好きな本

January 03, 2017

2016年の本 其の二 ∼国産小説編〜

何となく翻訳小説と国産小説、というジャンル分けにしているのだけれど、果たして自分はどういうバランスで読んでいるのだろう、とちょっと気になって、ゴクローにも数えてみた。

翻訳小説はなんと45冊くらいだった、という驚きの結果。
意外に少ない。しかしまあ、バランスという意味では全体の四分の一だから、そんなものなのかもしれない。

翻訳と国産、どちらを十冊選ぶのが心躍るかと言えば、実はやっぱり翻訳小説になるのは何故だろう。日本で出版される段階でかなり厳密なフィルターがかかっているから、アタリ率が高いのは間違いないのだが。
特に今年はその傾向が強い。

そもそも海外の風物などが好きでたまらないから、大学は語学系だったわけだし、挙句に海外で十年もほっつき歩いて、その細々した備蓄で今もどうにか食っているわけだし。まあそりゃあそうなるのも無理はないのか。はあ、なるほど、と勝手に納得してみる。

しかし翻訳ものが二作続くと「もういいや」となってくるあたり、ワタシもやっぱり日本人。
最近は好きだといったら好きだ!と叫びまくれるほど好きな作家がいないのが寂しい。

今年は一年振り返ってみても、心躍り胸膨らむ感じが、国産分野ではどうも薄かった感あり。
しかも小説と言いながら、半分ほどはノンフィクションなど実用書だ。
まあ、面白けりゃあなんでもよろしい、ということなんだが。
2017年は国産系での出会いに期待しよう。


1.ブラック・ライダー & 罪の終わり
2.暗幕のゲルニカ
3.ギケイキ
4.空気のつくり方
5.菌世界紀行
6.私的台湾食記帖
7.大統領の演説
8.流
9.竜と流木
10.室町無頼


そう、出会いと言えば、今年は東山彰良というデカイのがあった。
出会いは直木賞。ありがとう、直木賞。ケッとか言わずに今後は真面目にチェックするよ直木賞。
この人の本ときたらどれを読んでも面白いもんで、ワクワク順にすると十冊のうち半分くらいが東山彰良に占拠されてしまうのだが、一応続編もセットで一位『ブラック・ライダー』。翻訳小説のランキングに突っ込んだとしても、これは圧倒的に今年の一位だった。海外で翻訳出版したら、世界に並み居るポストアポカリプス小説群は裸足で逃げ出すに違いない。是非世界進出して、村上春樹を越えてほしい!
プラス、やっぱり初めて読んだ『流』はやはり楽しかった。こちらの私小説的な味わいも好きだ。結局突拍子もないところに話は飛んでいくのだが。



流
東山 彰良
講談社
2015-05-13



二位『暗幕のゲルニカ』。原田マハが実はそれほど好きではないのだが、美術作品を背景に据えた謎解きも含めてワクワクしながら読んだ。どことなく端正すぎるところは相変わらず原田マハなのだが。今年は『異邦人(いりびと)』なんつードロドロのメロドラマも書いているから、ちょっとは変化するのかなあ、と期待。
暗幕のゲルニカ
原田 マハ
新潮社
2016-03-28



異邦人(いりびと)
原田 マハ
PHP研究所
2015-02-25



三位『ギケイキ』。なんのこっちゃ、と思えば『義経記』、つまり源義経の話。狂った繰り言のような町田康節は本来苦手なのだけれど、何故かこの背景にはしっくりと溶け込む。まだまだ続きがあるらしいんだけど、いつ出るのだろう?
ギケイキ:千年の流転
町田 康
河出書房新社
2016-05-12



四位『空気のつくり方』。著者は横浜DeNAベイスターズ元球団社長の池田純。この本について周囲に語ると、ファン以外のリアクションがあまりに冷たいのだが、実録マーケティング小説的に非常に面白い話。SWOT分析なんて言葉、久しぶりに聞いて懐かしかった。球団史上初クライマックスシリーズ進出に華を添える快著。
空気のつくり方
池田 純
幻冬舎
2016-08-30



五位『菌世界紀行』。なんでこういう理系の本が視界に入ってきたのかなあ、とつぶやいてみたら、知人でもある田中真知さんの名著『たまたまザイール、またコンゴ』(昨年刊行)を押しのけて、第一回斉藤茂太賞とやらに輝いた作品なんだ・・・と、田中真知さん御本人に指摘されて気付いた。ハハハ。身贔屓でも何でもなく、話の密度、濃度、背景にある諸々をひっくるめ、ワタシに取っては真知さんの本のほうがはるかに面白いし、本の密度としてもはるかに濃いとは思うのだが。でも自堕落な酒飲み話が北大同窓系の琴線に響く。極寒地の菌類などの話もついでに面白い。



六位『私的台湾食記帖』。今年一番胃の腑と食欲中枢を刺激しまくった一冊。シズル感溢れる台湾のストリートフードがステキ。台湾、行かなくちゃな。できたら今年早々にでも是非。
私的台湾食記帖
内田真美
アノニマ・スタジオ
2016-03-30



七位『大統領の演説』。著者パトリック・ハーラン。テレビでよく見かける「パックン」の御著作。歴代大統領の名演説&ダメ演説を取り上げて解説しながら、現代アメリカ史にも切り込む。スピーチ教本的にも、歴史事象解説的にも、コンパクトながら実にうまいことまとまっていて、非常に良い本だった。いやはや、勉強になりました。今年は仕事のネタにも流用させてもらいます♪
それにしても、名演説を次々繰り出すオバマ大統領という「便利な英語の名文製造家」がいなくなって、ワタシの仕事的にはちょいと痛手・・・(代わりにアレじゃなあ)。
大統領の演説 (角川新書)
パトリック・ハーラン
KADOKAWA/角川書店
2016-07-11



九位は安定の篠田節子。怖い怖い!本当に怖い!相変わらずの不気味なリアリティーで迫る、生物環境パニック小説。
竜と流木
篠田 節子
講談社
2016-05-25



十位は垣根涼介。応仁の乱のちょっと前あたり、という、おっそろしくシブく且つ暗い穴を抉って描き出される青春群像で乱世の武芸者修行ストーリー。楽しく読めた。
室町無頼
垣根 涼介
新潮社
2016-08-22




ま、そんなようなこんなような感じで、今年もずるずる本を読みたいと思います。
面白い本があったら、皆さん是非教えてください。
やはり老年化への対抗策は、仲間を作ってチームとして打率を上げていくことですな、と思っている今日この頃だったり。いろいろな意味で。

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January 02, 2017

2016年の本〜翻訳小説編~

2016年が終わって、年末に読みかけていた一冊をやっと先ほど読了。
最後の一冊は、珍しく少しずつ一週間ほどかけて読んだ『すべての見えない光』。これが何とも素晴らしい本だったのだが、その話はまた改めて。

去年は結局まとめそこなったが、一年が終わって前の年に何を読んだか振り返る作業は楽しい。
本が好きだ嫌いだという以前に、活字がないと生きていけない中毒者なので、とりあえず量だけはこなしていて、2016年の分をざっくりカウントしてみたら184冊だった。

冊数で読書量を云々するなど、アホらしいことだとは思う。
ワタシの場合、二段組み全6巻1800頁であろうが、写真集50頁であろうが「一冊は一冊」なのだし。
だから数はあくまでも個人的な目安に過ぎない。
忙しいと半分寝ていても話が頭に入るようなオモシロ小説やら、スカスカと事実だけを追いかけられる実用書が増えるし、どっとヒマになると密度の高い、いわゆる「良い本」に腰を据えてとりかかれる。どっちにしろ楽しい。楽しくない本も確かにあるが、そういう本は壁に向かってぶん投げて「ばっきゃろー!」と叫べば少しはスッキリするので、基本読書に無駄はない、ハズだ(ウソウソ、やってません。イメージの割りに?暴力性はないのよ。猫がびっくりするし)。

まあ最近は悲しいことに「加齢」という思いがけぬハードルに足元をすくわれている。老眼というヤツ。ワタシは元から特に視力が良くはないので、周囲の友人に比べればまだ進行が遅い方らしくはあって、まだ読書に老眼鏡は必要ないのだが、それでもスピードはあからさまに落ちた。さらに、視力だけではなく知力のほうも鈍っていると思しい。やれやれ。
だから最近は、手当たり次第に手を付けずに、少しは考えてから選ぶことにしている。時間は有限なのだ。止むを得ない。タメイキとともにここを認識するところから、老いは始まるのだろう。始まったばかりだが。そしてどこまで進行するのかもワカランが。

なににつけても節操がないのは食生活と同じ。一つのジャンルに偏って読み続けることはできず、軽いものを読み飛ばした後は、しみじみと端整な小説を愛でたくなるし、時間をかけて観念的なものを読めば、怒涛のようなストーリーに没入したくなる。国産の小説を読めば、翻訳もの成分が欠乏するし、ウソかマコトかわからぬ世界に没入すると、実用書ビジネス書の類で頭をリセットしたくなる。だから概ね「小説(国産)→小説(翻訳)→ノンフィクション」のループで回っているような気がする。自分でそう決めなくても、何となくそうなる。

この何年かは嬉しいことに、職場に図書館が付設されているので、「新刊を読みまくる」という贅沢がかなり許されるようになった。ついでに「近所の図書館」という結構な施設の使い方もマスターしつつあってありがたい。でもその結果「返却期限で読む順番が定められる」という理不尽がしばしば起きる。イヤだけどしょうがない。便と不便は裏表なんだし。

要するに新刊にこだわらなければ良いのではないか、という当たり前の真実に、最近ようやく気付きつつはあるのだけれど、世に溢れている情報は新刊が主体であって、情報に触れれば中身に興味が湧くのは、根がミーハーだから致し方ない。やっぱり新しいものは楽しいのだ、と思うあたりは、ワタシも一応バブルっ子なのかねえ。どこかでこのループから解脱したい、と最近思い始めないでもないのだが、それはまだ先の話になりそうで・・・

ということで、今年読んだ本のベスト10を。
まずは翻訳小説。
この数年読書記録用に愛用している『本が好き!』というサイトに感想を上げたものは、一応URL付き。

1.ザ・カルテル
2.蒲公英王朝記 & 蒲公英王朝記2
3.幸せの残像
4.エンジェル・メイカー
5.見えないすべての光
6.奇妙な孤島の物語
7.べつの言葉で
8.火星の人
9.さよなら、シリアルキラー & 殺人者の王 & Blood of My Blood
10.ジョイランド

1位『ザ・カルテル』はかの傑作『犬の力』の続編。ワタシはむしろこちらのほうが面白かった。圧倒的なリーダビリティーで寝ず食わず読み耽ることができる一作。年に一作くらいはこんなものが読みたい。ついでに『ストリート・キッズ』の続編も書いてほしかったり。
ザ・カルテル (上) (角川文庫)
ドン・ウィンズロウ
KADOKAWA/角川書店
2016-04-23



2位『蒲公英王朝記』はまだ話の中盤。2015年に出た短編集『紙の動物園』の美しい余韻も冷めやらぬ中、第一部が二巻分冊で出た。SF歴史大河武侠ファンタジーで、トルキーン的背景とジブリ的風景が味わえる。このシリーズはもっと売れろ!そして早く続編を!



3位『幸せの残像』パーレビ朝末期から半世紀に及ぶ、イランの女性の半生を描く。あまりにクソ忙しい時に読んだので、未だに感想がまとめられていないのだが、読んでいる間中幸せだった。結末に共感できるかどうかは別として。社会背景も面白いのだが、一般的な先進諸国では考えられぬような社会的拘束の多い中だからこそ、純粋な瑞々しさが切なく昇華。ラストは泣いた。



4位『エンジェル・メイカー』一年前に読んだ本だが、永遠のトンデモ本として脳内に刻み込まれた傑作。三文オペラ@SFファンタジー風味。



5位『すべての見えない光』2015年4月の刊行以来、ニューヨークのベストセラーランキングを爆走中。『シェル・コレクター』など短篇の名手アンソニー・ドーアの初長編。スケッチ風に切り出される戦禍の少年少女の人生が瑞々しく美しい。こういう本がバカ売れするなら、アメリカ人もアホばっかりじゃないんだな、と思えて安心したり。



6位『奇妙な孤島の物語』夏の海辺でじんわりと読んだ。世界中の絶海の孤島が50か所、地図とスケッチ風の短文で紹介されていく本、なんていうと味も素っ気もないが。本の装丁からレイアウトから、すべてに癒された一冊。日本語版が、いい仕事です!



7位『べつの言葉で』ジュンパ・ラヒリがイタリア語で書いたエッセイと短編。原語で読めないのが何とも悔しい。あの夏の日、いつかは必ず・・・と思ったきり、イタリア語の勉強はまだ始めてもおりませんが。



8位『火星の人』究極のSFヲタクがブログ展開していた話が出版化されたとやら。映画『オデッセイ』のほうも背景にダサい80年代ディスコ曲をバリバリ取り込んで、違った味わいの楽しさだった。小説と映画で二度美味しいってのは珍しい。是非映画とセットで。



9位『さよなら、シリアルキラー三部作』叙情的な青春小説から、一期に暗黒アクションスリラーへと変転!続巻が待ちきれず第三部は原書で読んだけど、もう翻訳が出てます。
さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫)
バリー・ライガ
東京創元社
2015-05-11



10位『ジョイランド』スティーブン・キングの新作ということで、かなり期待していた『ドクター・メルセデス』がどうもイマイチ口に合わず。むしろこっちの方が好きだった。最初読んだときより、読んだときのことを思い出す方がじわじわ来る。
ジョイランド (文春文庫)
スティーヴン キング
文藝春秋
2016-07-08



昨年分の読み残しもまだ何冊か積んであるので、当分は楽しく暮らせそう。
とりあえずあらゆる国内ランキングを爆走中の『熊と踊れ』と、待望のツィママンダ・ンゴツィ・アディーチェの長編第二作『アメリカーナ』は早く読みたいが、返却期限縛りであと一週間は無理、というジレンマに苦しむお正月だったり。

2017年も面白い本とたくさん出会えますように。

熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫)
アンデシュ・ルースルンド
早川書房
2016-09-08



アメリカーナ
チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ
河出書房新社
2016-10-25



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August 30, 2015

2014年に読んだ本

最近はこちらに読んだ本の記録を残すことにしていて、あとはツイッターでつぶやくのみとなった日々。
元々は備忘録として始めたので、結局のところそういう形が一番良いのかな、と思っていたり。

しかしこのサイトだと、プロファイルにあげた記事を残しておけないので、一応こちらに移動させておきます。
今年初めにUPしたもの。

_______________________________

2014年の各ジャンルベスト5
一年間で読んだ本を初めて振り返ってみました。
『アラビアの夜の種族』で明け、『とらわれて夏』で終わった一年でした。

1)翻訳小説編
。隠院殖横押殖僑
△發ηはとれない
0Δ領側は闇
い箸蕕錣譴堂
ゥ凜.ぅリン職人の探求と推理

2)国産小説編
.▲薀咼△量襪亮鐶
冬虫夏草
E敘の花
ね戮詛
ス喊
イ里椶Δ両

3)ノンフィクション編
〔畋疾彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
⊂澤征爾さんと、音楽について話をする
9痛探検家
い泙襪瓦肇ぅ鵐匹蔽砲鳩觝Г靴燭
ス諜鐡豸羆颪料靆敖
グ貎清気塙餡

こうして並べてみると、やっぱり自分はエスニックな臭いのするものが好きなのだなあ、と改めて思います。



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August 15, 2013

久々更新!サラーム海上『おいしい中東』で涎ダクダクになった話




お久しぶりの更新…ていうか、最後の更新がもうほぼ一年近く前の話だったのに驚いてみたり。

近況はまた改めるとして、是非とも少しでも皆々様に知っていただきたい本があるので、こちらにもUPしておきます。

以下、最近読書録がわりにつけてる『本が好き!』という読書サイトに揚げたものの再録です。

__________________________

サラーム海上『おいしい中東』

タイトル通り、中東の料理の本だ。
でもしかし、夏が来るちょっと前くらいにたまたま出版されるような、オシャレな女性誌の旅行系ムック本みたいなものとは色々な意味で一線を画した内容となっている。共通点は900円ほど、という価格くらい。本書はもっとコンパクトな文庫の体裁ながらみっちりと500ページを超える文章。
元々は中東などエスニック系音楽の評論が主戦場だった著者が、満を持して食い意地を炸裂させた一冊だ。

500ページの内訳は、ざっくりとトルコ200p、レバノン60p、モロッコ120p、エジプト&イエメン・50p、イスラエル50pといったところ。著者自身の経験を反映しているのだろう、全体のバランスとしてはトルコ関係が圧倒的なのだが、その他諸国も短いなりに充実している。何しろ食物だけをテーマにして現地に飛ぶ人など、まずほぼいないような国が多いし、滞在経験の薄さは怒涛の食い意地でカバーしているから楽しく読める。
しかもレシピ付きだ。

基になっているのは、双葉社のサイトでウェブ連載されていた『旅で覚える!中東クッキング』47回分(!)の記事。
これがなんとも実に面白くかつ美味そうだったので、本書の出版は前から楽しみにしていたのだった(書籍化された分の記事は既に削除されているのはちょっと残念だが、未掲載分や新しい記事はまだUPされている。以下参照)。

http://www.f-bungei.jp/Essay/?cID=9&nID=48

私事だが、エジプトとトルコにあわせて十年近く住んだことがあったので、中東の味や香りには郷愁が強いワタシ。読んでいるうち、口中沸き起こる涎の渦には心底参った。

トルコのマントゥ(ヨーグルトをかけて食べるトルコ水餃子。昔住んでいた家の近所に、抜群にウマイのを出前してくれる店があって三日にあけず食べた時期があった。遠い目。しかもあれは絶品のカイセリ・マントゥだったんだ嗚呼)。
夜中闇雲に食べたくなって、お店の人に不審がられながら一人啜ったイシュケンベ・チョルバス(羊のモツのスープ。日本のモツ煮込み以上に癖が強くて、労務者の友みたいな食いもん)。

まだ見ぬレバノンの料理もいろいろ。
まだ見ぬ国ながら、エジプトにいた頃「美味しいものが食べたい」と思ったら高級レバノン料理店を目指した。昔の勤め先にもレバノン人の優良シェフがいて、羊肉の生たたきだ、羊の脳髄の刺身だレバ刺しだ…といった、フツーの神経でエジプトではちょっと食えないようなもんをよく食べていた時期があったっけ。

そしてエジプトのコシャリ。
アホか、と言いたくなるほど炭水化物系なローカルジャンクフード。米にマカロニを混ぜてトマトソースをぶっかける…という、非常にエジプトらしく芸のない単なるバカめし。未だに全く好きだと思えないが、しかしあの妙な独特の味わいは瞬間的に脳裏に立ち上がる。なにしろエジプトに着いた初日、一人で食べた夕食がアレだったのだ。

こんな話を繰り返していると本自体からガッツリ外れていくのでもうやめるけれど、どうもこのサラーム海上氏はワタシと喰いもん志向が似ているらしくて、とにかく読む拷問みたいな本なのではあった。
イヤ、もうヤメテ、と言いつつ涎ダクダク。
上品な写真主体のムック本では、こういう思いはできますまい。

そう、だから、この本にひとつだけ厳しく突っ込むところがあるとしたら、巻頭20ページ分ほど以外の写真が白黒で終わっていることだろう。これでは生殺し。ちょっとツライ。
しかもせっかくレシピ(それも日本の材料で再現できるように著者がきっちり研究を重ねた)までつけているのに。
予算の関係、出版社の事情など、色々あるのはよくわかるけれど、ここがあまりに惜しい。
まあ、全体を読み終わって巻頭の写真を追いかければ、それなりに「ああ、アレがコレか」と繋がるようにはなっていて、とりあえず苦心の編集がうかがえるのだが。

だからこの本がしっかりと売れて、もっとカラフルな本が後に続いてくれるのが、著者も当然そうだろうがワタシの悲願でもある。大袈裟だけど、ワタシはやっぱり中東メシを愛しているのだ。愛を再確認してしまった嗚呼。

とにかくそういうわけで、彼の地の料理のイメージが多少なりともある人はもちろん、一般的に中東に漠然とした関心があるだけ、という向きにも、誠に幅広い情報元となる一冊になるだろう。
そもそもこういう馬鹿げた本(!)に類書はないんだし。

あと、現地に行く予定があって、なんかローカルなウマいもんが食いたいよ・・・と思う人は、とりあえず一冊買って行きなさい。悪いことは言わん。買って読んでから行け。以上。

まずは本邦初の中東料理研究家の誕生を、陰ながら心から祝いつつ★★★★★。
次はガッツリ写真の入った一冊が拝めますように・・・!

追伸:
料理に限らない中東事情に関しては、同著者の『21世紀中東音楽ジャーナル』もあわせてドウゾ♪
タイトルのごとく音楽関連が主体とはなるけれど、別角度からの現地が面白いです。

________________________

こういう中東メシへの思いは、以前しょっちゅう縷々綴ったものだったよね、と懐かしく思い出す。

最近は諸々情勢が紛糾しているようで、正直のんきにあの辺りの飯がああだこうだ言っている場合ではないような気もするのだが、まあしかしそういう時だからこそ、こうした中東の側面を世の中に知ってもらうのも、とても大切なことだと思ってみたりします。

まずは本の感想文のご紹介まで。

おいしい中東 [ サラーム海上 ]
おいしい中東 [ サラーム海上 ]

21世紀中東音楽ジャーナル [ サラーム海上 ]
21世紀中東音楽ジャーナル [ サラーム海上 ]


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June 24, 2009

金子貴一『秘境添乗員』 〜そして佳き日のシアワセとカツオのたたき〜

金子貴一という作家がいる。

4月末に新刊が出た。めでたいことだ。
そして、その一ヵ月後の先月末についに結婚した。
これもまた実にめでたいことだ。

新刊は『秘境添乗員』という。
文芸春秋社の『本の話』というPR誌に2年3カ月連載されたものに、
大幅加筆修正を加えたものだ。



彼とのお付き合いはエジプト以来で、20年来の古い仲間である。
交遊の経緯は彼の前作『報道できなかった自衛隊イラク従軍記』の紹介等で
触れたし、最近は休止している中東関係のブログ何度か詳しい話も載せてある
是非ご参照のほどを。

金子クンの本領は「人間力」にある。
文才だの語学力だのという、目先の能力を超えたもっと深くて強いパワーだ。
最近書評を書いた某評論家によれば「過剰な人」であり、いち早く読んでステキな
記事を上げてくれたにっきさんによれば「厚ぼったい人」という印象となる。
なるほど、確かに彼は「独特の濃さ」がある人だ。
その濃さは決して嫌味や傲慢につながらない。
通常「濃い人」は、多かれ少なかれそれなりの灰汁を醸し出すものなのだが、
金子クンには良い意味でそれがない。
常に感じられるのは、直裁で明朗かつ知的な「人間力」である。
この部分は公私共に変わらない。

そしてこの本のタイトルを見て「世界の秘境のオモシロ経験談」なんかを期待すると
うっかり肩透かしをくらってしまうだろう。
この本には「世界の秘境四方山話」にありがちな嫌味がまるで無いからだ。

例えばバングラデシュへ、アルジェリアへ、ミャンマーの奥地へ・・・などなど、
確かに彼が自分で企画主催して添乗するツアーの行く先はまことにユニーク。
こうした所謂「秘境」と世間に呼ばれるところに日本人ツアーを引率して行く
「秘境添乗員」の話は前半部に色々と語られていて、その話自体は大変面白い。
旅行好きならば、まずは楽しく読めることだろう。
添乗員としてサービスにこれ徹する金子クンの姿は、単なるツアーコンダクターを
はるかに超えて「ツアーバトラー」と呼ぶにふさわしく、仕事内容も非常に
ハイレベルでプロフェッショナルなものだ。

なにしろ彼は、戦乱のイラク自衛隊派兵の「添乗員」を立派にやり遂げた人間だ。
戦地に赴く自衛隊随行と観光ツアーの添乗を、同じ目線で語ったら
叱られるかもしれないが、結局のところ仕事の要は等しく「グループが無事に
食って寝て安全に過ごせるように心配ること」だと思う。
時に危険も伴う異文化環境で続発するトラブルに柔軟に対処しながら、
全員の安全を確保する。
現地住民との円滑なコミュニケーションの仲介役としての役割も欠かせない。
異文化コーディネーターとしての力量がものを言うのは、どちらも同じことだ。

しかも彼はどの仕事も、誠心誠意こなして手抜きなどしない。
戦地に行く自衛隊だろうが観光に行くツアーだろうが妙な差別化などもしない。
要するに「プロ」なんである。

ちなみに彼は、異文化環境にいなくても根っから添乗員みたいなヒトだ。
例えば一緒に歩いていると「あ、そこにぬかるみがあるから足元に気をつけて〜」
「この先の角を右に曲がりま〜す。そこの赤いポストのあるビルのところね〜」と
万事常時こんな調子。
本人いたって自然体でこうなるのだから、添乗員は天職だろう。

で、話は単なる秘境四方山話だけでは終わらない。
そういう類の秘境ツアー裏話を、もっと低レベルで書き飛ばしたようなひどい本が
結構売れたこともあるから、全巻秘境話で終始した方が案外受けたのかもしれないが、この本はさらに深く潜り込んでいく。

実はこの本の真価は、この「潜り込んだ部分」にあるのだと思う。
話は彼自身の過去に遡り、アメリカに留学した高校時代の経験や、見事に正しい
真のエジプト人となった学生時代を経て、ジャーナリストとなり戦地へ赴き、
そうした経験の中で得たものを一つ一つ丁寧に自分のものにしながら生きてきた
いわば「金子クンの作り方」を読者はリアルに追いかけることになる。

それは昨今巷で言葉としては始終出てくる「異文化コミュニケーション」のプロが
如何にして生まれたか、という物語でもある。

そして話は過去を振り返るだけでなく、未来へ向かう動きも見せてくれるのだ。
辛い話もあるのだが、それを超える前向きさがとても良い。
なにしろこの過程で、彼は結婚をするのである。
いらん話かも知れないが、ワタシより一歳年上の初婚だからかなり遅い。
実はひっそり心配していたが、やっと訪れた春はたいそう美しく暖かいようだ。
なによりのことで、本当に嬉しい。

BlogPaint先月5月末の披露宴にて。
このシアワセを分けてもらうべく
披露宴に出てきたワタシ。
春を喜ぶ幸福な新郎の顔に
皆さんも微笑んであげてください。

いやあ、よかったヨカッタ♪

そしてこの後、新婚家庭に押しかけて鰹のタタキまでご馳走になってしまった。
わざわざ奥さんのお園さんが郷里の高知から取り寄せてくださったもの。
本の中にも出てくる絶品鰹だ。

確かに金子クンが書いている通り「いままで食べていた鰹はなんだったんだ?!」と
ちょっと無言になってしまうくらいの美味い鰹。
お園さん、本当にありがとう♪

しかし、あれは何が違うのだろう?
絞め方?それとも鰹の質??
関東で食べる鰹は、どんなに良いものでも微妙にカネ臭いような独特の匂いがして
まあそんなもんだと思って今まで来たのだが、どうも大きな誤解だったらしい。
本当にうまい鰹は、旨味はそのままで臭みはなく、口の中で蕩けます・・・。
単に「脂の乗った魚」を口に入れた時の感じとはまたまるで違う、甘味に近いような
深い旨味。
このオドロキは、エジプトで初めて羊肉を食べたとき以来の衝撃、かもしれない。

写真を撮ってこなかったのが悔やまれます。
さすがのワタシも不躾だと思って遠慮したのだが、カメラを出せばよかったよ!
残念!

あ、そうそう、披露宴は立川のPホテルだったが、ここで出たフレンチのコースは
単なる婚礼メシの水準以上に美味かったのだ。
実はこういう宴会コースメシは、過去の職業柄アタマから馬鹿にして高を括って
いるところがあるワタシだが、全体に味がよくてちょっとびっくり。
実は「披露宴前に荻窪でまた鰻・・・」とか卑しいことを考えないでもなかったのだが
やめておいたのは正解だった。
Pホテル、丸の内の本丸が休館中だから、系列各ホテルの厨房がパワーアップ・・・
とか、どうでもいいことまで考えちゃったぞ。

ええと、披露宴も実は5月下旬美食爆食強化週間のことでした。
しかも鰹は「減量強化月間」の昨今の話だった、と一応告白だけしておく・・・。

話が思いっきり脱線してしまったな。
なにはともあれ・・・


秘境添乗員秘境添乗員
著者:金子 貴一
販売元:文藝春秋
発売日:2009-04
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この『秘境添乗員』は金子貴一クンの集大成。
ちょっと間口を広げすぎた感はなくもないのだが、このカオス的な雑多さも彼の
独特の持ち味と思っていただければ幸いなのである。

しかし例えば本書の中の、特に日本でのクルド難民援護関連の話などは、
掘り下げればかなり面白い話になりそうだし、他にももっと突っ込んで欲しい話が
色々とある。
「次回作へ続く」となればなによりだ。

全体を通して、異文化と触れ合うときに大事なことはなにかを直接間接に
熱く語りかけてくれる本。
日本のグローバル化が叫ばれる中、現状になにか足りない物を感じる方には特に、
単なる旅行書以上の面白さがあると思う。
間口が広すぎたとは書いたが、内容は通常の単行本の三冊分と言ってよいほど。
中身は濃くて充実しているので、色々な人に是非一読をお勧めしたい。

とりあえずは近いうちに、出没先数ヶ所に一冊づつ「配備」する予定なので、
よろしければ皆さん手にとってみてくださいまし。



秘境添乗員
  • 金子貴一
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  • 1575円
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報道できなかった自衛隊イラク従軍記報道できなかった自衛隊イラク従軍記
著者:金子 貴一
販売元:学習研究社
発売日:2007-03
おすすめ度:5.0
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April 28, 2007

『ワインの個性』 堀賢一 〜極私的ワインの思い出話など〜

私は単なる飲兵衛だ、
酒は何でも好きで、旨い酒ならば種類問わず大好き、という、ものすごいシンプルな
スタンダードで酒を飲む。

どんなお酒が好きですか?ときかれると、ちょっと困ってしまう。
強いていうならば、暑い夏の日に一仕事したあとのビールかなあ、ということになる。
あとは、その日の体調や気分、そして目の前にある食べるものによって、
無節操に飲みたい酒は変わる。
韓国料理屋でチャンジャなど突付いていれば、誰がなんと言おうとマッコリが飲みたいし
刺身だ塩辛だ、となると日本酒か焼酎に手が伸びる。
アラブ料理で、特に羊肉となれば、アラック、ラク、ウーゾといった酒を体が求める。
バーのカウンターで啜るジンライムなど、特に夏場は堪えられない。
そして、同じように「ワインでなければイヤだ」という状況も当然あるわけだ。

酒自体、種類それぞれに個性の強いものだが、中でも多様なのはやはりワインだろう。
あまりに多様なので、素人向けにわかりやすく基本を解説する本は山ほど出ている。
でも、ワタシのようなだらしのない飲兵衛は、正直言って酒を飲むときにまで本を読んで
「お勉強」をする気になれず、とりあえず「習うより慣れろ」と量を飲みまくるほうに
忙しい。

実は亡父もワインは好きだったので、子供の頃から結構アタリマエに食卓にワインが
出ていた。
まあ、しょせんはワタシの父親なので「習うより慣れろ」とばかりに、
大体ザックリとこんなもん、程度の感覚で手ごろなものを飲んでいただけだが、
一度「グラーブのシャトーカルボーニュ」なんてもんが冷蔵庫に秘匿されていて、
親が留守の晩にトモダチと飲んじまったことがある。
「あ〜、ビールないよー」
「買ってこようかー?」
「あ、ちょっと待った、ワインがあるよ」

・・・という調子で、アホーの中学生二名は、このワインを一本飲んでしまった。
素直にたまげるほど旨かった。
ワインてこんなにウマイもんなのか!と、生まれてはじめて思ったものだ。

こんな腐れた、猫についた蚤のようなガキは、今のワタシならば指先でプチンと
つぶしてやるところだが、過去の本人なので(嘆)致し方ない・・・。
こんなワインを冷蔵庫の奥に入れておく亡父も、結局はワカッテナイ人だと思うが、
その後ある日ある時、父の涙混じりの怒声が家中に鳴り響いたのも、今はいい思い出だ。

あの時、怒声が響いたあとで、ワタシの首根っこを捕まえた、オヤジ一言。

「・・・旨かったか?・・・」
「うん!今まで飲んだので一番旨かった!」
「アタリマエだ、馬鹿もん!」

まあ、あんなところに大事なワインを入れっぱなしにしていた己の不覚を痛感したの
でもあろう、それで無事放免となった。
酒がらみの父の思い出は、他にも色々あるのだが、今でもあのシーンは特にリアルに
覚えている。

そして高校を卒業したばかりの頃、三ヶ月ほどドイツの知人宅で世話になり、
ここのオジサンが地下に膨大なコレクションを秘蔵している「ワインマニア」だった。
ワインが毎日確実に数本開いて、その都度「このワインはな・・・」という講義が始まる。
18歳の外国語がようわからんコドモは、一切を「あっそ」と流して聞いて、
あけたワインをガボガボ飲んでばかりいた。
ああ、罰当たり・・・!

さて、そんなわけで飲むだけは軽く30年以上は飲み続けてきたワインなのだが、
この十年くらいで、どうもワインの味が変わったような気がしていたのである。
日本で飲むものに限らず、ヨーロッパ各地でも同じことを感じた。

どうせワタシの財布で買える程度のワインだからかね、とテキトーに思っていたが、
それにしても子供の頃に感じた「衝撃のような個性」がない。
オトナになるって、こういうことかね、などとコレマタいい加減に考えていたが、
どこか引っかかってはいたのである。

そして最近この本に出会って、目からうろこが落ちるような気がした。

ワインの個性

タイトルが語るように、ワインの市場が国際的に広がって産地も多様化するにつれ
平均化、あるいは没個性化の傾向は確かにあるのだ。
単なる趣味人向けの高級品か、産地で地元の人が気楽に飲む日常酒か、という感覚
だったものが、いまや立派なビジネスとして確立した。
ワインの味自体を操作するテクノロジーも併せて発達した。
また、高級品もブランド・ビジネスとして違う展開をみせている。

そんなわけで、この本は「ワイン入門書」ではない。
どのワインをどのようにおいしく飲むか、といった楽しげな話は抜きで、
最近のワイン造りの傾向や展望、ワインビジネスの現状などを、ワインと人生を
ともにしている作者が淡々とかつ緻密に語る。
こういう内容の本で、日本人が書いたものはなかったと思う。
非常に貴重な一冊だ。
読み捨てにする本ではなくて、一冊手元において、折に触れ読み返す価値がある。

難をいうなら、ワタシのような集中力のない読者には、正直なところ緻密すぎて
読むのがちょいとしんどいところはある。
作者の筆致は、明らかに外国語が堪能な人のもので、同じ内容でももう少し読みやすく
出来たのではないかなあ、という気はしないでもない。
でも、すべての記事に籠められた、作者のワインへの真摯な愛情と真剣な視線は痛いほど
伝わってくる。

ワインが好きで、最近のワイン業界や産地の状況はどうなっているのかな、といった
関心がある人には、大変面白い本だと思う。
なにより、この出版不況のご時世に、こういう凝った本を出した出版社は立派だ。
初版何部かわからないが、再版なしで売り切れじまいになる可能性のある本だけに、
手元に一冊と思う方は取り急ぎ買っておくのが正解かも知れない…というのは
余計なお世話だろうか?


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そしてワタシは、今夜もだらだら安ワインを飲んだくれる予定・・・。



12本で7777円の没個性軍団・・・ワタシは買います・・・。



ワインの個性
Amazonで購入
livedoor BOOKS
書評/グルメ・食生活



 なつかしの一本。

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March 17, 2007

『ビールでいただきます!』 〜本の御紹介〜

ライブドアの書評プロジェクトに参加することになったので、今後はたまに本の話も。
企画としては面白い。
関心ある方はこちらを参照いただきたく。

キリンビールのやっている『キリンビール大学』というサイトはなかなか面白くて、ビール好きならたまに覗きにいくと楽しい。

ワタシの場合は、エジプトがらみで吉村作治先生の『古代ビール研究所』など、
見に行くことがある。
昨日別のブログに古代エジプトのビールにまつわる与太話を書いたが、こういうビール開発も含め、けっこう面白いことを色々やっているのである。

その中に「食学部」というコーナーがあって、イラストレーターでエッセイスト(横文字系だなあ)の大田垣晴子サンが、ビールと食事にまつわるオハナシを、のほほんと楽しい雰囲気でやっているのは知っていた。
けっこう見てると楽しい。
「ふうん」と思って眺めるには、実に良い感じ。


ビールでいただきます!
  • 著:大田垣晴子
  • 出版社:ソフトバンククリエイティブ
  • 定価:1050円
livedoor BOOKS
書誌データ / 書評を書く



で、それが書籍化された。

本の雰囲気は悪かろうはずがない。
大田垣サンの、いい味出ているイラストの中で

「とりあえず」ビール!でなく、「まず」ビール!「とにかく」ビール!

なんて「主張」が入ると、思わずホホエミながら「そうだそうだ!」と思ってしまう。
反射的に本を置いて立ち上がって、ビールを取りにいって続きを読むことになる。

各国各地のお料理にビール。
古代エジプトから日本まで、世界のビール薀蓄など、記事も軽くまとめてあって、
なかなか楽しい。

しかし・・・軽すぎるのだ・・・。
世界のナントカ、と銘打てば、なんとなく安直に本一冊分の話ができるし、大田垣サンの
イラストを媒介して眺めていれば、ソコソコ楽しくはあるのだが、突っ込みは浅い。
ウェブで流したものを、紙媒体にだらだらりんと流し込んで、そこに適当に調べた
軽い薀蓄つけて本が一冊出来上がり、というお手軽さを感じて、軽く鼻白むワタシは、
たぶん単なる根性曲がりなんだろうなあ。

これは作者のせいではなくて、編集企画の安直さの問題なのだろう。
と、いうか、この軽さが本来のこの本のよさなのかもしれない。
まあ、好みの問題ですね。要するに。

でも、各国料理、ビールの色々などは、浅いなりにソコソコいろいろ並んでいるし、
ちょっとしたお手軽レシピも美味しそうでいい感じ。
先にも書いた通り、本をひろげて数分後に「お、ビール、ビール・・・」という行動を誘発する
独特の雰囲気の良さだって悪くない。

悪くないから、もうちょっと頑張ってほしかったけど、春の昼下がりにぼんやりビール飲みながら眺めるにはいい本でしょう。

まだ昼前だっていうのに、ビールが飲みたくなってきた・・・やれやれ。


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 ハートランドがすきだ。

痛風はビールを飲みながらでも治る!―患者になった専門医が明かす闘病記&克服法

こんな本もあります・・・。

もっと知りたい!ドイツビールの愉しみ

この本、オススメです。

arima0831 at 12:08|PermalinkComments(6)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

March 13, 2007

『報道できなかった自衛隊イラク従軍記』

報道できなかった自衛隊イラク従軍記


ハンバーグだ、羊串だ、カニコロだ・・・と、食欲が人生の200%を占めるワタシ。
こんな本をいきなり出してくると、皆さんドン引き状態になるのは目に見えているの
ではあるけれど・・・。

でも、作者の金子貴一が、エジプトで出会って以来もう18年来の友人で、しかも実に面白い本を出したので、この際ご紹介してしまう。

ある日ある時、なんとなく食事などしていたとき「いや〜、サマワでさ〜」という話がひょっこりと出て「あ、そーか、言ってなかったっけ」と口にしたのが、

「自衛隊と一緒にサマワに行って通訳やってた」

という「!!!」な話だったのを思い出す。

そのうちになにか出てくるだろう、と楽しみに待っていたのだが、このたび晴れて上梓
された。

「自衛隊」「イラク戦争」などという言葉が出てくると、それだけで手に取る読者層が
限られてくるに違いないのだが、実は「異文化コミュニケーション」というキーワードに
引っかかりを感じる向きには、間違いなく興味深い内容だ。

相変わらず細々やってるもひとつのブログに、一応詳しいことは書いたので、そちらも是非ご参照を。

軍事やらイラク問題やらに興味のある方もない方も、話を読むだけで十分面白いので
是非一冊どうぞ。

(ライブドア用)

報道できなかった自衛隊イラク従軍記
  • 著:金子 貴一
  • 出版社:学研
  • 定価:1890円
livedoor BOOKS
書誌データ / 書評を書く





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たまには中東のほうにも、遊びに来てね・・・。


世界の宗教 知れば知るほど

何故かキクヤ・カフェにもおいてあるこの本も、彼の共著です。

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May 14, 2006

『おとなの横浜ドリル』〜挑戦してみます?

『地球の歩き方』が横浜編?
と、いうことではなくて『おとなの横浜ドリル』なる本が最近発売になったそうで・・・。
livedoor ニュース


つい注文してしまったワタクシです・・・。


入門おとなの横浜ドリル


確かにいろいろトリビアが潜んでいそうではありますね。


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一緒に買おう、ワンクリック



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April 29, 2006

『恨ミシュラン』かなりノスタルジーに浸れる本だった・・・

ライブドアの某サイトで遊んでいたら、このブログがなんとなくできちゃって、できちゃったもんはしょうがないや、と真面目に「子育て」をはじめたころがあった。
そう、冗談抜きでこれは「できちゃったブログ」なのだ。
それがたった三ヶ月前だなんて、なんだか信じられないけど。

そのころ、匿名でお褒めのコメントをいただいた。
そこに西原理恵子&神足裕司の『恨ミシュラン』の名前が出ていた。
なんだか気になって、ブックオフで買ってよんだ。

この本が出たころ、日本はバブルの絶頂にわいており、しかもワタシは日本にいなかった。
一応高校は『なんとなくクリスタル』関係(?)なんで、併設された大学で学生さんがナニしてんのかは横目で見てた。
でもまだ地味なころだったと思う。

で、横目で見たまま、地味さとビンボー臭さでは全国でも指折りの、北のほうの大学に行ってしまった。
なにしろ、入学して徹底的に教えられるのは「酒の一滴 血の一滴」という校訓(?)だ。
200円しない地下鉄代を節約するため、吹雪の中30分歩いて飲みに行く学生がそろっていた。
学内で標準的な服装は「ジャージ上下」で(「今日、体育あったっけ?」と素直に聞いて、とってもイヤァな顔をされたことがある)、寝て起きて学校行って風呂屋行って(たまに)、飲みにも行って、そんでもってまた寝て起きて・・・という生活をする学生が、全部ではないがかなりいた。

「ファッション」という言葉は、単なる変則的なくしゃみの音のこと、と考えられていた。

風呂付きの部屋でないとどうしてもイヤなので、激安の玄関別風呂付を借りたら、
「あの人って、ぜいたく」と言われた。
あのときだけは、おまえらいいかげんにしろよ!と、ちょっと悲しい気分になったっけ。
だって「風呂がついている」というだけで、屈強な体育会系が蹴り飛ばしたら倒れそうな超ボロアパートだったんだもの。

でも、一応街のBGMに『恋人はサンタクロース』だの『私をスキーに連れてって』だの『ミス・ブランニューデイ』だのが流れているので、みんな「そういう世界があるらしい」というのは理解はしていた。

まあ、ナイジェリアの人が「日本人は米を茹でて食うらしい」というような理解に近かったかもしれないが、一応理解していたとおもう。
それに、あの町は私の行ってた大学の学生だけでない「東京の流行」に敏感な人たちだっていたんだし。
ま、そりゃそうですね、当然だ。

たまに東京に「帰省」して、高校時代の友達と会ったとき、
「アリーマのカレって、なに乗ってんのぉ?」ときかれて
「ロードマン」と答えたっけな。
「え〜、しらなぁい。国産車なのぉ?」
「ブリジストン」
「・・・」

会話、かみ合わず。
文化圏が離れたのをお互いに感じて、次第に疎遠になっていった。
もともと体質的に向かない学校だったのではある。

中東あたりで勤労している間、いわゆる「バブル最盛期」というものに日本は突入。
そのころこの本が出た。

どっちみち西原理恵子の書く漫画がつまらなかろうはずはないが、でもあのころ読んでも面白くも何ともなかったろうなぁ、という内容だ。

しかし、今読むと、横目とはいえ一応見ていた世界が思い出されて、非常に懐かしい思いに駆られる。

スキーか・・・苗場なんて近づきもしなかったけど、とにかく卒業して帰京して、
近辺のスキー場に泊りがけで出かけたこともあったけど、混雑と行列(どっちも苦手)に音を上げて、行かなくなった。

そもそも、あの大学の学生は「私をスキーに連れてって」なんていう言葉を「時代の符号」でなく「単なるセンテンス」としてしか認識してなかったろうな。
だって、昼間で授業受けた後で「いくべさ」なんて言って、スキーかついで地下鉄とバス乗り継ぎの所要40分程度で立派な町のスキー場にいけたのだ。

一つのエピソードで、これだけ思い出があふれる。
多分いまどきの不惑過ぎには、泣けるほど懐かしい思い出話満載だろう。

わざわざ定価を払って買うことはない。
ブックオフだので、100円で買える。
上下で200円。

お得なノスタルジー、いかがですか?

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ノスタルジックにワンクリック。


恨ミシュラン (上)
恨ミシュラン (下)


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April 25, 2006

小泉武夫『不味い!』

美味礼賛やグルメ本は巷にあふれてるけど、まずいもんをまずいと書いた本は少ない。
いや、私がしょっちゅう書いてる、ゴネたガキみたいなものではなくて(確信犯だったのかい!)、後味まで爽やかな(?)「不味いもの本」の名著(??)。

文庫になってた。知らないうちに。

世界中の文字通りの「珍」味を、笑って食らい飲み下し消化してきた、小泉武夫センセーの名作だ。
この人の「食の本」は、まともなほうでも
「よい子、普通の人はまねをしないでください」
という注意書きまでつけたくなるほどパワーと洞察力にあふれている。
そして学者としての矜持を持った高邁な好奇心なのか、ただのゲテモノ食いなのか判断つきかねる不気味なパワーにも押されて、ついつい出ると読んでしまうが、この一冊はベスト5に必ず入れたい。

この中のエピソードで、個人的に一番共感したのは「病院食の話」だった。
まったく同じ経験を私も昔したことがあるのだ。

健康に一歩近づくごとに、日一日と病院の食事が絶えがたく不味くなり、この本には書いてないけど、トイレがどんどん臭くなっていった。
当時の私は学生だったし、20年以上前の話だから状況は違うけれど、追体験して泣いた。
つらかったの、ほんとに。

単に笑える本、ということでも高得点なので、文庫なんだし一冊いかが、てな感じ。

不味い!


ついでだけど、ハードカバーのほうが表紙や装丁は好き。
文庫はどうしてああなったの?と、不思議。
ギフトにはこちらをどうぞ。入院中の人のお見舞い、とか(・・・?)。
不味い!


ところで、このブログは「ライブドアぶら下がりブログ」だと自覚しているワタシは、他所のバナーを節操なく貼り付けながらも、一応ライブドアの映像やリンクを使うべく努力している。なのに、映像なしが多すぎる。
子の心、親知らずとはこのことである。

しかも、ちゃんとこんな記事までライブドアBOOKSにTBしてる私は、まことのヒトデナシ。映像入れないのが、いけないんだからね。
ぷいぷい。

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ヒトデナシにも、愛の一票を!
(あ、楽天だったら他の本買わなくても、送料無料ですから・・・)

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April 21, 2006

桜に名残を惜しみつつ『桜あそび』

桜をこよなく愛する著者が、素敵な桜の景色とともに、桜に関するもろもろのトラビアから桜ご飯、桜湯、染物にいたるまで、教えてくれます。

まだちょっと名残惜しい気分のかたは、是非どうぞ。

桜あそび


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April 11, 2006

よしながふみ『フラワー・オブ・ライフ』第三巻

出ました、新刊。
これは普通ののどやかな学園ものです。
ボーイズ・ラブ作家と聞いて腰が引けていた方は、この辺から入るとよろしいでしょう。
ボーイズ・ラブだから、とこの人の作品を愛読している方は、買うのをやめましょう。

フラワー・オブ・ライフ(3)

上記リンクは『楽天ブックス』です。
ただいま何買っても送料無料大サービス中なので、ポンとクリックして買っちまっても送料付きません。ありがたいですね、これは。

あと、著者直筆メッセージもUPされてます。

三巻ですから、一巻と二巻もあります。
フラワー・オブ・ライフ(1)
フラワー・オブ・ライフ(2)

のどかな学園ものといいながら、よしながふみ風の軽くブラックなひねりがきいてます。

でも、くどいようだが、目下絶対ぶっちぎりオススメは
大奥 1 (1)

これ以外に、ない!

以下でちょっと立ち読みできます。
http://www.hakusensha.co.jp/cgi-bin/mag/magazine.cgi?mode=magazine&magmode=mag09&day=now
二巻はまだかなあ。


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愛がなくても、ワンクリック!




愛がなくても喰ってゆけます。

こちらもよろしく。この一冊のせいで、うちは「よしながふみ」が全部そろってしまった・・・。

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April 01, 2006

『スープでいきます』快挙の秘密の快著!

スープで、いきます 商社マンがSoup Stock Tokyoを作る


先日、横浜ランドマークの『Soup Stock Tokyo』に行った話を書いた。
そこで、まあ一応関連商品ということでご紹介した本書、呼ばれるように早速買って読んで、うんうんうん、そうそうそう、とほとんど首振り人形状態で一気に読んでしまった。

現在会長となった遠山正道さんは、実に普通でシンプルなことを、実に前向きに、実にまじめに形にして、運営して、成功した。
こう書くと簡単なことに思えるけれど、ちゃんとそれがやれている事業は多くはない、と思う。

私はなんちゃって元ホテルマンだ。
当時職場で感じていた違和感、不思議感を「日本的なもの」と考えてあきらめていたのだけれど、やはりやればできることなのだと読んでいて強く感じた。

日本のサービス業、特に外食産業で、決定的に忘れられている何かを、遠山さんは見事にピンポイントした。
商社という世界で、まったく違う目線から飲食業界を捉えることができた、ともいえるけれど、やはり彼のセンスの勝利だと思う。

参りました。
そうだったんですか。

というわけで、前から好きだったこのチェーンの秘密を知って、余計ファンになった次第。

飲食業界の関係者でなくても、読んで損はない一冊だ。
文章も軽快で楽しい。

あ〜、なんだかクラムチャウダーが食べたくなってきたなあ。

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March 30, 2006

ペンギンの本

ペンギンが好きだ。
動物園に行けばもう釘付けで動けなくなる。
「生ペンギン」見たさに、南アフリカまでゴクローしたこともある(ウソばっかり言ってるけど、これはマジなのだ)。
喜望峰のそばのボルダーズ・ビーチというところ。
そこで転げまわって悔やんだのは「水着を忘れた」と、これに尽きた。
ちょうど陽気のよい初夏の日で、こぎれいなビーチにペンギンがぞろぞろ。

うまくすると、ペンギンと一緒に泳げる!
でも、水着がない!!

服のまま海に入りそうな私をなだめ、押しとどめる夫。

ここのビーチの場合、ペンギン用に「結界」が張ってあって(なんとなくロープが置いてある)、むやみにペンギンに近づこうとすると、監視員がピーッと笛で注意する。
でも、あっちから近づくのは勝手なんだそうで、もうひたすらに座り込んで必死で「おいでおいで」をしたものだった。

ペンギンのキャラもいろいろらしくて、好奇心の強いのが一羽
「う〜ん、遊んであげっかな〜」という風情で、そろそろとこっちによってくる。

でも、ほうっておくと何時間でもその場に根を生やしそうな私を、夫は無理やり砂地から引っこ抜くように引き離したのだった。

この日私は、とりあえずこのビーチのどこかにあるに違いない「ペンギングッズの店」で、思いっきり買占め行為を目論んでいた。
ペンギン人形、ペンギンタオル、ペンギン写真、ペンギンキーホルダー・・・想像しただけで楽しそうなお買い物だ。
ふん、たまにはジャパニーズYENの威力を見せつけてくれるわ!

で、とりあえずついた時に、ちょっとボーゼンとした。
小屋のようなチケット売り場がぽつんとあり、その周りには、一応路上の物売りがいる。
確かにいるけれど、しかし売っているのは「ビーサン」だけ。
・・・まさかその横の大きな袋の中には・・・と、寄ってって中まで確かめたが、特に何の芸もない、普通のビーサンのストックだった。

今はどうだか知らないが、実に観光ずれしていないといおうか、金儲けのセンスに欠けるといおうか、妙な気分だったのを覚えている。
今から10余年前の話だ。

ペンギンの本でお気に入りが何冊かあって、特に素敵なのが昨年出た水口博也さんの著作だ。フォークランド諸島で、ひたすらペンギンの群れと一体化しながら撮影した、数多の写真。
間には水口氏の、それはそれは素敵なエッセイもあり、写真なしでも十分面白い。

『風の国・ペンギンの島』
風の国・ペンギンの島

『ペンギンのペンギン』


ペンギンのペンギン

文庫化されて、ナンセンスな漫画に日本語訳だけでなく英語の原文がついた。
無意味にボーっとしたい時、この本を眺めているととても和む。

またお天気のよい日に、動物園へ行かなくちゃ・・・。


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March 27, 2006

岩合光昭 さんの猫の本

今年何が無念だったかといえば、岩合さんの猫カレンダーを買い損なったことだ。
カレンダーって、いつも視線を向けるところなので、今年はつらいよ・・・。

まあ、そういうところを慰めるべく、写真集で気を紛らわせております。
彼の猫写真は、普通に変な猫が愛情あふれてヘラヘラしているから、とっても素敵だ。


岩合光昭の猫―ポストカードブック


ニッポンの猫



地中海の猫


地中海の猫


『地中海の猫』は、文庫もあってお得です。
でもやっぱり、大判がいいなあ・・・。


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March 11, 2006

よしながふみ『愛がなくても喰ってゆけます。』

グルメ本とか、レストラン紹介など、食い意地はりのすけとしてはついつい手が伸びる。
ついつい軽い気持ちでこの本を買ってしまったのが始まりで、私は『いけない世界』を知ってしまった。

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愛がなくても喰ってゆけます。


なんせ、話のテンポはいいわ、決め台詞はびしっとくるわ、何より出ている店がどいつもこいつも実に美味そうで、明日にでも元々実家のあった中央線沿線に引っ越したくなるくらいなのだ。

そう・・・この本のいけないところは、私自身土地鑑があるというか、懐かしさあふれるようなところの「とってもうま〜い店」を、もうのたくりまわりそうなほどうまいこと紹介していることだ。
読みながら「いいからあんたは、横浜に引っ越せ!!」と叫んでしまったワタシ。

そして、ついでに、他の漫画って・・・と手にとったのが間違いの元であった。
ワタシは漫画狂いをやめてから久しいので知らなかったが、最近は所謂「BL」なるジャンルが確立していたのである。
ボーイズ・ラブ、の、略。

確かに昔も、そんな漫画はなくもなかったけど、世間の性風俗が過激化するとともに、そういう漫画の表現形態も過激化していたのではある。
ひ〜。

しかし、この人は天才である。
同人誌出身でBLデビューっていのはよくある話らしいけど、この本で描いた素敵な「空気感」は、どの作品でも健在なのだ。

だから、中央線沿線と縁の深い方には、是非一読をお勧めするしだいです。

それにしたって、どうして横浜の食い物屋案内って、こうもまともなのが少ないのでしょうか。
だれか書いてよ!!


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March 07, 2006

ヨコハマB級ラビリンス

ヨコハマB級ラビリンス


この小説、舞台は『余毛』となっているけれど、まるっきりあからさまに『野毛』だ
(それにしても『余毛』ってネーミングもすごいですね)。

桜木町といえば「みなとみらい」の今日この頃、周辺住民の轟々たる非難怒号涙をくらいつつ消えた東急東横線とともに、『野毛』はこの頃すっかりさびしくなってしまった。

でも、このベタで雑然とした一角は、正しくひとつの横浜なのだ。
綺麗に作り上げた無臭性の「よくある都会の遊び場」なんかと、歴史も格も違う。
そのリアルな「匂い」が伝わってくる。
ついでに、あ〜あれってあのオッサンか・・・と、実在の人物の陰もちらほら。
楽しいです。

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『アート・オブ・フラ』

アート・オブ・フラ(日本語版)


実は表紙のモデルはワタシである
・・・て言うのはうそで、ひっそりとこの本の翻訳をやったのである。
だからなんちゃって御紹介なのだ。

翻訳の質内容はともかく置いといて・・・。
『フラダンス』といえば、オバハンたちのラクラク健康体操の一種のように思われがちだが、実は歴としたハワイの伝統芸能であり、日本の御神楽に相当する奥の深さがある。
この『フラ』(フラダンスじゃなくて)の、発祥から歴史、そして現代にいたるまでの変遷を、貴重な資料や写真で埋め尽くしながら紹介した本だ。

ちょいと値は張るけど、フラをやっている人へのギフトなどにいかがでしょう。
ほ〜ら、もうすぐホワイトデー。
ひとつ春の先駆けにトロピカルなハワイアンダイニングにでもお出かけして、この本をプレゼント・・・なんて、デートはいかがでございましょう。

一応、ハワイ州政府観光局のお墨付きなのでもございます。
是非よろしく。

http://www.gohawaii.jp/campaign/topics.html
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