長野

September 15, 2008

松本『米芳』で馬肉料理 〜松本城で食前運動もする 白骨温泉 其の四〜

長野・白骨ツアーも今回でラスト。
ああ、やっとここまで来たな。
一応前置きですが、5月末ごろの話です・・・。

白骨温泉を出て、覚悟してうねる山道に向かったところ、
なんだかあっさり山裾に出た。
往きは霧も出てずいぶん苦労したのだが、妙にあっけない。

往きに立ち寄った蕎麦屋の店主が教えてくれたように、松本までは確かに
一時間もかからなかった。

山道即ち不可解。
やっぱり山に狐狸はいるものなのであろう。
そうにちがいない。

松本に意外と早く着いたので、まあ観光でもすっかということになる。
ここの観光と言えばまず・・・

松本城















松本城、であろう。
名所旧跡めぐりに情熱はないのだけれど、この城は中が当時のまま
保存されているそうだ。
青空の向こうに雪をいただいた山脈。
ああ、本日は晴天で嬉しいわ。

「中も見たいなー」
「こんな城を見てどうする。城といったら熊本城に決まっているぞ」

熊本出身のオット、たまに妙な辺境型の意固地さを見せる。

「でも、お城の中を見学できるんだって。中が当時のままだって」
ワタシ、実は観光見物にどうも興味が薄いのだけれど、昔のままの天守閣って
一度登ってみたいじゃないですか。

「熊本城の比較ではないぞ、バカモン。登るなら熊本で登れ」

「ん・・・?」と怪しく思う。一応聞いてみた。

「ところでアナタ、熊本城の中に入ったことあるんですか?」
「ある。もちろんある」
「あのね、ワタシは小学生のときに母と入ったのよね」
「・・・ええと、ううむ・・・」

熊本城が城なのは外側だけで、中は近代的な博物館風になっていたはず
ですがね・・・

と、いうわけで、彼は生まれて初めて城の中に入ったのだった。

城に造詣が深いわけでもないので、とりあえず「へー!」と言いつつ這い登り
そして這い降り、ああ行って来たもんねという達成感に心躍らせる。
フィールドアスレチックをワンラウンドこなしたようで、結構楽しい。
楽しいが、本当に「建てたときそのまんま」だ。
急勾配の梯子段みたいなものを昇り降りすることになるので、
登りもきついが降りる時など結構怖かったりする。

当時のお侍さんたち、戦の最中に甲冑姿で駆け下りるときなんか、
絶対に何人か転げ落ちているにちがいない。
誰かが足を踏み外したせいで、三人くらいまとめて段々から転げ落ちる図、
なんてもんがリアルに想像できる。
ていうか、アレを重い甲冑装備でドカスカ上下なんて無理だな。
片手に靴袋を持ってるだけで、バランス失いそうになるくらいだ(土足厳禁なのだ)。
上に行くほど梯子化してスリルが増すのだよ。

ううむ。当時はどうしてたんでしょう?

松本城熊本城当主であった加藤清正公も
この城に立ち寄ったことがあるそうだ。
詳しい話は看板に書いてあるが
土産に名馬をあげるから
二頭のうち一頭選べ、という申し出に
「せっかく選んでくれたんだから両方もらうぞ」
と二頭連れてっちゃった、という話。

どうも微妙なエピソードだが、オットは「流石は清正公だ」と悦に入っておった。
郷土の誇りって、ワタシよくわかんない・・・。

そうそう、この看板のところにあった桜の木に馬を繋いだそうです。
もちろん看板に書いてある逸話には、ネガティブなニュアンスは
一切含まれてませんから。
この話が「微妙」と思うのは、きっとワタシの心が曲がっているからだわ。
きっとそうだと思う。

さて、ランチタイム。
ほどよく運動したのでオナカもすいた。
前夜に結構美味い馬刺しは食べたけど、やっぱり「馬料理専門店」は外せない。
旅館で教えてもらった店に向かう。

米芳米芳







まずは独活の味噌和え&山葵菜のお浸し。
お通し程度の小鉢。
イマイチ香りが薄いが、まあいいや。
「ビール飲みたいなー」と一応軽くつぶやいてみたが、運転手のオットに無視される。
ちぇ。

米芳馬モツの煮込み。「おたぐり」という。
手繰るから「おたぐり」だそうだ。
おたぐっている光景は
敢えて想像しないで食べるのだ。
ご飯が恋しくなる味噌ベースさっぱり味。
大好物だから嬉しい♪


まあモツ煮だね、と言ってしまうと身も蓋もないが、ちゃんとしたモツ煮は
確実に美味いのも真実。

ビールが欲しいよう・・・ともう一度小さく呟いてみた。
無視された。ぶうぶう。

米芳















ここまできたら、当然馬刺しの盛り合わせ。
ロース、ヒレ、もも、たてがみの四種(どれがどれかは忘れた)。
月旨志向のワタシにとっては、やっぱり一位たてがみ(白い脂身)、二位ロース。

肉自体は前夜宿の夕食で特注したものの方が、多少味わい濃厚だったろうか。
残念ながら熊本と違って、長野の場合はおろし生姜だけで食べる。
おろしニンニクがちょびっとだけ欲しい・・・なんて思うのは無粋なのだろうな。
でも、辛抱強く待つまでもなく蕩けだす、タテガミの脂はやっぱりタマラン♪

ビール・・・というツブヤキが、心の中で虚ろにこだまするが静かに諦めた。

米芳馬肉丼。
牛丼の馬版、と言ったら
これまた身も蓋もないのだろうな。
タマネギ、にんじんなどの野菜やら
しらたきやらとすき焼き風に煮てある。
ナゼかふちの赤いかまぼこ一枚。
お値段は840円とわりあい手頃。

野毛某所の馬肉専門店ですき焼きを食べたときにも思ったのだけれど
こういう風に煮込んでしまうと、馬肉独特の味わいは薄れてしまうような気がする。
でもまあ、話の種に一度くらい食べてみるのもよろしいかも。

こういうのが500円くらいでスタンド売りしていたら、B級で面白いかも。
牛丼のイメージが強すぎるのだろか?

米芳















そして「さくら丼」。
馬刺しの丼だ。
ちょっと甘めのタレに絡めた馬刺しを、ドドドと丼ご飯に乗っけてあるのだが
これは是非また食べたい!
海苔とカイワレも相性よい。
ウマイです!
ああ、松本にきてよかったな、と思う。

一人で来て「何か一品!」ということならば、コレがオススメです。
ちょびっと値は張るが、馬丼より楽しい。

お店はこちら↓

米芳 (よねよし) (馬肉料理 / 松本)
★★★★ 4.0



松本市内目抜きの大通りに面した比較的大きな店で、観光客の利用は多そうな店だけど、平日はランチ定食もやっているそうだし、馬鹿げて高くもない。
馬料理のよい店は、熊本もそうだったが松本も営業が夜に集中しているらしいから
昼に開店しているのはありがたい。

よろしいんじゃないでしょうか。

ところで、松本はじめ長野って美味しいものが多い。
是非また遠征して、今度はゆっくり喰い倒れてみたいものであります。

酒もビールも飲める状況で・・・!!



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ビールが飲みたかったよう(泣)




馬油、実は愛用してます。口紅の下地にヨロシ(たまには必要なんだ)。

松本市100年地図帖

松本はいい感じの古い町だった。

スーホの白い馬―モンゴル民話

喰ってから読め。読んだら喰えない。

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September 04, 2008

草津煎餅本舗の『くるみケーキ』と地蔵湯など 〜草津ぶらぶら 其の三〜

隠れた未完シリーズ「草津」がまだあった。
それほどのもんかよという声もあろうが、一応記録ということで。

其の一其の二に続いて最終章です。
この最終章は、本当に今回で終わるぜの最終章。

結論から言って、宿がなんともハリボテでイマイチ感が強かった。
もうオトナなんだから「泊まれりゃあいい」という感覚はダメだなあ、と痛感した次第。
旅館メシというものは結構な物量が時間をかけて供されるので、
ひとたび「ありゃ?」と思い始めると結構辛いことになる、
と初めて思い知ったのだった。

ともあれ、お土産と街散歩の話など。

湯畑湯畑







町の中心は湯畑。
広場のど真ん中にこんこんと湯の湧く場所があって、これはちょっと壮観だ。
広場横の高台にある神社から見下ろすと、中央広場の周りに温泉街らしい街並み。
なんちゃってヨーロッパの古都ような構図かな、と思う。
俯瞰した広場の向こう側に湯だまりがあって、なんだか小銭が投げ込まれている。
穴や池の類には小銭を放り込みたくなる、という、人類の基本衝動に則ったものと
思われる。
五円玉を放り込んだって恋愛成就するとかいう話はないらしい。
雰囲気的にトレビの泉っぽくもあるけど、どうだっていいです。
まあいいや。

町の中心「湯畑」から「西の川原公園通り」を抜ける。
風呂上りなどに暇を持て余した滞在客は、みんな似たような行動を取るのだろうな。

石畳の道沿いに旅館やら土産物やらちょっとした食事処やらが、雰囲気をあわせて
立ち並んでいる。
ぶらぶら散歩するには楽しい。
温泉街って街全体がひとつの宿のような感覚なので、浴衣にどてらで外をふらふら
するのが何よりの娯楽・・・なんだが。

石畳が多いし案外歩く街なので、一度浴衣がけで出てから戻って着替えたワタシ。
旅館にある草履が歩きにくいのだ。
浴衣を30種類揃えなくていいから、突っかけサンダル下駄草履のサイズと種類は
頼むから揃えてくれよ、と思う。
ぶうぶう。

一度宿に入ったら篭っているほかやることもない湯治場ならいざ知らず・・・と
なぜかまた文句タレのワタシ。
どうもキンキラ浴衣ショックやら怪しい和洋折衷メシやらのトラウマで、多少気分が
どんよりしているのだ。

草津菓子本舗西の川原公園通りに沿って歩くと
途中で出てくるお菓子屋さん。
なんとなく入ると、そう凝ってはいないが
鄙びた素朴なお菓子がいろいろある。
店の奥さんが愛想よく世間話を振ってくれる。
「最近はすっかり若い女性客ばっかりになって
妙な趣向の宿が増えているのよねえ」とのこと。

来るお客の質が落ちているのだそうですよ。
若い女性客だけがいけないわけではないと思うが。

しかし、ワタシも昔「受け入れ側」として企画を立てたりしたことがあるのだけれど
企画側も「若い女の子の喜びそうなモン」を非常にベタで安っぽい視点で考えて
しまいがちなのであるよ。
で、困ったことに一時的に本当に「若い女の子」がキャワキャワ現れちまうんだな
これが。
安っぽい少女趣味は、かくしてどこにでも蔓延するのだ。
このツボはナゼか多くの中年婦女子にも有効であったりするものだから
一部温泉街ではキンキラ花柄浴衣の婦女子があふれる・・・んだろうか・・・?
わかりません。

たまたまワタシの泊まった宿が「その類」だっただけで、もっとマシなところは
草津内にたくさんあるのだと思う。

お店のオバサンはいろいろ不満を抱えているようだが、よくよく尋ねれば
どうもワタシのすぐ前に来た客が
「オニギリは置いてないのか。コンビニもないのかこの辺は?!」
なんという、意味不明な八つ当たりをしたところだったらしい。
しかもそれがけっこうな年配者であった、と・・・。

そういう話が少なくないそうだ。
ふうん、そうですかあ、と相槌をくれながらお土産など物色する。

くるみのケーキ胡桃のケーキ








お値段お手頃でいい感じだった「くるみのケーキ」。
どうってことないパウンドケーキの類だが、胡桃がたくさん入っていてお茶請けに
なかなかヨロシ。
こういうお菓子は妙に凝っていないほうが好きだ。

西の川原公園とやらに行こうかなと思ったが、特に深い理由なく道を引き返した。
坂を上るのがめんどくさくって・・・ダメなんだろうな、こういう理由は。

温泉まんじゅうも他で買った。
自分では食べないが、温泉土産はやっぱり温泉まんじゅうでしょう。
亡き母は、妙にこういうベタなお土産が好きだったのだ。
しかしそういえば、もう買っていく必要もないのだな、とふと思う。
こういう思いは、忘れているときに限って不意に現れるのだ。やれやれ。

地蔵湯地蔵湯由来







再び湯畑に戻り、反対側をぶらぶら歩く。
あちこちに小さな共同湯があって、そこここに上がる湯煙の匂いがいかにも湯の街。
こういう風情はステキだなあ。

あまりに小さいところはどうもいきなり入りづらいので、何軒か覗いてみて
「地蔵湯」なるところで一風呂浴びることにした。

詳しい由来などは写真参照。
目に効くそうだ。
ワタシこのころ、どうも目の奥がキリキリ痛みがちだったのだ。

湯殿の中に脱衣所がある。
風呂は3〜4人向け程度の大きさだ。
ここは街の共同湯としては大きめのようだが、観光よりは湯治向けの場所らしい。
たったと脱いでとっとと入って出るスタイルなんだろう。

ふんふふんふん♪と鼻歌混じりにお湯に入ろうとしたら、先に入っていた女性が
「熱いよ」と忠告してくれた。

そうっと片足だけつけると、なるほどウッヒャア!な熱さだ。
「そっちの角のほうが少しぬるい」ということなので、見栄を張らずに素直に指定の隅からソロソロと体を沈める。

をを、ちりちりじりじりジンジンくるなあ。
中腰でお風呂の縁につかまって、じっと耐える一瞬。
湯船は深い。
みんな熱いから、最初はこういうカッコウになるのだろうな。
実は熱いお湯にどっぷり浸かるのが好きだったりするのだ、ワタシ。
地道に肩まで浸かって「ううう」と呻く。
快楽と苦痛が相半ばした感じ。
しかし熱い湯だな。普通ここまで堪えたら平気になるもんだぞ・・・。

ここで、別の人が入ってくるので、先の女性に習って「ぬるめポイント」を譲る。
そろそろと熱いほうに移動して、身を固くして入浴者から来る熱波動を待ちうけるのだった。

ずわずわずわ〜〜ん、と波動が体を包む。
このくらいになると痛みが快感になってきたりもするのだが、なにせ熱い湯なので
いい加減にして上がることにした。
上がって一息つくと、案の定のぼせ気味だ。

水も出ない(気付いた範囲では)ので、水気を拭って汗が引くのを地道に待って
服を着て外に出た。
こういうときに浴衣だと手軽でよいのだがなあ。

地蔵















浴場の脇にお堂があって、お地蔵さんが何体か鎮座している。
一番大きなお地蔵さんが妙に色っぽい表情だった。

宿に戻ったらオットが退屈してお腹を空かせていた。
ワタシはうどんを食べたし、遊んできたのでお昼寝モードである。

「あっ!なんか勝手に食べてきたんだろう、おい〜!」などとスネたって知らん。
出かけるときに一緒に来ればいいのに、本でも読んでいるよ・・・なんちゃって
渋く決めてみせるからイカンのよ。

結局一人で出かけたオットは、どこかで「まいたけそば」を喰ったそうだ。
まいたけの天ぷらそばは、つい喰いそこなったが草津名物らしい。
「うん美味しかったよ」と、オットは一応嬉しそうだった。
一時間もしないうちに戻ってきたが。
行動半径、たぶん猫並み。体はでかいのにな。

草津温泉、お湯がかなり熱くてちょっと強いのだが、宿さえ変わればまた行きたい。

帰り道は「名物水沢うどん」を目指していたんだけれど、どうも胃が重いのでパス。
これにはちょっと未練が残っているのであるよ。



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お湯は良かった。草津よいとこです。





お取り寄せ、幻の(?)水沢うどん

一度は泊まってみたい癒しの温泉宿 (PHP新書 493)


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August 24, 2008

長野 白骨温泉へ!其の三 ・・・嗚呼イマサラだが一応まあ・・・

よくよく思い返してみると、子供の頃から日記の類を書くのが苦手だ。
夏休みにつきものな「絵日記」なんかは、いつも絵の上手だった母が必死に
「コドモなヘタ絵」を描いてくれて、それに自分でテキトーな文章をつけたりしていた
記憶がある。
親の描いた絵が自分で撮ったヘタ写真になった日記もどきが、それなりに何年も
長続きするようなオトナになるとは夢にも思っていなかったあのころ・・・。

さて、松本経由で白骨温泉に行った話が、実は以前に出ていたのだった。
しかし「現地到着」までで話はそれっきりになり、放っておいたらあっという間に
もう三ヶ月近く前の話。
話が古すぎて、イマサラ感が強い。

でも、まあこういうこともあらあな・・・と暢気に構えていたところ、
先日『ショー・ラパン』のカウンターでナポリタンのナポさんから

「白骨温泉の話はどうなったのでつか。あれではだめでつ・・・」

と、イキナリ突っ込まれてびっくりしたのだった。

都内近郊のナポリタンというナポリタンに地道な絨毯爆撃をかけているナポさんとしては
話が面白いかどうかは別として後生が悪いからオチをつけなさいよ、と思うのだろう。

そういえば前回現地到着までの話にしたって、知人に言われるまで忘れていたっけ。
ワタシ、つくづく「几帳面」という重要な人格部分が欠落してるんですね。

まあ時節柄、夏休みの宿題シーズンでもある。
白骨温泉の話でもしようじゃないか、いいじゃないか。
とりあえず、己の本質は子供のときから変わっていないことを確認できたことだし。

前回草津で軽くウンザリ気分になったので、今回は手配の某J社(非エアライン系)に
一応「浴衣が30種類も出てくるところはイヤです」と自己主張をしてみたら
この旅館ならばそういうこともあるまい、との由。

なるほど山間の温泉場の、更に奥深くにある古い宿だ。
浴衣トラウマ解消のため、J社経由で「とにかく一番でかい浴衣をスタンバイのこと」
というリクエストまで入れてある。

部屋にはちゃんと「超LLサイズ」の浴衣があった。
残念ながら、どてらは普通のサイズだったが。
ちゃっかり着て出かけようとする大型アホこども風を押しとどめ、どてらを剥ぎ取る。
真冬に短パン半袖で、近所のコンビニ店員を怯えさせているモノにどてらは不要じゃ!

ともあれ、なかなかいい宿なのではある。
部屋もお風呂もサービスも、適宜いいところを洋風にしてあるが落ち着いている。
接客が若干鄙びて・・・とか、小姑じみたことは言わんでおこう、今回は。

ただし、歴史ある宿らしく典型的な建て増し繰り返し型で、
ロビーや食事処のある本館から自分の部屋まで、エレベーターで4階まで行って
廊下を渡って別のエレベーターに乗って、それからまた別のに乗ってそれで・・・
という、一発で全体の構造を覚えるのはほぼ不可能な永遠のラビリンス空間。
ついでに方向音痴宿泊客用GPSでも装備してくれれば、古びた風情と便利な現代性を
兼ね備えた最強の宿に・・・と、軽く妄想してみる。

たぶん、ワタシやオットのようなダメ人間の場合、GPSを部屋に置き忘れたり
風呂場に置き忘れたりして、結局にっちもさっちも行かなくなりそうなのだけれども。
しかもこういう人種は「メカだめ」でもあったりするから、そもそも使いこなせない

・・・単なる妄想で終わったか(嘆)
マサカ導入を考えている旅館があったら「それはたぶんムダ」とご忠告申し上げたい。
はは、いやまあ、念のため・・・。

しかし幸いにGPSなしで、お風呂に行って部屋に戻ることができた。
果てしなくヤヤコシイ道のりに思えたが、深く考えずに勘に従うと案外前進できるのだ。
そんなもんなのだろうか?

夕食は食事処で、と仲居さんに言われたときには軽く「?」となったのだが、
全て掘り炬燵の個室に仕切られていた。
これならば膝萎え腰萎えの我ら夫婦にすれば、部屋食よりもはるかに快適なのである。

「食事処」にだって、なんとかGPSなしで行き着けたことだしさ・・・。


夕食白骨温泉







先付けにちょんと乗った紫陽花が「季節感」を出している。
あのころはまだ梅雨時だったのだ。
刺身もほどほどで、お約束と思えばよろしいんじゃないですか、と思う。

馬刺し















別注になるが、やっぱりどうしても食べたかった馬刺し。
脂身の少ない艶のある赤身が美しい。
こういう赤い肉って、生で食べると血が増えるような気がする(嬉)
「肉=月旨」というチープな感覚が基本のワタシでも、これはなかなかウマカッタ。
さっぱりと上品で臭みもないものに喜ぶことだってあるんですってば。

白骨温泉白骨温泉







名物「朴葉(ほおば)巻き」。
中身は虹鱒だ。
ちょっと味噌の風味がする。
「ふうん」と特に何も深く考えずに食べたが、この写真を見つけた現時点で調べたところ
「朴の葉」って万葉の昔から食物をのせるのに使ったものだそうだ。
芳香が強くて殺菌作用やらの薬効があるとやら。
長野ではちょうど6月頃に「ほお葉祭り」なるものも行われる。
本来は田植えの終わったころ、だって。へー。

季節感溢れるもののありがたみがわからない、単なるバカモノ夫婦は無感動でした。
単に「美味しいじゃん」で終わる。無知って悲しい。

こういう記録って、やっぱり撮っておくものなのかも・・・と生まれて初めて思う。
嗚呼イマサラ。

白骨温泉信州あたりは牛肉も特産品だそうな。
鉄板でレアに焼いて
なんとなく口に放り込んだら
これが大変美味い!
「おおお!」と喜んで
肉ダメなオットの分を狙うが
テキもさっさと喰ったあとだった。

「肉は苦手なんでしょうが?」
「これは肉じゃない」

ああ、そうだそうだ、馬刺しだって肉じゃないんだったっけねえ・・・(嘆)

白骨温泉白骨温泉







〆には五穀米と蕎麦。
五穀米がモチモチで香ばしい。
モチモチなのはもち米入りだから、というわかりやすいお答えだったが、
きっと水も良いのだろうと思う。

他にも色々出てきたのだけれど、コケおどかしなよくある旅館メシとは一味違って
なかなか内容充実していた、と思う。
堪能鑑賞する能力の薄さが悲しいが。

長野の食べもの、侮れないぞ。
他にもけっこう美味いものがありそうだ。
スミマセン知りませんでした、と不見識を恥じてみる。

白骨温泉白骨温泉







白骨温泉温泉粥







そして翌朝、旅館の朝メシ。
朝っぱらからコンロに火がつくのはまあ御愛嬌だろうな。
白骨温泉名物だとかいう「温泉粥」がさっぱりしていて胃に優しい。
ここのお湯は炭酸カルシウム入りだそうで、飲むと軽く酸味がある。
胃腸に良いのだそうだ。
粥は普通の粥の味で、酸っぱくはなかった。

こんな一式にプラスして外廊下にはちょっとした洋食のビュッフェもある。
なかなか充実した朝ごはんだ。
和洋折衷にありがちなコケおどし感よりは「心配り」を感じる。

白骨温泉何故かビュッフェにあった
牛筋と牛蒡の煮込み。
昨夜の牛肉がアレだけうまいので
筋を柔らかく煮込んだものが
不味かろうはずはないのだった。
オカワリした。
ああ、またクイスギ・・・。


湯元齋藤旅館 (旅館 / )
★★★★ 4.0


どうも旅館のアレコレには、ついついブーたれになりがちなのだけれど、
この宿は湯もメシも部屋もなかなか良い感じで気に入ってしまった。
突っ込みどころゼロでもないが、そういうことばっかり言っているのも不幸。
また縁があったら来たいものです♪

そして再び松本へ向かう・・・(つづく)



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あ、そうそう「草津編」も実はまだある。




朴の葉、売ってます。


大菩薩峠〈1〉 (ちくま文庫)

この小説で有名な宿、なんだとか。

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July 02, 2008

松本『浅田』の素敵なざるそば 〜長野『白骨温泉』へ 其の二〜

つづく、としたまま放置していたある日、拙ブログを読んでくれている知人に聞かれた。

「結局、白骨温泉には行ったんですか?」

こういう個人日記形式のブログってすごい。
自分の中で話が完結してるから、皆さんも当然知ってるものと思い込んでいたのよね。
「ん?」と思えば、まだぜ〜んぜん行き着いてないぢゃないか〜(驚)
ご指摘ありがとうございます・・・。

そう、迷い込んだ一般道の渋滞にげっそりしながらも、高速に乗ったら案外快調。
談合坂まで行って小休止する。

こんにゃく田楽前回の草津行きでは
実は往路につまらん買い喰いをしたせいで
食欲がどうも進まなかったのであったよ。
だから今回はキリリと気持ちを引き締め
こんにゃく田楽くらいでやめておいた。
オットにはメロンパンを買ってやった。
メロンパンが好きなのだ。


昼過ぎには松本に着いた。
インターを降りると街が近い。
蕎麦でも食べていこうかね、ということになる。

調べたら、この店がよさそうだ。
街に入って電話をすると

「そこから二つ目のNHKの先の交差点を左に入って五軒目です。でも間口が小さいので
気をつけてお出でください」

と、店主らしき男性が明快で丁重だが過不足のない案内をしてくれた。

道案内が店や料理の全てを語るわけではないとは思うのだけれど、
一瞬で「相手の立ち位置」がイメージできる人のセンスは、それなりに信頼できると思う。
少なくとも印象はいい。
お腹もすいたので、グググと蕎麦が食べたくなってくるのだ。

浅田おかげさまで迷わず到着。
車を停めてお店に向かったら扉が開いて
首を出したご店主が
折りしも通り過ぎていった車に
「ああっ!」と言っている。
驚いていると再び「ああっ!」と言い
「ああ、すみませんすみません、先ほどの・・・」
「ハイ、電話したものです」

ご店主、我々が明らかに地元民でないのを察して、外を通り過ぎる車に目を凝らして
くれていたそうだ。

お品書きシンプルなお品書きだ。
「すみません、今日は『ざる』だけしかないんですが
それでよろしいですか?」と。
もちろん酒肴の類はあるのだが
ワタシだけまったり昼酒というわけにもいかん。
一枚ずつ頼んで小腹を満たすことにする。
悩むまでもなく、それしかないのだしね。


店内の空気がとてもいい。
机や椅子が洋式だがしっくりと良い感じで、これならばそこそこフォーマルな
フランス料理のテーブルにもなりそうだ。


そばここまでですっかり気分がよいので
何が出てきても美味しくいただけるにしても
この蕎麦は香りものどごしもよくて
なかなかステキなのだった。
蕎麦がよくても汁が甘い店が多いのだけれど
ここは汁が甘ったるくなくていい。
添えられた辛味大根はそう辛くなかったが。


そば














美味しかった蕎麦のアップ。

浅田 
採点:★★★★


ご店主に白骨温泉までの道を説明してもらったのだが、結局なにを間違えたのか
到着まで一時間弱のはずが二時間かかった。

白骨温泉は結構な山の中にある。
途中雨が降り出して、狸に化かされているかと思うほどの長い長い濃霧をようやく抜けて
山あいの温泉場に辿り着いたらもう夕刻だった。

やっと到着したところで、まだつづく・・・。



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やっと到着。


信州蕎麦と温泉めぐり (蕎麦と温泉シリーズ 2)


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June 02, 2008

長野『白骨温泉』へ 其の一 〜こんな時代もあったねと・・・15周年謝恩月間シリーズ〜

突如として、長野は白骨温泉へ向かった。

白いお湯に白骨死体が浮いてるイメージが、なんだか体によさそうな気がしたからだ。
ちょっとカルシウムな幻想ですね。いいんだ別に。
長野なら車でも近いよね、というイメージもある。
でも、近くありませんでした、嗚呼。

草津のときとおなじパターンで、もらいもんの某J社旅行券利用。
草津の話がまだ終わってないのだが、まあ、とりあえず、前振りだけしたんで改めて。

草津の後だから、伊豆か箱根だな・・・と無意味に手配をかけたらどこも一杯。
長野ならば横浜から近かろう、とまず宿を決めた。
海の近い宿から空きのあるところを選んでいった結果だ。
こういうギフト券の場合、頼むからパンフレットに日本地図をのせてオクレ、と思う。

さて、前回「草津なら群馬で近い」というイメージでいたら、なぜかやけに遠かった。
そして今回の長野は松本辺りも、どうも「すぐ近く」には程遠い位置にあった。
どうしてこういうことになるのか??

よくよく改めて考えたところ、考えるまでもないことではあるが、ワタシの心理的距離は
「東京都杉並区荻窪起点」で設定されているかららしい、という衝撃の事実が
判明した。
ショーゲキでもないが、こういう自分の体内時計的なものって長い年月気付かずにいると
案外オドロキだったりしませんか・・・?

ナンデそうなるのだろうか??
よくよく考えてみると、車の免許をダレカレが取得し始めて(ワタシ本人を除き)
あっちこっち出かけたがる10代末〜20代前半の時期、実家があった荻窪起点で
過ごしたかららしい。
初めてわかったぞ。
そうか、そういうことだったんだな・・・。

手配をきびきびと進めてしまってから、こういう基本的なロジの不備に気付いても
こりゃあもう後の祭り。
でもまあ草津よりゃあ近いんじゃないの・・・という感覚自体が、荻窪起点にしても
間違っているぞっ!

こういう「オクサンがダメなヒト」な場合、一般家庭の場合は「ご主人」がなんとかして
くれるものではなかろうか、と思う。
どんな意味でもなにをもって考えようとゴシュジンサマ的ポジションにない、例えばいぬわんなんかだって、ワタシが行く場所を決めればテキトーに連れて行ってくれたりするのだ。
男性である意義とは?!と、自分の女性としてのありようは置いといて、強く考える。

繰り返し語っているのでしつこいくらいだろうが、ワタシの方向音痴並びにメカ音痴は
誰もが呆れるダメダメ具合を、人種国籍問わずグローバルに誇るものである。
自慢じゃあなくって、国際的に指弾され続けた事実なのである。

そう、以前も愚痴ったかもしれないが、ワタシが若かりしころ(♪)
結婚してキッチリ伴侶が決まることに対して、相手の男性に抱いていた夢と希望は

「結婚さえすれば道と機械はどうにかしてもらえる」(理由:相手は男の人だから)

という、実にかわいらしいものだった。

しかし、結婚という現実により、嫌も応もなく「我こそは世界ワースト2」という
自覚を求められる羽目に堕ちる。

激しい慙愧の念とともに

「ワタシより道も機械もダメなヤツがこの広い世界に存在する。しかも男で!!」

という現実と向き合ったのが約15年前。

まあ、でも無事に15年もっている。
たぶんワタシがオットより、一部機械と方向感覚全体においてちょびっとマシだから・・・
なのかも知れない。
目くそと鼻くそなら、目くそがマシなのでございます・・・(そうなのか?)

そうそう、5月は「15周年謝恩月間」なのである。
誰が誰に対する恩を謝するものかは深く突っ込まないことにしておいて、
そういう時期だったのだ。

さて、荻窪起点心理的距離感の話に戻る。

横浜から長野は松本辺りの白骨温泉まで、どうやって行こうか無駄に考えた挙句、
選んだルートは「高井戸経由」だった。
最低限とはいえ、土地勘があるからだ。
ないよりマシだって、あったほうが良いに決まっているだろう?

第三京浜から高井戸に出て、左に曲がればこっちのもんだ。
そのはずなのに、延々と一般道が続く。
しかも渋滞している。
うががのが、といってるうちに、なんとか調布から中央高速に乗れた。

「中島みゆきの『中央高速』って歌が、あったよな」とオット。
「・・・?・・・」
「中央高速で調布を過ぎたら飛行場、みたいなヤツ」

ああ、あれか、と暗い気持ちで一応イントロを出したら正解だった。

「中央フリーウェイ〜♪
   調布基地を追い越し・・・♪」


その後、談合坂SAにいたるまで、ユーミンが20年前の独身女子の背景にどのように存在したかを懇々と説いて聞かせたワタシ。

ワタシの妹も中学や高校の同級生たちも、この歌をカレとのドライブデートの原風景に
していたものだったのだよ!

しかしどうも理解できないようなので、賛同を得るため三人の友人にこの話を振ったら
即レスは・・・いぬわんだけだった・・・。

そう、あとで考えたら、残る女子二名は北海道出身北海道・東北在住者だ。

それでちょっと思ったのだけれど、このテーマソングのイメージ、
ひょっとして20年前前後の西東京在住者限定なんだろうか?
感覚的に超ローカルな歌だったのか??

横浜の皆さん的には、どんなもんなんざんしょうか・・・?
神奈川横浜圏の場合、やっぱりユーミンよりサザンだったりするわけなんですか?

ともあれ、楽しい一泊二日は始まったばかり・・・。


(だらだらつづく、たぶん)


補足:
ワタシの場合、結局カラオケ選曲は中島みゆき系になります・・・(いいじゃんか!)



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右に見える競馬場 左はビール工場・・・中島みゆき的には、刑務所もつくか。



カーナビがほしいよう(泣)

Reminiscence

あの頃の歌、いろいろ。みゆきとユーミン、抱き合わせです。

arima0831 at 03:01|PermalinkComments(10)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote