August 15, 2013

久々更新!サラーム海上『おいしい中東』で涎ダクダクになった話




お久しぶりの更新…ていうか、最後の更新がもうほぼ一年近く前の話だったのに驚いてみたり。

近況はまた改めるとして、是非とも少しでも皆々様に知っていただきたい本があるので、こちらにもUPしておきます。

以下、最近読書録がわりにつけてる『本が好き!』という読書サイトに揚げたものの再録です。

__________________________

サラーム海上『おいしい中東』

タイトル通り、中東の料理の本だ。
でもしかし、夏が来るちょっと前くらいにたまたま出版されるような、オシャレな女性誌の旅行系ムック本みたいなものとは色々な意味で一線を画した内容となっている。共通点は900円ほど、という価格くらい。本書はもっとコンパクトな文庫の体裁ながらみっちりと500ページを超える文章。
元々は中東などエスニック系音楽の評論が主戦場だった著者が、満を持して食い意地を炸裂させた一冊だ。

500ページの内訳は、ざっくりとトルコ200p、レバノン60p、モロッコ120p、エジプト&イエメン・50p、イスラエル50pといったところ。著者自身の経験を反映しているのだろう、全体のバランスとしてはトルコ関係が圧倒的なのだが、その他諸国も短いなりに充実している。何しろ食物だけをテーマにして現地に飛ぶ人など、まずほぼいないような国が多いし、滞在経験の薄さは怒涛の食い意地でカバーしているから楽しく読める。
しかもレシピ付きだ。

基になっているのは、双葉社のサイトでウェブ連載されていた『旅で覚える!中東クッキング』47回分(!)の記事。
これがなんとも実に面白くかつ美味そうだったので、本書の出版は前から楽しみにしていたのだった(書籍化された分の記事は既に削除されているのはちょっと残念だが、未掲載分や新しい記事はまだUPされている。以下参照)。

http://www.f-bungei.jp/Essay/?cID=9&nID=48

私事だが、エジプトとトルコにあわせて十年近く住んだことがあったので、中東の味や香りには郷愁が強いワタシ。読んでいるうち、口中沸き起こる涎の渦には心底参った。

トルコのマントゥ(ヨーグルトをかけて食べるトルコ水餃子。昔住んでいた家の近所に、抜群にウマイのを出前してくれる店があって三日にあけず食べた時期があった。遠い目。しかもあれは絶品のカイセリ・マントゥだったんだ嗚呼)。
夜中闇雲に食べたくなって、お店の人に不審がられながら一人啜ったイシュケンベ・チョルバス(羊のモツのスープ。日本のモツ煮込み以上に癖が強くて、労務者の友みたいな食いもん)。

まだ見ぬレバノンの料理もいろいろ。
まだ見ぬ国ながら、エジプトにいた頃「美味しいものが食べたい」と思ったら高級レバノン料理店を目指した。昔の勤め先にもレバノン人の優良シェフがいて、羊肉の生たたきだ、羊の脳髄の刺身だレバ刺しだ…といった、フツーの神経でエジプトではちょっと食えないようなもんをよく食べていた時期があったっけ。

そしてエジプトのコシャリ。
アホか、と言いたくなるほど炭水化物系なローカルジャンクフード。米にマカロニを混ぜてトマトソースをぶっかける…という、非常にエジプトらしく芸のない単なるバカめし。未だに全く好きだと思えないが、しかしあの妙な独特の味わいは瞬間的に脳裏に立ち上がる。なにしろエジプトに着いた初日、一人で食べた夕食がアレだったのだ。

こんな話を繰り返していると本自体からガッツリ外れていくのでもうやめるけれど、どうもこのサラーム海上氏はワタシと喰いもん志向が似ているらしくて、とにかく読む拷問みたいな本なのではあった。
イヤ、もうヤメテ、と言いつつ涎ダクダク。
上品な写真主体のムック本では、こういう思いはできますまい。

そう、だから、この本にひとつだけ厳しく突っ込むところがあるとしたら、巻頭20ページ分ほど以外の写真が白黒で終わっていることだろう。これでは生殺し。ちょっとツライ。
しかもせっかくレシピ(それも日本の材料で再現できるように著者がきっちり研究を重ねた)までつけているのに。
予算の関係、出版社の事情など、色々あるのはよくわかるけれど、ここがあまりに惜しい。
まあ、全体を読み終わって巻頭の写真を追いかければ、それなりに「ああ、アレがコレか」と繋がるようにはなっていて、とりあえず苦心の編集がうかがえるのだが。

だからこの本がしっかりと売れて、もっとカラフルな本が後に続いてくれるのが、著者も当然そうだろうがワタシの悲願でもある。大袈裟だけど、ワタシはやっぱり中東メシを愛しているのだ。愛を再確認してしまった嗚呼。

とにかくそういうわけで、彼の地の料理のイメージが多少なりともある人はもちろん、一般的に中東に漠然とした関心があるだけ、という向きにも、誠に幅広い情報元となる一冊になるだろう。
そもそもこういう馬鹿げた本(!)に類書はないんだし。

あと、現地に行く予定があって、なんかローカルなウマいもんが食いたいよ・・・と思う人は、とりあえず一冊買って行きなさい。悪いことは言わん。買って読んでから行け。以上。

まずは本邦初の中東料理研究家の誕生を、陰ながら心から祝いつつ★★★★★。
次はガッツリ写真の入った一冊が拝めますように・・・!

追伸:
料理に限らない中東事情に関しては、同著者の『21世紀中東音楽ジャーナル』もあわせてドウゾ♪
タイトルのごとく音楽関連が主体とはなるけれど、別角度からの現地が面白いです。

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こういう中東メシへの思いは、以前しょっちゅう縷々綴ったものだったよね、と懐かしく思い出す。

最近は諸々情勢が紛糾しているようで、正直のんきにあの辺りの飯がああだこうだ言っている場合ではないような気もするのだが、まあしかしそういう時だからこそ、こうした中東の側面を世の中に知ってもらうのも、とても大切なことだと思ってみたりします。

まずは本の感想文のご紹介まで。

おいしい中東 [ サラーム海上 ]
おいしい中東 [ サラーム海上 ]

21世紀中東音楽ジャーナル [ サラーム海上 ]
21世紀中東音楽ジャーナル [ サラーム海上 ]


arima0831 at 00:41│Comments(7)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote アラブ料理&トルコ料理 | 好きな本

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この記事へのコメント

7. Posted by video de como ganhar massa muscular em pouco tempo   June 07, 2017 22:34
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La meta de las compa骰as que se dedican a estos menesteres es ofrecer el
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el caso de las ventanas.
2. Posted by アリーマ   September 13, 2013 00:16
kanさん

うぉ!
この本は知りませんでした。
買わねば〜♪
1. Posted by kan   September 13, 2013 00:02
おひさしぶりです。
そういえば『トルコで私も考えた トルコ料理屋編』も出ましたね。
http://natalie.mu/comic/news/88530

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