の砂糖だって、基本は炭水化物、なんですよね〜。

ううむ。科学的根拠はないのだろうか。
考えると面白いです。

>レオナルドデカプリ子さん
いらっしゃいませ♪

萬珍楼点心輔、やっぱりスタッフ不足なのですよね。ワタシが行った時も同じ印象でした。
しかし、それなりの値段を取る店なので、混雑時の人件費をケチって経費削減をする営業姿勢が、根本的にダメな感じです。
タイミングの問題なのかもしれないですが。

価格的にはモノにもよるけど、点心は菜香のほうが若干安い感じはします。一品料理は似たような値段、でしょうか?
6. Posted by 本須   August 20, 2010 22:03
菜香新館はあまり行く頻度は高くないですが、
季節のお勧めで気になる物があった時に、
ぶらっと寄ることが多いです。
一人で寄ると、結構なお値段の一品料理に
白飯という、かなりバランスの悪い食事に
なってしまいますけどね。

近頃干し肉が入手困難になってきているので、
冬になったらこちらの干し肉料理を食べに
行こうかな、と思っています。
5. Posted by レオナルドデカプリ子   August 20, 2010 10:51
はじめまして。
酔華さんのLINKから存じ上げて以来、楽しく拝読させていただいております。

菜香新館、綺麗で落ちついていますし、布のナプキンがきちんと出るのがいいなあと思っています。
ランチタイムに伺うことはありませんが(ランチ自体ないので)、休日に旧友や家族とよく訪れるお店のひとつです。

ここんちは、全体的に上品に仕上げてあるものが多いように感じます。(炒飯はあまり美味しくないかも
やはりお酒がススムのは、濃ゆかったり、化調系のジャンキーな味のもの(笑)ではないかなあと思います。
萬珍楼点心輔については、OPEN以来10数年通っていますが、キャパに対してスタッフの数が足りないように感じます。先週末、夕食に伺いましたが、価格は菜香新館とそう変わらないですね。
4. Posted by にっき   August 20, 2010 05:53
kan説、説得力がありますね。
日本のふつうのご飯(ご飯にお味噌汁、煮物と焼き魚)を食べるときも、食前にビール!っていうのはあるけれど、ご飯&お味噌汁を中心に食べ始めるともうお酒は必要ないですものね。
それは「ごはん」という脂質をふくまない炭水化物のなせる技なのかも。
私はふかふかのいわゆるなんちゃってピザのときも、ビールやワインよりジャワティーが合うなぁと思ってますがコレも同じ理由なのかしらん。
中国茶飲むと、そのたびに口のなかがリセットされる感もあり、胃の中でラードを中和(?)してくれているような気がしています。
3. Posted by アリーマ   August 19, 2010 18:17
>ぶりさん
フランス料理がワイン抜きに成り立つ、てのが、むしろオドロキであったり。

酒抜きで成り立つ料理は、インドとかアラブとか、飲酒がNGな文化では他にもありうると思うんだけど、その結論に来る前の部分が非常に知りたいです。

>kanさん
なるほど〜!
炭水化物含有量か。
確かに前菜の肉盛りとかピータンなんかは、お酒が欲しくなりますよね。

この手のもので中国茶が美味しく感じる理由を、色々考えてみたんだけど、一つには口の中の脂をサッパリと流してくれる、ていうのはあるような気がするのですけれどね。
ラードとの相性が良いのかも?
独特の甘味がお茶に合う、ていうのは、確かにその通り!

香港に行った時から、この辺がずっと謎です。
2. Posted by kan   August 19, 2010 17:46
言われてみれば。
炭水化物かつ濃い味付けでないもの…
主食でもあり、オヤツとの境目が曖昧なもの…
みたらし団子や餅や饅頭をサカナにお酒が飲みたくなることはありませんね。

炭水化物でも焼き餃子とかお好み焼きだとビールがほしくなりますよね。
あれは途中で脂質に変貌してるのかもしれませんが。
肉まんなんかだと、口の中を洗い流してくれる感覚があるのは、ビールよりお茶ですね。
ドーナツ的なものを食べると自然とミルクや豆乳がほしくなる…みたいに、
点心のようなあまじょっぱい炭水化物には中国茶がベストマッチなんでしょうか。

焼売ならビールもアリ…ってことは、
食べ物内の糖質の割合が多くなるのに反比例して酒はほしくならなくなる、とか?
1. Posted by ふ゛り   August 19, 2010 15:21
お、珍しいチョイス。

「あまり酒を呼ばない」
の件。
玉村豊男氏によると、酒無しで成り立つのはフランス料理と中華料理の二つだそうです。
氏の本のどこに書いてあったか、多分○○の旅雑学ノート、のどれかだったと思います。

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