January 10, 2011

中華街『天龍菜館』がコギレイになった・・・か?

「観光地で美味い店を探す時は裏路地を歩け」と、よく言われる。
確かに表通りの大きな派手な店よりは、裏通りにひっそり張り付いているショボい店の方が安くて美味くて手頃だった、なんて話は世の中結構あるのだろう。
ワタシも知らない街では、表通りよりは裏路地に行っちゃう派だし。
ま、真理ではあるわな。多くの場合は。

でも、横浜中華街に限って敢えて言うならば、この「裏道裏路地の原理」は当らない、と言ってよいのじゃないかと思う。
このエリアって、全体が既にきれいに整地された観光地みたいなもんなので、裏路地だから特にびっくりするほど安いということはないし、一方で表通りにあるからその分高いということもない。

確かに有名店一流店と言われるところは、それなりのプレミアムがついているかもしれないけど、それだって「若干」といったところ。
むしろ一方で、裏路地のチープ感溢れる店が、本当に料理はチープなくせに案外高かったりするので、変に裏路地を狙う必然性はないエリアなのだ、と思う今日この頃。

しかし、一応穴場らしい穴場も、何ヶ所か無いわけではない。
その一つがこの『天龍菜館』。
中華街でも一番人通りが少なそうな道沿いにある。

一見したところ、店構えはボロい。
おっそろしくボロい。
なんでも元ガレージだったところをヤッツケで店舗にしたのだそうだ。
なるほど片側の壁は一面、剥き出しのシャッターだった。

でもこのボロさ、裏路地放浪穴場探し派のツボを、妙な具合にえぐる味わいを漂わせているんである。
なんだかよくわかんないけど、怪しいコギタナイ感じがツボに来るタイプ(ワタシのような)は、要注意な感じ。
このコギタナサの幻惑効果から来る面白さを、美味しさだと思っちゃう人は居るみたいだ。

実は数年前に一度、やはりこの店の妙に「えぐりに来る感じ」に見事引っかかって、十名ほどで宴会を催したことがある。
確かに「そこそこ美味い」と思える料理もあったが、どう考えても塩の投入量を間違えたとしか思えん料理あり、どうにも雑な炒めものあり、微妙に生臭いスープあり、しかもコース設定は実にテキトーなもの。
だから、絶賛して通おうという気にはなれずに終わった。

あとで調べたら、この店を愛するには技が必要だったらしい。
広東料理に対するしっかりした造詣があって、自分が具体的にどういうものが食べたいのか、料理名と調理法も含めて伝えることができれば、横浜中華街の一角にあって、広東の片田舎の庶民食堂の美味が再現可能な稀な店になるらしいのだ。

でも一方で、その辺が曖昧な一般客が行くと、料理がヤッツケ気味になることもあったのだろう。悪意でそうしていたのではなく、単にムラが多い店だったのだと思う。

その後数年再訪せず過ごしたが、最近代替わりしたと聞いて久しぶりに行ってみた。
やっぱりどこかで気になっていたのではある。
で、なんとなく、何度か通った。

内装は若干だけれど改善されていた。
基本的に同じ店そのまんまなんで、変化と言っても知れているのだが、シャッター剥き出しだった壁には、目隠し用に派手な中華山水系風景のスクリーンが下げられ、ガタガタのデコラ張り剥き出しだったテーブルには、ビニールのディズニー柄のクロスが張られ・・・といった具合に、若干薄化粧した感じにはなっている。うっすらと。

料理の基本的な味わいは、変わってないように思う。
新しく来た若い厨士に以前の老板が、アレだコレだと教え伝えているそうだ。
接客は奥方らしき女性と息子達らしき若者たちが担当して、以前よりは店らしくなった。日本語が今ひとつ通じないのは相変わらずで、基本的には東南アジアの裏路地メシ屋の体裁。
良くも悪しくも、そこいらへんは同じだ。


で、以下、食べてみたものなど・・・。

天龍菜館 百合と鶏肉

以前は夜のみの営業だったが、代替わりしてランチも出すようになった。
500円。ワンコイン。中華街のランチ価格としては最底値だし、週末もやっているところはポイント高い。

この一品は「鶏と木耳と百合の花の炒めもの」で、味はやや濃いが実に広東庶民菜らしい旨味がある。
他は酢豚だのカニ玉だの麻婆豆腐だの、実に当たり前なもんばっかりなのだが、何故かコレだけ広東路面の匂いを放ってて不思議。

スープ(たいてい冷めてる)と漬物にご飯がつくので、500円ならば文句ない内容。
しかも4時ごろ入ってもランチを出してくれる有難さよ。
最近は午後通し営業だ。

確か昔の宴会でも、こんな一品を食べた記憶。
アレは確かにまあまあ美味かった。
当時は写真を撮らなかったので、記録無しなのが悔やまれるな・・・。


天龍菜館 例湯

夜に例湯。
昆布だの鶏肉だの諸々の漢方薬膳素材だのが、茶色い汁でゴッタリ煮込まれてる。
この濁り具合が、これまた香港の路面店の例湯そのまんま。
大珍楼なんかで出てくるような、上品なものとは別世界だけど、まあコレはコレでアリだ。
若干生臭いけどね。

もう少し安価にこの半量が食べられたら、ワタシはたまには食べに行くかな。
でも、このでかいラーメン丼一杯の量だと、これにご飯で食事が終わっちゃうのが辛いところ。


天龍菜館 蒸猪肉

壁のメニューに出ている蒸猪肉。塩魚がのっている。
甘味と中華醤油のこってりした味が強い。
千円するので一人では頼みにくいのだけど、半分持って帰ることにすれば一品で二度美味しい。
そう、美味しい。
香港で出てくる、あの蒸し肉の味だ。
ご飯にのせてガシガシ掻っ込むと、結構イケてしまうぞ♪

天龍菜館 小龍包天龍菜館 餃子

小龍包は、原則どこで喰っても打率が低い。
だからその割りには、まあよろしいんじゃないですか、と思える出来。

餃子も然り。
別にわざわざ喰いに来るほどのものではないが、一応ちゃんと作ってあるので不満を覚えるほどのことはない。


天龍菜館 ちまき天龍菜館 チャーハン

しかし粽はご飯がねっちょねちょ。

炒飯は「ウマイ」と褒める例も見かけたんだが、ワタシが頼んだ時には明らかにやる気がなかったらしくて、正直自宅で作るヤキメシと大差はなかった。
炒飯ですらない、家庭のヤキメシ。
しかも、鍋振りが下手くそなワタシが作るやつだ。
この店のヤッツケ仕事は健在らしい。
もうちょっと頑張れよ。

そう、この炒飯を頼んだ夜は、オットに猫騙しをかけて突入していたのだ。
「店はキタナイ」と重々言い含めてから入ったところ「なんで?キレイじゃん」とか抜かしたオットよ、アナタの感受性はどこかがおかしいと思う。

天龍菜館 鶏鍋

・・・でも、この時注文を強行した「朝鮮人参鶏鍋」は、確かにアナタの言う通り、スープの生臭さが素材を完全に殺していたよね。
しかも、鶏はもうちょっと煮込まないとイカン状態で、骨から身が離れず喰い辛かった。
デフォでメニューに上げているなら、仕込みはちゃんとしといてくれ。


・・・とまあ、こんな感じで、やっぱり「きちんとお食事」ではなくて、ヒットエンドラン型の速攻メシに向いた店だな、という結論。
しかも、そこでゲッツーを喰らうリスクはある。
その辺りを、必ず念頭に置いて行くのがヨロシイかと。
中華街での楽しい食事に、一発必勝の期待をかけて遠路来る人は、決して近寄らないように。

で、ワタシなんだけど、たぶんまた行く。
ワンコインのランチはバリュー高いし、香港のストリート的な味わいは、確かにちょっと捨てがたいものがあるから。

この「代替わり営業」には、そういう意味では続いて欲しい。
だからあともうちょっと、この諸々の料理の基本的なムラを、解消してくれると有難いなあ・・・と思う次第、なんである。


天龍菜館 ( 石川町 / 広東料理 )
★★★☆☆3.0
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パンダまん。チョコ入り。最近こういうキャラクターものが増えた中華街。

arima0831 at 18:45│Comments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 中華料理(2011.1〜) | 横浜中華街

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この記事へのコメント

6. Posted by アリーマ   January 16, 2011 20:51
玖珠さん

え〜〜〜〜!!
ホントですかあ?!!

とても残念です。
一休みしたら、また是非再開してくださいませ。
5. Posted by 玖珠   January 16, 2011 19:08
お久しぶりです。
拙Blog「塵壺日誌」は1月16日をもって
終了とする事に致しました。
今まで相互リンク、どうもありがとう
ございました。
4. Posted by アリーマ   January 10, 2011 21:28
Roseさん

そういう利用だったら無問題ですよねー。
これがランチタイムを微妙に外れた夕刻近くになると、さらに有難みがUPします。

だから、頑張ってほしいのです。
スープ保温用にシャトルシェフが買えるその日まで・・・(?)
3. Posted by Rose   January 10, 2011 20:46
ランチに一人で4〜5回ほど行きました。他店の
ランチメニューに目ぼしいモノがない時に
駆け込む感じですね。
スープは必ず冷めてます。もう慣れました、笑。

>一発必勝の期待をかけて遠路来る人は、
>決して近寄らないように

そうなんですよね、、友人を連れて行く勇気は、
まだありません。もう少し研究してから、という
所でしょうか。
2. Posted by アリーマ   January 10, 2011 20:45
ぶりさん

厨房の場所云々以前に、とりあえずトイレがあればいいのに、と思うんです・・・。
1. Posted by ふ゛り   January 10, 2011 19:02
メニューの独自性というものは強みになりますよね。
こちらも厨房が生福園のように見える所にあれば、もっと面白いのですが。

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