本の紹介

January 03, 2017

2016年の本 其の二 ∼国産小説編〜

何となく翻訳小説と国産小説、というジャンル分けにしているのだけれど、果たして自分はどういうバランスで読んでいるのだろう、とちょっと気になって、ゴクローにも数えてみた。

翻訳小説はなんと45冊くらいだった、という驚きの結果。
意外に少ない。しかしまあ、バランスという意味では全体の四分の一だから、そんなものなのかもしれない。

翻訳と国産、どちらを十冊選ぶのが心躍るかと言えば、実はやっぱり翻訳小説になるのは何故だろう。日本で出版される段階でかなり厳密なフィルターがかかっているから、アタリ率が高いのは間違いないのだが。
特に今年はその傾向が強い。

そもそも海外の風物などが好きでたまらないから、大学は語学系だったわけだし、挙句に海外で十年もほっつき歩いて、その細々した備蓄で今もどうにか食っているわけだし。まあそりゃあそうなるのも無理はないのか。はあ、なるほど、と勝手に納得してみる。

しかし翻訳ものが二作続くと「もういいや」となってくるあたり、ワタシもやっぱり日本人。
最近は好きだといったら好きだ!と叫びまくれるほど好きな作家がいないのが寂しい。

今年は一年振り返ってみても、心躍り胸膨らむ感じが、国産分野ではどうも薄かった感あり。
しかも小説と言いながら、半分ほどはノンフィクションなど実用書だ。
まあ、面白けりゃあなんでもよろしい、ということなんだが。
2017年は国産系での出会いに期待しよう。


1.ブラック・ライダー & 罪の終わり
2.暗幕のゲルニカ
3.ギケイキ
4.空気のつくり方
5.菌世界紀行
6.私的台湾食記帖
7.大統領の演説
8.流
9.竜と流木
10.室町無頼


そう、出会いと言えば、今年は東山彰良というデカイのがあった。
出会いは直木賞。ありがとう、直木賞。ケッとか言わずに今後は真面目にチェックするよ直木賞。
この人の本ときたらどれを読んでも面白いもんで、ワクワク順にすると十冊のうち半分くらいが東山彰良に占拠されてしまうのだが、一応続編もセットで一位『ブラック・ライダー』。翻訳小説のランキングに突っ込んだとしても、これは圧倒的に今年の一位だった。海外で翻訳出版したら、世界に並み居るポストアポカリプス小説群は裸足で逃げ出すに違いない。是非世界進出して、村上春樹を越えてほしい!
プラス、やっぱり初めて読んだ『流』はやはり楽しかった。こちらの私小説的な味わいも好きだ。結局突拍子もないところに話は飛んでいくのだが。



流
東山 彰良
講談社
2015-05-13



二位『暗幕のゲルニカ』。原田マハが実はそれほど好きではないのだが、美術作品を背景に据えた謎解きも含めてワクワクしながら読んだ。どことなく端正すぎるところは相変わらず原田マハなのだが。今年は『異邦人(いりびと)』なんつードロドロのメロドラマも書いているから、ちょっとは変化するのかなあ、と期待。
暗幕のゲルニカ
原田 マハ
新潮社
2016-03-28



異邦人(いりびと)
原田 マハ
PHP研究所
2015-02-25



三位『ギケイキ』。なんのこっちゃ、と思えば『義経記』、つまり源義経の話。狂った繰り言のような町田康節は本来苦手なのだけれど、何故かこの背景にはしっくりと溶け込む。まだまだ続きがあるらしいんだけど、いつ出るのだろう?
ギケイキ:千年の流転
町田 康
河出書房新社
2016-05-12



四位『空気のつくり方』。著者は横浜DeNAベイスターズ元球団社長の池田純。この本について周囲に語ると、ファン以外のリアクションがあまりに冷たいのだが、実録マーケティング小説的に非常に面白い話。SWOT分析なんて言葉、久しぶりに聞いて懐かしかった。球団史上初クライマックスシリーズ進出に華を添える快著。
空気のつくり方
池田 純
幻冬舎
2016-08-30



五位『菌世界紀行』。なんでこういう理系の本が視界に入ってきたのかなあ、とつぶやいてみたら、知人でもある田中真知さんの名著『たまたまザイール、またコンゴ』(昨年刊行)を押しのけて、第一回斉藤茂太賞とやらに輝いた作品なんだ・・・と、田中真知さん御本人に指摘されて気付いた。ハハハ。身贔屓でも何でもなく、話の密度、濃度、背景にある諸々をひっくるめ、ワタシに取っては真知さんの本のほうがはるかに面白いし、本の密度としてもはるかに濃いとは思うのだが。でも自堕落な酒飲み話が北大同窓系の琴線に響く。極寒地の菌類などの話もついでに面白い。



六位『私的台湾食記帖』。今年一番胃の腑と食欲中枢を刺激しまくった一冊。シズル感溢れる台湾のストリートフードがステキ。台湾、行かなくちゃな。できたら今年早々にでも是非。
私的台湾食記帖
内田真美
アノニマ・スタジオ
2016-03-30



七位『大統領の演説』。著者パトリック・ハーラン。テレビでよく見かける「パックン」の御著作。歴代大統領の名演説&ダメ演説を取り上げて解説しながら、現代アメリカ史にも切り込む。スピーチ教本的にも、歴史事象解説的にも、コンパクトながら実にうまいことまとまっていて、非常に良い本だった。いやはや、勉強になりました。今年は仕事のネタにも流用させてもらいます♪
それにしても、名演説を次々繰り出すオバマ大統領という「便利な英語の名文製造家」がいなくなって、ワタシの仕事的にはちょいと痛手・・・(代わりにアレじゃなあ)。
大統領の演説 (角川新書)
パトリック・ハーラン
KADOKAWA/角川書店
2016-07-11



九位は安定の篠田節子。怖い怖い!本当に怖い!相変わらずの不気味なリアリティーで迫る、生物環境パニック小説。
竜と流木
篠田 節子
講談社
2016-05-25



十位は垣根涼介。応仁の乱のちょっと前あたり、という、おっそろしくシブく且つ暗い穴を抉って描き出される青春群像で乱世の武芸者修行ストーリー。楽しく読めた。
室町無頼
垣根 涼介
新潮社
2016-08-22




ま、そんなようなこんなような感じで、今年もずるずる本を読みたいと思います。
面白い本があったら、皆さん是非教えてください。
やはり老年化への対抗策は、仲間を作ってチームとして打率を上げていくことですな、と思っている今日この頃だったり。いろいろな意味で。

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January 02, 2017

2016年の本〜翻訳小説編~

2016年が終わって、年末に読みかけていた一冊をやっと先ほど読了。
最後の一冊は、珍しく少しずつ一週間ほどかけて読んだ『すべての見えない光』。これが何とも素晴らしい本だったのだが、その話はまた改めて。

去年は結局まとめそこなったが、一年が終わって前の年に何を読んだか振り返る作業は楽しい。
本が好きだ嫌いだという以前に、活字がないと生きていけない中毒者なので、とりあえず量だけはこなしていて、2016年の分をざっくりカウントしてみたら184冊だった。

冊数で読書量を云々するなど、アホらしいことだとは思う。
ワタシの場合、二段組み全6巻1800頁であろうが、写真集50頁であろうが「一冊は一冊」なのだし。
だから数はあくまでも個人的な目安に過ぎない。
忙しいと半分寝ていても話が頭に入るようなオモシロ小説やら、スカスカと事実だけを追いかけられる実用書が増えるし、どっとヒマになると密度の高い、いわゆる「良い本」に腰を据えてとりかかれる。どっちにしろ楽しい。楽しくない本も確かにあるが、そういう本は壁に向かってぶん投げて「ばっきゃろー!」と叫べば少しはスッキリするので、基本読書に無駄はない、ハズだ(ウソウソ、やってません。イメージの割りに?暴力性はないのよ。猫がびっくりするし)。

まあ最近は悲しいことに「加齢」という思いがけぬハードルに足元をすくわれている。老眼というヤツ。ワタシは元から特に視力が良くはないので、周囲の友人に比べればまだ進行が遅い方らしくはあって、まだ読書に老眼鏡は必要ないのだが、それでもスピードはあからさまに落ちた。さらに、視力だけではなく知力のほうも鈍っていると思しい。やれやれ。
だから最近は、手当たり次第に手を付けずに、少しは考えてから選ぶことにしている。時間は有限なのだ。止むを得ない。タメイキとともにここを認識するところから、老いは始まるのだろう。始まったばかりだが。そしてどこまで進行するのかもワカランが。

なににつけても節操がないのは食生活と同じ。一つのジャンルに偏って読み続けることはできず、軽いものを読み飛ばした後は、しみじみと端整な小説を愛でたくなるし、時間をかけて観念的なものを読めば、怒涛のようなストーリーに没入したくなる。国産の小説を読めば、翻訳もの成分が欠乏するし、ウソかマコトかわからぬ世界に没入すると、実用書ビジネス書の類で頭をリセットしたくなる。だから概ね「小説(国産)→小説(翻訳)→ノンフィクション」のループで回っているような気がする。自分でそう決めなくても、何となくそうなる。

この何年かは嬉しいことに、職場に図書館が付設されているので、「新刊を読みまくる」という贅沢がかなり許されるようになった。ついでに「近所の図書館」という結構な施設の使い方もマスターしつつあってありがたい。でもその結果「返却期限で読む順番が定められる」という理不尽がしばしば起きる。イヤだけどしょうがない。便と不便は裏表なんだし。

要するに新刊にこだわらなければ良いのではないか、という当たり前の真実に、最近ようやく気付きつつはあるのだけれど、世に溢れている情報は新刊が主体であって、情報に触れれば中身に興味が湧くのは、根がミーハーだから致し方ない。やっぱり新しいものは楽しいのだ、と思うあたりは、ワタシも一応バブルっ子なのかねえ。どこかでこのループから解脱したい、と最近思い始めないでもないのだが、それはまだ先の話になりそうで・・・

ということで、今年読んだ本のベスト10を。
まずは翻訳小説。
この数年読書記録用に愛用している『本が好き!』というサイトに感想を上げたものは、一応URL付き。

1.ザ・カルテル
2.蒲公英王朝記 & 蒲公英王朝記2
3.幸せの残像
4.エンジェル・メイカー
5.見えないすべての光
6.奇妙な孤島の物語
7.べつの言葉で
8.火星の人
9.さよなら、シリアルキラー & 殺人者の王 & Blood of My Blood
10.ジョイランド

1位『ザ・カルテル』はかの傑作『犬の力』の続編。ワタシはむしろこちらのほうが面白かった。圧倒的なリーダビリティーで寝ず食わず読み耽ることができる一作。年に一作くらいはこんなものが読みたい。ついでに『ストリート・キッズ』の続編も書いてほしかったり。
ザ・カルテル (上) (角川文庫)
ドン・ウィンズロウ
KADOKAWA/角川書店
2016-04-23



2位『蒲公英王朝記』はまだ話の中盤。2015年に出た短編集『紙の動物園』の美しい余韻も冷めやらぬ中、第一部が二巻分冊で出た。SF歴史大河武侠ファンタジーで、トルキーン的背景とジブリ的風景が味わえる。このシリーズはもっと売れろ!そして早く続編を!



3位『幸せの残像』パーレビ朝末期から半世紀に及ぶ、イランの女性の半生を描く。あまりにクソ忙しい時に読んだので、未だに感想がまとめられていないのだが、読んでいる間中幸せだった。結末に共感できるかどうかは別として。社会背景も面白いのだが、一般的な先進諸国では考えられぬような社会的拘束の多い中だからこそ、純粋な瑞々しさが切なく昇華。ラストは泣いた。



4位『エンジェル・メイカー』一年前に読んだ本だが、永遠のトンデモ本として脳内に刻み込まれた傑作。三文オペラ@SFファンタジー風味。



5位『すべての見えない光』2015年4月の刊行以来、ニューヨークのベストセラーランキングを爆走中。『シェル・コレクター』など短篇の名手アンソニー・ドーアの初長編。スケッチ風に切り出される戦禍の少年少女の人生が瑞々しく美しい。こういう本がバカ売れするなら、アメリカ人もアホばっかりじゃないんだな、と思えて安心したり。



6位『奇妙な孤島の物語』夏の海辺でじんわりと読んだ。世界中の絶海の孤島が50か所、地図とスケッチ風の短文で紹介されていく本、なんていうと味も素っ気もないが。本の装丁からレイアウトから、すべてに癒された一冊。日本語版が、いい仕事です!



7位『べつの言葉で』ジュンパ・ラヒリがイタリア語で書いたエッセイと短編。原語で読めないのが何とも悔しい。あの夏の日、いつかは必ず・・・と思ったきり、イタリア語の勉強はまだ始めてもおりませんが。



8位『火星の人』究極のSFヲタクがブログ展開していた話が出版化されたとやら。映画『オデッセイ』のほうも背景にダサい80年代ディスコ曲をバリバリ取り込んで、違った味わいの楽しさだった。小説と映画で二度美味しいってのは珍しい。是非映画とセットで。



9位『さよなら、シリアルキラー三部作』叙情的な青春小説から、一期に暗黒アクションスリラーへと変転!続巻が待ちきれず第三部は原書で読んだけど、もう翻訳が出てます。
さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫)
バリー・ライガ
東京創元社
2015-05-11



10位『ジョイランド』スティーブン・キングの新作ということで、かなり期待していた『ドクター・メルセデス』がどうもイマイチ口に合わず。むしろこっちの方が好きだった。最初読んだときより、読んだときのことを思い出す方がじわじわ来る。
ジョイランド (文春文庫)
スティーヴン キング
文藝春秋
2016-07-08



昨年分の読み残しもまだ何冊か積んであるので、当分は楽しく暮らせそう。
とりあえずあらゆる国内ランキングを爆走中の『熊と踊れ』と、待望のツィママンダ・ンゴツィ・アディーチェの長編第二作『アメリカーナ』は早く読みたいが、返却期限縛りであと一週間は無理、というジレンマに苦しむお正月だったり。

2017年も面白い本とたくさん出会えますように。

熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫)
アンデシュ・ルースルンド
早川書房
2016-09-08



アメリカーナ
チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ
河出書房新社
2016-10-25



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July 31, 2010

『刑事眼―伝説の刑事の事件簿』という本を読んだ話・・・


刑事眼―伝説の刑事の事件簿
  • 三沢明彦
  • 東京法令出版
  • 1890円
Amazonで購入
書評


以前から名前だけ参加させていただいている『本が好き!』というブックサイトからいただいた本。

刑事モノに限らず警察小説はそう嫌いではないので、なんとなく献本の申し込みをした。

高価で場所をとる新刊書の段階で、積極的に自費購入こそしないものの、こういう機会だから普段買わないような本を読んでみるのも面白いか、と思ったのだった。

地味そうな本だと思えば、初版から数週間で増刷がかかっているらしい。
この出版大不況の世の中で、初版が何部だかはワカランものの、そこまで売れる本ならば案外面白いのかも知れないな、と思う。
しかもこれが新書ですらない新刊書で、税抜き1800円もする高価な本だ。

しかし読み始めてすぐに、あまりの話の単調さに「うああ」と軽く呻いてしまった。
イカン、一番苦手な類の本を引き当てたらしいぞ・・・やれやれ。

たまに病院の待合室なんかで読む「週刊S潮」の「男と女の事件簿(だったっけ?)」みたいなテンポと文章。
アレは週刊誌の短い読みもの的に起承転結がついているし、ずるっと読んでから「ああ、またアホなもん読んじゃったけどまあいいか」と頭の中の水洗機能をフラッシュすれば、あっさり流れ去っていく類のものなので、ソレなりのスタイルが確立されているのだと思う。

ただし、この本の基本トーンは至って真面目なもので、この類の話がベットリ押し出す「えげつなさ」は全くない。
描かれているのは、地味で地道な「昭和のデカ」の足跡だ。
色恋痴情沙汰などとは全く無縁であり、世間の刑事モノによくあるようなキワモノ感もゼロ。
まず服装のイメージが湧かない。見事にモノトーンな雰囲気。
ストイックというよりは、単に地味なのである。
ジーパンはいて突っ走ってる刑事など、夢にも現れない現実世界だ。
プロに徹する姿は素晴らしいと思うが、読む側としては正直ツマラン。
いやいやイカンな、がんばれ!と己を励まして読み進む。

すると今度は、何故か数ページおきに「ひといき入れるか」という気分になり、10ページも読むとさざ波のような眠気が押し寄せる。
深夜草子としては、眠気も吹っ飛び気付けば夜明け・・・なんていう本よりははるかに穏当ではある。
でも寝オチするたびに脳裏に残る「やれやれ感」が、季節柄もあるのかどうも蒸し暑い感じ・・・。

そうこの「やれやれ感」が、どうも何かに似ているよな、と考えてみたら、件の週刊誌連載なのだった。こんなどうでもいいことに、つい気付いてしまう。
話自体に色合いが不在なのも手伝って、文章を追いながら、本の内容とはまるっきり関係ないところに思考が流れていくのだ。

寝オチを5回くらい繰り返したところで、どうも眠くなるタイミングがどうもほぼ一定していることに気がついた。
ああなるほど、新聞か雑誌に連載されていた、短めの記事をまとめた本なんだろうな・・・と、そこで気付く。新聞連載をまとめたものって後でどれほど加筆訂正をしても、何故かコマギレな息つぎが入るような気ぜわしさがある。
新聞連載時はそこそこ面白くても、一冊の本になって読み始めたとたん、独特の疲労感に襲われるのだ。

新たな気付きが出てきたところで「もう読むのを止めてもよろしいんじゃないですか」とうっすら思う。
正直面白くもなんともない。
とりあえず、ワタシにとっては。

増刷の謎だけは、読み始めてすぐに解けた。
こうした現場の警察関係者が、バルクでごっそり買っているに違いない。
日本全国津々浦々にある大小無数の警察署の署長室なんかに、数冊〜数十冊配備するだけで、莫大な部数が捌けるのは間違いないことだ。
ううむ。このマーケティングは素晴らしいな・・・と、またどうでもいいことに感心をする。
ある意味、非常に地道で手堅い。
これでガッツリ儲けようという意図も、アカラサマに感じられないから、ある種の美談なのかも知れない。
どうだっていいが。

しかしまあ、感想を書かねばいけないのでもある。読もう!読むのだ!
なんとかギアを「週刊誌読み飛ばしモード」に切り替えて、斜めに駆け足で走りきりを狙う。
それでも数回寝オチしたが、最後まで頑張ったご褒美として、あとがきで「あはは」と明るく笑えることができたのは、まあ幸いだったかな、と思う。

やっぱりこの本は、連載記事をまとめたものだったのである。
掲載誌はなんと月刊「捜査研究」。
東京法令出版という出版社のもので、他に例えばどんな雑誌を出してるのかというと「月刊警察」とか「月刊交通」とか「月刊消防」とか。
きっと人気連載だったのに違いない。
まあそういう、専門特化型の出版社だったのだ。
知らなかったけれど。

そんなこんなで、たまには苦しい思いをして一冊を読了するという、それなりに貴重な経験にはなった。
茶化しているのでも馬鹿にしているのでもなく、たまにはやるべきことだと思う。
真実そう思う。

そういう意味では、ワタシの世間は少しだけ広がったのである。
だからそれでいいのだ、と思う次第。

ふう。



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『本が好き!』は、他にも面白い本をいろいろとくれます。
問題はあくまで、ワタシの選び方なのだよ。



君は一流の刑事になれ君は一流の刑事になれ
著者:久保正行
販売元:東京法令出版
発売日:2010-04-22
おすすめ度:5.0
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東京法令出版、昭和の刑事シリーズ(?)

 □【童友社】1/64スケール次世代電気自動車 i MiEV(アイミーブ) 神奈川県警察DOYUSHA
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June 24, 2009

金子貴一『秘境添乗員』 〜そして佳き日のシアワセとカツオのたたき〜

金子貴一という作家がいる。

4月末に新刊が出た。めでたいことだ。
そして、その一ヵ月後の先月末についに結婚した。
これもまた実にめでたいことだ。

新刊は『秘境添乗員』という。
文芸春秋社の『本の話』というPR誌に2年3カ月連載されたものに、
大幅加筆修正を加えたものだ。



彼とのお付き合いはエジプト以来で、20年来の古い仲間である。
交遊の経緯は彼の前作『報道できなかった自衛隊イラク従軍記』の紹介等で
触れたし、最近は休止している中東関係のブログ何度か詳しい話も載せてある
是非ご参照のほどを。

金子クンの本領は「人間力」にある。
文才だの語学力だのという、目先の能力を超えたもっと深くて強いパワーだ。
最近書評を書いた某評論家によれば「過剰な人」であり、いち早く読んでステキな
記事を上げてくれたにっきさんによれば「厚ぼったい人」という印象となる。
なるほど、確かに彼は「独特の濃さ」がある人だ。
その濃さは決して嫌味や傲慢につながらない。
通常「濃い人」は、多かれ少なかれそれなりの灰汁を醸し出すものなのだが、
金子クンには良い意味でそれがない。
常に感じられるのは、直裁で明朗かつ知的な「人間力」である。
この部分は公私共に変わらない。

そしてこの本のタイトルを見て「世界の秘境のオモシロ経験談」なんかを期待すると
うっかり肩透かしをくらってしまうだろう。
この本には「世界の秘境四方山話」にありがちな嫌味がまるで無いからだ。

例えばバングラデシュへ、アルジェリアへ、ミャンマーの奥地へ・・・などなど、
確かに彼が自分で企画主催して添乗するツアーの行く先はまことにユニーク。
こうした所謂「秘境」と世間に呼ばれるところに日本人ツアーを引率して行く
「秘境添乗員」の話は前半部に色々と語られていて、その話自体は大変面白い。
旅行好きならば、まずは楽しく読めることだろう。
添乗員としてサービスにこれ徹する金子クンの姿は、単なるツアーコンダクターを
はるかに超えて「ツアーバトラー」と呼ぶにふさわしく、仕事内容も非常に
ハイレベルでプロフェッショナルなものだ。

なにしろ彼は、戦乱のイラク自衛隊派兵の「添乗員」を立派にやり遂げた人間だ。
戦地に赴く自衛隊随行と観光ツアーの添乗を、同じ目線で語ったら
叱られるかもしれないが、結局のところ仕事の要は等しく「グループが無事に
食って寝て安全に過ごせるように心配ること」だと思う。
時に危険も伴う異文化環境で続発するトラブルに柔軟に対処しながら、
全員の安全を確保する。
現地住民との円滑なコミュニケーションの仲介役としての役割も欠かせない。
異文化コーディネーターとしての力量がものを言うのは、どちらも同じことだ。

しかも彼はどの仕事も、誠心誠意こなして手抜きなどしない。
戦地に行く自衛隊だろうが観光に行くツアーだろうが妙な差別化などもしない。
要するに「プロ」なんである。

ちなみに彼は、異文化環境にいなくても根っから添乗員みたいなヒトだ。
例えば一緒に歩いていると「あ、そこにぬかるみがあるから足元に気をつけて〜」
「この先の角を右に曲がりま〜す。そこの赤いポストのあるビルのところね〜」と
万事常時こんな調子。
本人いたって自然体でこうなるのだから、添乗員は天職だろう。

で、話は単なる秘境四方山話だけでは終わらない。
そういう類の秘境ツアー裏話を、もっと低レベルで書き飛ばしたようなひどい本が
結構売れたこともあるから、全巻秘境話で終始した方が案外受けたのかもしれないが、この本はさらに深く潜り込んでいく。

実はこの本の真価は、この「潜り込んだ部分」にあるのだと思う。
話は彼自身の過去に遡り、アメリカに留学した高校時代の経験や、見事に正しい
真のエジプト人となった学生時代を経て、ジャーナリストとなり戦地へ赴き、
そうした経験の中で得たものを一つ一つ丁寧に自分のものにしながら生きてきた
いわば「金子クンの作り方」を読者はリアルに追いかけることになる。

それは昨今巷で言葉としては始終出てくる「異文化コミュニケーション」のプロが
如何にして生まれたか、という物語でもある。

そして話は過去を振り返るだけでなく、未来へ向かう動きも見せてくれるのだ。
辛い話もあるのだが、それを超える前向きさがとても良い。
なにしろこの過程で、彼は結婚をするのである。
いらん話かも知れないが、ワタシより一歳年上の初婚だからかなり遅い。
実はひっそり心配していたが、やっと訪れた春はたいそう美しく暖かいようだ。
なによりのことで、本当に嬉しい。

BlogPaint先月5月末の披露宴にて。
このシアワセを分けてもらうべく
披露宴に出てきたワタシ。
春を喜ぶ幸福な新郎の顔に
皆さんも微笑んであげてください。

いやあ、よかったヨカッタ♪

そしてこの後、新婚家庭に押しかけて鰹のタタキまでご馳走になってしまった。
わざわざ奥さんのお園さんが郷里の高知から取り寄せてくださったもの。
本の中にも出てくる絶品鰹だ。

確かに金子クンが書いている通り「いままで食べていた鰹はなんだったんだ?!」と
ちょっと無言になってしまうくらいの美味い鰹。
お園さん、本当にありがとう♪

しかし、あれは何が違うのだろう?
絞め方?それとも鰹の質??
関東で食べる鰹は、どんなに良いものでも微妙にカネ臭いような独特の匂いがして
まあそんなもんだと思って今まで来たのだが、どうも大きな誤解だったらしい。
本当にうまい鰹は、旨味はそのままで臭みはなく、口の中で蕩けます・・・。
単に「脂の乗った魚」を口に入れた時の感じとはまたまるで違う、甘味に近いような
深い旨味。
このオドロキは、エジプトで初めて羊肉を食べたとき以来の衝撃、かもしれない。

写真を撮ってこなかったのが悔やまれます。
さすがのワタシも不躾だと思って遠慮したのだが、カメラを出せばよかったよ!
残念!

あ、そうそう、披露宴は立川のPホテルだったが、ここで出たフレンチのコースは
単なる婚礼メシの水準以上に美味かったのだ。
実はこういう宴会コースメシは、過去の職業柄アタマから馬鹿にして高を括って
いるところがあるワタシだが、全体に味がよくてちょっとびっくり。
実は「披露宴前に荻窪でまた鰻・・・」とか卑しいことを考えないでもなかったのだが
やめておいたのは正解だった。
Pホテル、丸の内の本丸が休館中だから、系列各ホテルの厨房がパワーアップ・・・
とか、どうでもいいことまで考えちゃったぞ。

ええと、披露宴も実は5月下旬美食爆食強化週間のことでした。
しかも鰹は「減量強化月間」の昨今の話だった、と一応告白だけしておく・・・。

話が思いっきり脱線してしまったな。
なにはともあれ・・・


秘境添乗員秘境添乗員
著者:金子 貴一
販売元:文藝春秋
発売日:2009-04
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この『秘境添乗員』は金子貴一クンの集大成。
ちょっと間口を広げすぎた感はなくもないのだが、このカオス的な雑多さも彼の
独特の持ち味と思っていただければ幸いなのである。

しかし例えば本書の中の、特に日本でのクルド難民援護関連の話などは、
掘り下げればかなり面白い話になりそうだし、他にももっと突っ込んで欲しい話が
色々とある。
「次回作へ続く」となればなによりだ。

全体を通して、異文化と触れ合うときに大事なことはなにかを直接間接に
熱く語りかけてくれる本。
日本のグローバル化が叫ばれる中、現状になにか足りない物を感じる方には特に、
単なる旅行書以上の面白さがあると思う。
間口が広すぎたとは書いたが、内容は通常の単行本の三冊分と言ってよいほど。
中身は濃くて充実しているので、色々な人に是非一読をお勧めしたい。

とりあえずは近いうちに、出没先数ヶ所に一冊づつ「配備」する予定なので、
よろしければ皆さん手にとってみてくださいまし。



秘境添乗員
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October 26, 2007

船戸与一『風の払暁』&『事変の夜』


風の払暁
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書評/国内純文学



事変の夜
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書評/国内純文学


ライブドア『本が好き!』プロジェクトから、再びいただきもの。

『満州国演義三部作』でその一部と二部。
上中下巻の下巻だけ未発表、という状態での発売らしい。
いや、ひょっとしたらもっと延々と続くのかも知れないが、勢いや雰囲気からして三部作だろうな、と思っているだけなのだけれど。
何しろ第三部自体は未発表だからわからない。

舞台は満州帝国設立前夜まで。
本番はこれから、ということらしい。

実は祖父が満鉄だった関係で、我が父は満州育ち。
よく思い出話に出てきたものだ。
そんなわけで「満州」というキーワードに引っ張られた。
ステレオタイプのストーリー以外の、あの時代と現地の空気が読めるといいな、という期待感は大きい。

せっかくなので一部と二部を両方もらって読み始めたのだが、第一部『風の払暁』を30ページくらい読んだところで「一冊でよかったなあ、これは」と軽く後悔した。
小説の内容云々以前に、どうも「口に合わない」感じがしたのだ。
船戸与一は寡作な作家ではないのだが、実は本で読むのは初めて。
なぜいままで手が伸びなかったのかと思ったら、一時期購読していた月刊小説誌などに時々連載が出てきていたのだった。
その当時はカイロにいたから、結構なんでも貪るように読む習性があったはずだが、ちょっとだけ読んでなんとなくパスしていた作家だ。
だから書店でも、無意識のうちに今ひとつ手が伸びなかった、と。

単純に好みの問題だと思う。
上手いの下手のという以前に、この作家独特の呼吸が体質に合わない。
だからまともに一冊読むのも初めて。幸か不幸か。

もうちょっと読み進めると、明らかに連載小説だなあ、これは・・・と思う。
案の定「週刊新潮」だった。
歴史大河小説のわりには、やけにブレスが短いので、ああやっぱりと思う。
週刊連載1〜2話分くらい読み進むと、何故か「ふう」と一息ついているのだ。
どうしてもそういうテンションで話が進んでしまうのだろうな。
ついでに、登場人物やその背景経歴経緯などの説明が、必要以上にしょっちゅう出てくるので、そのつど同じディテールを読み込まされることになる。
新聞小説でなくて、まあよかった。
そうなるともっともっと頻繁に「事の次第」が繰り返されることになるので「もうわかったからちゃきちゃき話を進めんかいっ!」と、自発的に読書しながら勝手にキレる変な人に成り果ててしまうのであるよ。
ワタシだけかしら?

個人の日常生活をまったり書き綴るような話ならばともかく、主人公は「時代」の「歴史大河ロマン(と、帯に書いてあったのだ)」で「登場人物各個人の事情」が不自然に繰り返し説明されるのは、目障りなだけ。ちょいとつらい。

主要登場人物は、とある名家の四兄弟で、長男は帝大卒業で外交官として奉天領事館へ、次男はよんどころない事情でやくざとケンカして殺しちゃったので満州に渡って馬賊の頭目となり、三男は陸軍士官学校から軍人、満州では憲兵隊に、末の四男は早稲田中退で半分騙されちゃったような状態で中国で留学生になり・・・と、まあそれぞれこの時代に彼の地に渡った「ワケアリなパターン」を体現しつつ、悩んだり戦ったり身を持ち崩したり騙されたりするわけだ。
人物設定としては面白いと思うのだが、悲しいことにト書きで説明される以上の生々しさはなくて、誰にも感情移入できないのがつらい。
ワタシが根性曲がりだからかねえ・・・と悩みたくなるほど、この四人の存在感が平板で、そこんところは確かに「主人公は時代」なのではあった。
でも小説なので、ストーリー進行上、登場人物に精彩がないと結構つらい。

「小説は歴史の奴隷ではないが、歴史もまた小説の玩具ではない」という作家の主張は二巻のあとがきに記されており、話を面白くするために史実を曲げない律儀さと努力は感じられる。
当時の日本人にとっての「大陸」が、夢を追う最果てだった、そんな空気も非常によく出ている。
だから当時の満州に関心があるのならば、一読に値するとは思う。
その上でこれを面白く感じるかどうかは、お好み次第ということだろう。
ただし、作者がこれまたあとがきで解説しているように、特殊な参考資料を積み上げて書いたわけではないらしいから、元々こういう話に詳しければまた違う感想になるかもしれない。

せっかくだから三巻が出たら読もうと思っているが、もう「週刊連載まとめ型」は勘弁しておくれ、と勝手に願ってみたりする。
満州帝国成立、大戦突入と、これからがクライマックス。
チマチマした「登場人物の事情」で停滞させてしまうには、せっかく背景にある時代の勢いがあまりにもったいない。

船戸与一、やっぱり苦手みたいです、ワタシ・・・と、いまさら無意識にあったものを再確認してしまった。
もし「これならば絶対に面白いからこっちを読んでみろ!」というオススメがあれば、お知らせください。

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満州には一度是非行ってみたい。父を偲びつつ水餃子を食べるのだよ。

arima0831 at 13:18|PermalinkComments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

September 29, 2007

『見たこともないミラクルワールド 昆虫の雑学事典』


見たこともないミラクルワールド 昆虫の雑学事典
Amazonで購入
livedoor BOOKS
書評/サイエンス


これもライブドア『本が好き!』からの頂きもの。

感想。
献本申し込みは、よく考えてからっ!

実は最近甥っ子らや友人の子供らが、ちょうど「虫にはまる年頃(5〜6歳)」で、
ここはひとつ薀蓄をひねって、子供の尊敬を勝ち得よう・・・とかいう、動機が不純だ。

ワタシ、やっぱり虫が苦手である。
この本、本当に「見たこともない」レベルで、昆虫の各部位をマイクロスコープして
くれるので、虫が好きな人にはたまらない本だろう。

、『延明』の蚕焼きを「罰ゲーム」としか思えないワタシには
別の意味で「これはタマラン!」のだった。

素直に返本できる制度もあるのだが、虫を食べるのはともかく、見るのは好きな人が
いるかもしれないので、ここでやっぱりご紹介しておく。

本としてはよくできている、と思う。
写真のクオリティーも、幸か不幸か大変に高い。
これが虫だと思わなければ、美しいものすらある。

でも、しょせんは虫なんで、かなり辛かった。
「虫大好き」な子供にやったら、たいそう喜んでいた。

確かに、いわゆる薀蓄本よりも貴重な本ではあろう、間違いなく。


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子供のとき、どうしてあんなに虫が好きだったんだろう・・・?



ムシキング。『犯人に告ぐ』の小道具にもなってたな、このカブトムシ。

arima0831 at 20:58|PermalinkComments(14)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

『犯人に告ぐ』 雫井 脩介 


犯人に告ぐ 上 (1) (双葉文庫 し 29-1)
Amazonで購入
livedoor BOOKS
書評/ミステリ・サスペンス


久しぶりにライブドア「本が好き!」からのいただきもの。

面白い!
文章のテンポよく、出てくるキャラクターは味があって、ストーリーは加速度的に
ブンブン進むので、一気に読めてしまう。

まあ、勢いよく進む分、若干「?」なアラは出ても来るが、特に気にならない。
筋立てはそれなりに緻密だが、頭をひねるほどややこしくない、というのもよいところ。
漫画や映画のようにわかりやすいキャラクター構成だけれども、これが安っぽくならないのは作者の力量。

じっくり鑑賞しつつ感動する類の本ではなく、読み飽きせず、途中ダレずに
イッキ読みできる。
秋の夜長のエンタテイメントとしては「買い」だ。
文庫上下刊で1300円くらいなら、満足しておつりが来る。
ただ、個人的価値観で行くと、単行本ならば買わない。

ちょっと主人公がかっこよすぎだが・・・でもこの主人公でシリーズ化されたら次回作も
ついつい買ってしまうだろうな。
文庫ならば。

ちなみに、作者名は「しずくいしゅんすけ」と読むそうだ。
調べるまで読めませんでした。うにゃ。


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今夜は震えて眠れ!


犯人に告ぐ 下 (3) (双葉文庫 し 29-2)


クローズド・ノート


arima0831 at 20:27|PermalinkComments(3)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

May 05, 2007

『おいしいもの、届けます!』猪口ゆみ 〜ライブドアの『本が好き!』プロジェクト〜


おいしいもの、届けます!
Amazonで購入
livedoor BOOKS
書評/グルメ・食生活


ライブドアからの頂きもの。

ちなみに、このプロジェクトは、ブログをやっていて、もらった本の書評を載せるのであれば、誰でも参加できるとやら。
よろしければ、皆さんもいかが?

さて、本書を読むまで『セコムの食』という食品通販があることすら知らなかったが、
かなりしっかりしたところらしい。
価格も高額ながら、諸々の厳しいガイドラインを設けて、厳しく取り扱う食品を選定
している姿勢はよくわかる。

日本でも「オーガニック」というマーケットが、着実に地盤を固めているようだ。
欧米では、高級なスーパーマーケットの一角に専門のコーナーが設けられているそうな。
そういえば、知人がそんな食料品店をやろうか、とブツブツ言っているのを聞いた
こともある。

とりあえず、お金で「食の安全」が買える時代になった、ということだ。
金次第だの格差がどうしたの、とうるさいことをいう人もいるだろうけど、世の中に
選択肢がひとつ増えたことは歓迎すべきことだろう、と思う。

この本は、セコムの通販のバイヤーとして、全く異業種から飛び込んできた女性の
奮戦奮闘記、という体裁になっている。
猪口さんが名は体を現すがごとく、猪突猛進状態で日本全国どこにでも飛んでいく姿は、
実に生き生きしていて楽しい。

だから、誰かが真剣にがんばっている話を読みたい人にはオススメだ。

しかしね・・・と、ワタクシ的なちょっと拗ねた感想を述べると、この「体を犠牲にしても
仕事のためにまっしぐら!」というスタイルを、ここまで衒いなく前面に押し出されると
若干ぐったりしてしまうのである。
別に意地悪でもなんでもなく、お願いだから体を壊さないでくださいね・・・と、祈るような
気分になる。

文章は上手くてサクサクと肩凝らずに読める。
各地の食品カタログとしても面白いところがあるし、一つ一つのエピソードはなかなか
楽しいものなのだけれど、いまひとつまとまり悪い感じだ。
決して素材は悪くないのだから、編集次第でもっと面白くなったような気がする。

真剣に頑張っている誰かの話を読みたい人や、食のバイヤーの裏話に興味のある人には
面白く読める本だと思う。

ただ、熱烈礼賛、前向き奮闘努力一本槍で、ちょいと単調になってしまったかなあ、と
ワタシは感じる。

しかしセコムって、結構多角的な事業展開してるんですね。
知らなかったな。
まあ、いまどき驚くほどの話でもないのか。

ふうん。

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食品事業展開路線上に、レストラン経営が現れたらどうなるのかな・・・?





我が家としては、このレベルです・・・(便利だし)。




送料無料キャンペーン、延長中です。ここの場合、100円の古本もあるんだが・・・。

arima0831 at 16:31|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote