January 05, 2019

2018年に読んだ本 〜翻訳小説編〜

2018年もナンダカンダと、併せて200冊ほどの本を読んだ。

最近加齢の影響もあって、読んだ本を片っ端から忘れてしまうので、とりあえず読んだら読書サイトにログしておく習慣になってはや5〜6年たつ。

以前は『本が好き!』を使っていたのだが、コメントが無いと一括した管理が面倒なので、この4月ごろから『読書メーター』に乗り換えた。各月の記録を一覧で見られて便利だし、新刊のデータはこっちの方が多い。
ただ、コメントは250字までなので、長い感想を書いておきたいときは『本が好き』の方に行く。
そんな使い分けでなんとなく居心地よく納まった感じがする。
今年は特に以前はほぼ記録していなかった、漫画やら実用書・専門書の類やらの雑多なものも一応数に入れているので、数だけだと230冊くらいになっている。

なんでそんなに読むのか、とよく聞かれる。
確かに質より量を追うパターンなのは間違いなくて、我ながらもっと考えて丁寧に読んでもいいような気がしてくることもあるのだが、世の中には面白い本がまだまだたくさんあるのだ。やはり量を読めば面白い本に出合える確率も上がるので、止められない。

それに周囲にいる読書好きを見ていると、量をこなすには年齢的な限界があるらしい、と最近とみに感じるのでもある。知力もそうだが、視力の問題が早晩出現しそうなので、当面は量をこなす方針で行こうと強く思う。
読んで気に入った本をじっくり嘆賞するのは、あれこれガタが来てからでもできそうだ。
幸いまだ眼鏡無しで文庫が読めるのは、何よりも有難いこと。
この状況がいつまで続くかわからないので、出来るうちに数はこなしておこうと思う。

内訳をざっくり見ると、和書90冊、翻訳書70冊、漫画など50冊という感じ。
例年と大差ないと思うが去年より少し時間に余裕があるせいか、読めた作品数は増えたかもしれない。

和書に関しては、面白そうな本をもうちょっと積極的に探すシステムを考えよう、とそれが課題になっていたのだが、やはり翻訳書ほどうまくいかない。翻訳書の場合、読んだ数に対して★5が20冊余あるのだが、和書になると十冊程度。去年も思ったけれど、翻訳書の場合は翻訳段階でかなりフィルターがかかるので打率が高い、というのはあるのだと思うのだが・・・。

さてそれで、まずは翻訳書のほう。
感想が記録してあるものはタイトルからURLに飛べるようになっている。
下の書影からだとアマゾンに飛ぶ。
こちらから買うと、ワタシに投げ銭が来ます。
評価基準は例年と変わらず、純然たる好き嫌い。それだけ。


1位 シェイプ・オブ・ウォーター
映画を先に観て、その後たまたま本屋で見つけた本。単なるノベライズだと思っていたら、小説なりの細密な世界観が構築されていた。映画も非常に良かったのだが、小説の方も傑出して面白いというのは珍しい。どうも単なるノベライズということで世間的には流されてしまった様子。しかも700頁と分厚いせいでイマイチ売れなかったような気がする。良い本なのになあ。
シェイプ・オブ・ウォーター (竹書房文庫)
ギレルモ・デル・トロ
竹書房
2018-02-28



2位 IQ 
クールで知的な黒人探偵が、LAを舞台に事件を解決していく新シリーズ。今年は他にも続きが楽しみになるようなし新シリーズがいくつか出てきて嬉しい限り。あまりに気に入ったので、続巻の原作を洋書で買ってしまった(結局まだ積読山に沈んでいるが)。

IQ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ジョー イデ
早川書房
2018-06-19



3位 奥のほそ道
小説として、文学としての深みにかけては今年一番の名作だったと思う。テーマは人間の根源的な悲しさだったのだろうか、と読み終えて思った。登場人物がそれぞれ抱える愛と苦しみ、そして悲しみに圧倒された。
奥のほそ道
リチャード・フラナガン
白水社
2018-05-26




4位 自転車泥棒
中国や台湾の小説が最近少しずつ増えてきた。同じアジアでも、やはり独特なダイナミズムがあって面白い。本書に関しては、最近早逝された天野健太郎氏の翻訳が秀逸。まだまだ若い方で、これから多様な中国文学との出会いを作ってくれると期待していたので改めて切ない。レトロな風景写真を見るような物語が美しく胸にしみた。
自転車泥棒
呉明益
文藝春秋
2018-11-07




5位 帰れない山
イタリアの山岳小説。私にしては珍しい分野なのだが、山の清冽な空気が行間から立ち上がるような描写に心を洗われた。

帰れない山 (新潮クレスト・ブックス)
パオロ コニェッティ
新潮社
2018-10-31



6位 真夜中の太陽
本来苦手な北欧小説。外側はやたらとスッキリ小綺麗なわりに、内に踏み込むとガサツで大雑把な感じがどうも口に合わない。それでもなんだかんだと手に取ってしまうのだが、この話に関しては変に取り澄ましたところがなくて、素朴な感じが良い。食わず嫌いでパスしないでよかった。

真夜中の太陽 (ハヤカワ・ミステリ)
ジョー ネスボ
早川書房
2018-08-07



7位 用心棒
元陸軍特殊部隊でハーバード中退、愛読書はドストエフスキーの凄腕イケメン用心棒ジョーが主人公。ひねりの効いた会話。ちょっと笑える演出。多彩で面白い登場人物達。追いつ追われつのアクションも映像的で楽しい。細部ツッコミ始めるとキリがないほど粗のある話でもあるのだが、今後続くシリーズらしくて楽しみ。
今年はたまたま他にも『インターンズ・ハンドブック』や『帰郷戦線』といった、この手の凄腕主人公モノが何作か出てきて楽しかった。正直『用心棒』と『インターンズ・ハンドブック』は読んだ時期が近くて、ビミョーに世界観が脳内で入り混じっているような気はするのだが・・・。

用心棒 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
デイヴィッド ゴードン
早川書房
2018-10-04




8位 アルテミス
『火星の人』で一世を風靡した、アンディ・ウィアーの第二作。月面移住者のコロニーを舞台にしたSF。前作の凄まじいまでにマニアックな背景描写を思うと、確かに本作は軽い作品に思えるが、それはそれで楽しくてヨイ♪ サウジアラビア生まれ、月面都市アルテミス育ちの主人公、ジャズことジャスミンが非常に魅力的。信心深いムスリムのお父さんや、ロシア生まれのオタク科学者、ジャズの恋人を寝取ったゲイの友人など、楽しいキャラクターがミョーな国際的世界観とともに脇を固めて、SFというよりはコミック・アクション小説のノリ。続篇を是非出してほしい!

アルテミス 上 (ハヤカワ文庫SF)
アンディ ウィアー
早川書房
2018-01-31



9位 ローズ・アンダー・ファイア 
ナチの収容所に送られた女性たちの物語。辛い話の随所に見える、素晴らしいユーモアのセンスと生きることへの強い意志、そして飽くなき言霊への渇望が胸を打った。

ローズ・アンダーファイア (創元推理文庫)
エリザベス・ウェイン
東京創元社
2018-08-30



10位 泥棒はスプーンを数える
泥棒バーニー再び!三十年以上前に楽しく読んでいたシリーズが、未だに継続しているのだから、もうそれだけで嬉しい。相変わらずオチのない会話が軽妙に続いて行く、それだけの話と言ってもよいのだが、十一年ぶりだからそれもまたよし。いつの間にかバーニー達の年齢を自分が越えてしまっていて、なんだかちょっとしみじみ来るものがあったのだが。

泥棒はスプーンを数える (集英社文庫)
ローレンス・ブロック
集英社
2018-09-20





arima0831 at 00:54│Comments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

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