エジプト料理

March 21, 2007

続 エジプト料理『ネフェルティティ』@目黒 〜嗚呼、懐かしのエジプト料理〜

ネフェルティティ
最寄駅:目黒
料理:アラブ料理
採点:★★★★☆
一人当たりの支払額(税込み):5,000円〜10,000円
用途:夕食


つづき

スープ今日のスープは「ショルバト・アッツ」
レンズ豆のスープ。エジプトの国民食だ。
如何にも「豆挽いて作った感」溢れる
ボサボサな舌触りがとってもステキ・・・
な、はずだが・・・

これは、おっそろしく中途半端な代物だった。
そりゃあね、コレが美味しく食べられるようになったらエジプト帰化は完成、という程に
(注:ウソです。そんな定義はありません)
典型的エジプシャンなスープ。
日本人の口には合いにくかろうが、でも、こんなもんならメニューに出さないほうが
いいんじゃないの、と、かつてあれほど嫌ったものたちが、妙に憤慨して語り合う図。
エジプトの生活とは矛盾に満ちたものなのだよ。
以上。

バミアバミア(オクラ)とビーフのトマト煮込み。
ガーリック、タマネギなどもたっぷり入れて、
煮込んでからオーブン焼きにする。
シンプルだが旨い。
て、いうか、不味く作りにくい料理だな。
まあ、無難にいただけます。

テーブル魚のトマト煮込みも頼んだ。
こういう「煮込みオーブン焼き」を「タジン」という。
国やエリアによって「タジン」も色々だが
エジプトでは「皿ごとオーブン焼き」になる。
旨い! 当然だ。
魚は日本のほうが美味いに決まっている。

その他、一般的なエジプト料理を挙げると

茄子をトマトとニンニクで煮込んだもの
ラム肉をトマトとニンニクで煮込んだもの
ジャガイモをトマトとニンニクで煮込んだもの
チキンをトマトとニンニクで煮込んだもの
インゲンをトマトとニンニクで煮込んだもの

と、コピペでかなりが捌ける中に無限の可能性がある、ということがわかる(?)。
これはかなり極端ないいようだけれど、基本は「トマトとニンニク」なのだ。

コフタ挽肉の串焼き。
羊肉のツクネ、というところか。
これはなかなか美味かった。
中東では羊をよく食べるので、
羊の美味い食べ方はさすがよく知っている。
いわゆる「ケバブ」の一種。

トルコでは「キョフテ」という。
シシカバブ、という名前はよく出てくるが、要するに「シシ=串」「ケバブ=焼肉」だ。
スタイルは色々。
レバノンやトルコには負けるが、エジプトの羊料理はなかなか美味いのだ。

菓子1懐かしの「だだ甘アラブ菓子」
いや、甘くない上品なものも
作ろうと思えば作れることを
一度「レバノン料理の会」をやったときに
思い知ったが・・・
これは、よくある「だだ甘系」であった。

「コナファ」という。
セモリナ粉を溶いて、細い細いパスタ状にしたもの(コナファ)を、型に入れて作る。
それだけならいいのだが、思いっきりシロップ(要は濃い砂糖汁)をかけ回したものに
さらに出来上がってから、シロップ重ねがけ・・・という代物が「エジプト現地の標準」と
思えばよろしい。
噛んだ瞬間、コメカミから脳天に抜ける痛みにも似た甘さが、たまに中毒者を生む
中東的危険物のひとつだ。
慣れてくると不思議に、ものによっては美味しく思えるようになる。

でも・・・コイツは不評だった・・・。
皿にドロリと流れこぼれるシロップが、だだ甘感を盛り上げてくれる・・・。

菓子2だだ甘、第二弾!
・・・と、思いきや、こちらはなかなかイケた。

素材はパイ生地(フィロ、という)で、
「バクラヴァ」という菓子の一種。
先のと同じく、普通のケーキ程の大きさ。

これにシロップをかけまわし・・・という製作手法に大きな差はないのだが、中に入った
ピスタシオや胡桃などが香ばしくて、これはなかなか美味い。
コナファは捨て置いて、皆で貪り食う。

オムアリオム・アリ。「アリの母さん」という意味。
エジプトの名物で、これは他国では見たことがない。
パン・プディングの一種で、
レーズンやナッツを入れて、
パンをミルクで煮込んでオーブン焼き。
シナモンなど香って、これは素朴だが美味い。

本当はもっと濃厚な味なのだが、まあいいとしよう。

エジプト料理には悲喜こもごもの思い出があって、どうもつい口が悪くなりがちなのだが
実際のところ料理の内容は決して悪くはなかったとおもう。
雰囲気良いし、店のスタッフも親切で優しいし、悪くない店だ。

ただ「元五つ星ホテルのシェフが腕を振るう・・・」というから、どこかと思えば
むかし住んでた家の近所にあった、特に料理がどうした、ということのないホテル
なのではあった。
ここには当時、日本人駐在員が山ほど住んでいたから、そういう意味では懐かしい。

でもまあ、そこいらの「なんちゃってアラブ料理店」の「なんちゃって現地人シェフ」
と比べれば、少なくとも基本はしっかりしている印象。

エジプト料理体験には、よろしいかも。
水金はベリーダンスもあり、です。

あと、たまに話題になる「古代エジプトのビール」もあり。
興味ある方はこちら参照。


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もうしばらくするとモロヘイヤの季節だなあ・・・。


 レンズ豆。

ファラオのレシピ―古代エジプトの料理ブック

古代エジプトというよりは、現代エジプト風メニュー多数。
遺跡の壁画も併せて出てくるので、結構楽しい本です。
遺跡ファンはどうぞ。

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March 18, 2007

エジプト料理『ネフェルティティ』@目黒 〜嗚呼、懐かしのエジプト料理〜

ネフェルティティ
最寄駅:目黒
料理:アラブ料理
採点:★★★★☆
一人当たりの支払額(税込み):5,000円〜10,000円
用途:夕食


昨年末、目黒駅近くにエジプト料理のレストランができたという話は聞いていた。
店名の『ネフェルティティ』は、古代エジプト三大美女の一人。
新王国時代の王妃で、黄金のマスクで有名なツタンカーメンの伯母さんみたいな関係にある女性。とりあえず「古代エジプトで有名な美女の名前」と思ってくださいまし。

御尊顔はこちら(ウィキペディアより)。

ついでに言うと、この人とネフェルタリ(ラムセス二世の王妃)、そしてかの有名な
クレオパトラ(正確にはクレオパトラ7世)の三人で三大美女。
アリーマ、はいってません。あたりまえだ。冗談ですってば・・・。

一度行ってみよう、と思っていたら、先日でかけた中野の『カルタゴ』で、畑中シェフが
「エジプト人がやっていて、悪くなかったよ」と、10%割引券をくれた。

いつ誰と・・・と思ってたら、昔のカイロ時代の仲間と食事しよう、という話。
一人は去年の十月に帰国したばかり。
「それじゃあ、エジプト料理なんぞみたくもあるまいよ」とは思ったが、なんとなく場所が
ここに決まってしまった。
参加者はワタシ含めて三名。
決してワタシが強制したわけではない。
違います。絶対に違います。

ワタシなんか、カイロから日本に出張で一時帰国してきたとき、大学の同窓会が
某トルコ料理屋。
「やめろったらやめろぉぉーーー!」と暴れて吼え猛ったが無視されたこともある。
「せっかくだからそういうレストランに」ということだが、こういう配慮はアラブ圏在住者には、まったく持って大きなお世話だ・・・と出かけていったら・・・

結局のところ「旨いものを見繕って解説せよ」ということなのだった。
「せっかくだから」って、そういう意味かいっ!
くだらない知的好奇心に満ちた学友に翻弄されたワタシ。
しかも割勘だった。きー。
それを十年近くたった今もまだ根に持っているのだ(類は友を・・・とか言わないように)。

だから、そういう喰いもんの恨みを買うような真似はしたくないのだが、
昨年末帰国のSちゃんは温厚なのか、アラブ料理が好きなのか、まあいいやと諦めたのか
反論なしだった。
恨んでないよね・・・そもそもこういうことで、いちいちウダウダ言うのはワタシの悪いクセなんで、普通は気にしないのかもしれない。
まあいいや。エジプトではこういうとき「マーレーシュ」と言います。

マーレーシュ。

駅至近の店に、駅のまるっきり逆側を彷徨ったがために、30分遅刻して辿り着く。

店内アラブ料理レストランの場合、
キッチュで庶民的な構えが多いのだけれど
ここは意外といっては申し訳ないが、
わりと高級な雰囲気。
各テーブル、オリエンタルな透けるファブリックで
テント状に覆われで半個室ムード。

ちょっと前に流行った「お二人様向けバー・レストラン」のようだ。
一人で行ったら侘しいだろうな。
でも、うっかり火事になったら、瞬間的に店中炎上するんじゃ・・・などといらんことを
心配してみる。

奥には、アラブ式に床に座るスタイルのコーナーもあり。
この種のレストランとしては凝ってます。

サラダ中東界隈、どこにいっても
普通に出てくるこんな感じのサラダ。
酢と塩とレモン汁にオリーブオイルが基本。
「アラビックサラダ」という名前を見て
考えてみればこれは「普通のサラダ」じゃなくて
オリエンタルなものなんだなあと改めて思う。

帰国以来「普通のサラダ」という認識しかなかったけれど、それは自分が中東界隈で
十年間うんざりするほど食べ続けたから、というだけのことで、これは「アラブ風」なのだ
とこの日に初めて気がついた。

前菜盛り合わせ前菜三種。
奥に茄子のサラダ。
マリネしたナスに刻んだピーマンとニンニクを挟んだもの。
人参らしく見えるが、
これは上に千切り人参をのせているからです。
下に茄子がある。

この茄子は懐かしい味だった。
しっかり油が効いていて、茄子だけと言ったってけっこうハイカロリーなものだけれど。

手前右がババガヌーグ。
焼き茄子にニンニクと練り胡麻を混ぜたペースト。
練り胡麻はテヒーナといって、中東界隈では基本調味料。
スーパーなんかで一抱えほどもある容器に入って売られている。

左がホンモス。
こちらはすりつぶしたヒヨコマメとテヒーナを練り合わせたペースト。

肉肉、また肉というイメージが強そうなアラブ圏の料理だが、野菜料理のバリエーションが
意外に多い。
100%練り胡麻のテヒーナは、エジプトではレモン汁でのばしてそのまま前菜にもなるが、
他のアラブ圏の国でこれを頼むと「なんとビンボ臭い・・・」と奇異の目で見られることが
あるらしいのを最近知った。

胡麻は体にいいが、油が絞れるくらいだからけっこうハイカロリー。
ねっとり旨いけれど、食べ過ぎるときっちり体に反映する。

エーシュ上のペースト系前菜は、
こういうパンで直接ぬぐって食べる。
まあ、アラブ料理ではフォークとナイフの
かわりみたいなもの。
エジプトでは「エーシュ」というが、
エジプト以外では「ホブス」。

どちらにせよ「爆発物」だ。
美味しくパクパク食べてるうちに、突然胃の中で膨らむ。
メインまで辿り着くまえに「どかん」とくる。
いや、胃が急に重くなるだけで、それ以上の破壊力はないが。
危なくないです。あとで体重がちょっとやばいけど。

フェルフェラヒヨコマメのコロッケ。
すりつぶしたヒヨコマメに
ニンニクを混ぜて揚げる。
エジプトの国民食として有名なのは
「ターメイヤ」といって空豆で作ったもの。
さてはヒヨコマメのほうが原価が安いか・・・。

全体にニンニクが現地式にしっかり効いていて、のけぞるほどの美味とはいわないが
アラブ料理らしい味はきちんと出ている。
これならば、現地の客人を案内しても大丈夫でしょう。

と、前菜を貪り食ううちに、ベリーダンスが入る(毎週水・金だそうな)。
ダンサーさん、とっても中東的な魅力あふれる肉体美(?)。
おなかの脂肪が落ちるダンスじゃないよねえ、やっぱり・・・と思いつつ、口はせっせと
動き続けるのだった。

(つづく)

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 アラブじゃお馴染みのヒヨコ豆。

エジプト

ものによっては外れも多い『地球の歩き方』。
エジプト編は「当たり」です。オススメです。

絵で見るナイル川ものがたり―時をこえて世界最長の川をくだる

詳細だがユーモラスな絵で描く、古代エジプトの生活など。
素敵な絵本です。子供も大人も楽しめます。ウチの甥っ子のお気に入りなのだ。

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November 05, 2006

中野『カルタゴ』で、エジプト料理〜遅まきながら、嬉し懐かしチキン・モロヘイヤ!〜

カルタゴ
最寄駅:中野
料理:アラブ料理 / トルコ料理
採点:★★★★★
一人当たりの支払額(税込み):5,000円〜10,000円
用途:夕食


美味とはいまひとつ縁のない国エジプトに、併せて八年ばかり住んでいた。
ドイツにいたときは、ワインとビール以外は逆に懐かしくなるくらいだったが、
トルコという美食の国に移り住んで、エジプトの食レベルの低さが身にしみた。
まあ、この辺の話は単なる愚痴になるから、場所と機会を改めて書こう(こっちの方ですね。また後日)。

しかし以前も書いたけれど、本当にしみじみ郷愁(?)を誘ってくれるものもなくはない。
彼の国の名物料理「チキン・モロヘイヤ」だ。
これだけは、特に夏が来ると無性に食べたくなる。
だから、一度は四谷のエジプト料理店まで出かけたりしたが、出てきたのは実に和風に
薄まった「モロヘイヤ・スープ」だった。

ちょっと違うんだよね・・・と思いつつ、喰い意地があちこち他に飛び火しているうちに、
あれよあれよと秋も深まってしまう。
いかん、モロヘイヤが終わる!!、と焦っていたら、中野の『カルタゴ』というマグレブ(モロッコとかチュニジアの辺り)の料理ではその名を知られた老舗で、モロヘイヤの特別メニューを出し始めた、という話が飛び込んできた。

上野で開催中の「ミイラと古代エジプト展」とのタイアップ企画、との由。
展覧会の半券を見せて、このメニューをオーダーすると、カルカデ(ハイビスカスティー)が
一杯サービス、なのだそうだ。

ずいぶん昔から名前はよく聞いていたけれど、なんとなく行きそびれているうちに
横浜住まいになって機会を失っていたレストランでもある。

これは行ってみよう、ということで、エジプト時代の悪友と二人で中野遠征してきた。
事前に中東通にしてジンギス通でもある某氏に話したら、
「ああ、いいなあ! カルタゴはねえ、名店だよ」とお墨付き。
残念ながら都内近郊にいらっしゃらないのだが、そうであればお誘いしたいところ。
(*注:前回記事の翌日にあった「ディープな宴」は、実はこの方を囲む会だったのだ)

オーナーシェフの畑中さんは、パリでマグレブ料理に出あって修行され、帰国後しばらく
某トルコ料理店のシェフを務めた後に、このお店を開店。
以来17年というから、トルコも含めた中東系のレストランとしてはとない屈指の老舗だ。

お店はこじんまりしているが、品よくオリエンタルな雰囲気がいい感じ。
シェフの奥様が、にこやかに、フレンドリーに、風のように素早く、そしてびっくりするほど
テキパキとサービスしてくださる。

とりあえず、ビール。
ここはマグレブからトルコまで中東圏各国のビールが揃っているのだが、無粋なワタシらは「ハイネケンの生」にする。
だって、安いしそれに・・・いや、まあ、現地のビールは現地で飲むのが一番美味しいんですよね・・・(と、言っておこう。まあ、好みの問題だ)。

ワインもグラスで中東各地のものが楽しめる。

カルタゴ前菜さて、まずは前菜盛り合わせ。
なんだかワケのワカラン写真になってしまったが、中東一帯、こういったペースト状の前菜が色々とある。

なんだかワカラン写真なので「実体」を確かめたい方は、こちらのメニューをご参照あれ。

右上の白い物体は「山羊の白チーズ」。トルコでベヤズ・ペイニールという。
ベヤズ=白、ペイニール=チーズで、文字通り白チーズ。
ギリシャでは「フェタ」。中東一帯でもよく食べる。
塩気が強くて癖があるが、慣れると病みつき。トルコの「ラク」やアラブ圏の「アラック」、
ギリシャの「ウーゾ」といった、現地の地酒に合う。
と、いうことで、ビールをチェイサーに降格させて、ラクを頼む。

時計回りに、次が「ぶどうの葉のピラフ詰め」。
ぶどうの葉のかわりにキャベツを使うこともあって、するとロールキャベツの様になる。
ぶどうの葉は塩漬けにしたもの。
和菓子に使う桜葉の塩漬けの、食感がちょっと固くなった感じだろうか。
ちょっと芯のあるピラフがマグレブ風で面白い。
懐かしい香りがして、二人遠い目になりつつ、口だけはひたすら動いている。

その隣の「漬物っぽい野菜」は、メニューで単品では出ていないがエジプトのトルシー。
漬物っぽく見えるが、実際漬け物なのだ(?)。
酸っぱくてしょっぱい。

「これって・・・」
「エジもんだねえ」
(ふたり、遠い目)

聞いてみたらやっぱり、エジプトからの直輸入品だった。

畑中さんによると、マグレブのものは「もっと強烈にしょっぱい」のだそうだ。
似たようなピクルスは中東一帯にあるが、場所により味が微妙に違う。

その隣は実は緑色のペーストで、マグレブ風の野菜のミンチ(色まで解説しなければいかん写真を載せる意味とは、という疑問が脳裏をよぎるが、面倒くさいからこのまま続ける)。

次も赤く見えるが、これは本当に赤い。
エズメ・サラタシという、トルコのピリ辛ペースト。
この赤さで想像すると拍子抜けするほどさっぱりしていて、少しピリッとするくらい。
中東の料理は、一帯に唐辛子を使いはするが、風味付け程度で多用はしない。

次の白茶けたペーストは「ババガヌーグ」。
焼き茄子のミンチに練りゴマを混ぜたペースト。
ちょっとブチブチした食感が面白い。
練りゴマは「テヒーナ」といって、エジプトでは調味してこれだけを前菜にする。
湾岸あたりではやらないそうだ(一度国内某所で頼んだら「なんちゅうビンボ臭いことを・・・」という目をされたことがある)。

そのまた隣のもっときめ細かいペーストは、ヒヨコマメと練りゴマを併せた「ホンモス」。

あ、皿のふちにのっているトマトのようなものはトマトで、上にのってる葉っぱはコリアンダー(スミマセン、解説です。皆さんを馬鹿にしてるわけじゃないんです。ホントです)。

コリアンダーはクスバラといって、生葉もドライシードもよく使う。
カイロではガサッと一束で10円もしなかったっけ。
これは現地で「ガルギール」と呼ぶ、所謂「ルッコラ」も似たような値段。

これを平たい、所謂「ピタパン」で拭いとるように食べる。
エジプトでは「エーシュ」と呼ばれているが、その他アラビア語圏では「ホブス」。
だから「エーシュくれ」などとエジプト外アラブ圏で言おうものなら、ウェイターにプッと笑われてしまうのである。

余談だけれど、エジプト弁というのはベタ訛りに訛ったアラビア語方言。
どこにいってもよく通じる方言でもあるのだが、必ず聞いてるほうが笑いをこらえるか、得体の知れないものをみるような目つきになる。

日本語なら「大阪河内弁」のようなもん、と思えばいいらしい。
でもって、吉本興業が大阪弁を全国区に押し上げたように、エジプトも一昔前
「お笑い系TVドラマ」の一大輸出国だったのだ。

やれやれ、まだ前菜だ。
しかし、この段階で既にエーシュをオカワリしている二人。

「あのさあ」と、ワタシはふと思い出す。
「んぁ〜?」(なんか喰ってる友人)
「忘れてたけどさ、エーシュって爆発物だったんだよね・・・」
「んぁっ!危ないざんす!!」(思い出した様子)

そう、エーシュ(乃至はホブス)は洋風のパンと違って「実がつまってる」ので、
お腹にたまって後からドカン、もといドスンと来るのだ。
気をつけないと・・・お腹が爆発する・・・というのは冗談だけど、胃のスペースに自信のない向きは「食いすぎ注意」ではある。
つい食べちゃうんですけど。
特に前菜に合うから・・・。

次は懐かしの「ターメイヤ」。
なんじゃそりゃ、というと、ソラマメのコロッケ。
カイロでは街中で売っていて、ビールの肴によく買って帰った。
ちなみに「キロ売り」で、4分の1キロ(ルバァ・キロ)が20円くらいだった。
現地は丸いのを、ゴッテリと澱んだような黒い油で揚げてくれる。
何故そのように見えるかというと、油が澱んで黒くなるまで使っているからだ。
シンプルな理屈である。

だから、鼻をフンフンとしてから店を覗いて、油が新しそうなところから買うのがコツだ
(必要なのか、こんな豆知識は?!)。
もっとも、当時のワタシは大層若かったので、テキトーに買っていた記憶もある。

カルタゴ ターメイヤこちらは見たところ、格段に上品だ。
でも、カリッと噛めば広がるニンニクの香りとホックリとしたソラマメの味・・・見かけと違って、正しく現地の懐かしい味。
友人とふたり「ああああああ」「おおおおおお」と、意味不明のヨロコビの声をあげる。
上にタヒーナがかかって、トルシーも添えられている。

エジプトでは「乾燥ソラマメ」がただのような値段で山ほど売っているのだが、
こちらはどうやって・・・と思えば、生の茹でソラマメを擂り潰して作っている、と。
手間がかかっているわけだ。

正直にいうと、エジプトのジャンクな味とは違うものの、同じ匂いをさせながら、こちらの方が上品でおいしいかも知れない・・・。

尚、写真に二個しか写っていないのは、半分以上食べてしまってから気がついたからだ。
スミマセン。

そしてメインディッシュ。
そう、お待ちかねの「チキンモロヘイヤ」

カルタゴ モロヘイヤのソース現地でもなんとなく「ショルバ」つまり「スープ」と呼んでいるのだけれど、正式にはメインディッシュの扱い。
こちらがソース。やっとこの辺で素直にフラッシュを入れたので、これは見た通り緑色・・・(悲喜こもごも)。
細かく刻んだモロヘイヤを、チキンのスープで伸ばして煮たもの。


カルタゴ モロヘイヤのトッピングトッピングはトマトソースと生タマネギみじん切り。
おや?と思ったら、やっぱりカイロの『アラベスク』という有名店の再現。
最近エジプトに行かれた奥様が、ここのチキン・モロヘイヤに惚れこんで、シェフの御主人に試行錯誤してもらったもの、との由。

「見たこともないものを再現するのは、大変でした」とは、シェフの談。
いえいえ、そうおっしゃらなければ気がつかないくらい
『アラベスク』が再現されていますよ!

カルタゴ チキンとライスカリッとグリルしたチキンに、バターライスを添えて・・・。
このチキンが実に、外はカリッと中はジューシーで
美味しかった〜。
本来は、出汁をとったチキンをオーブンでグリルしていただくものだけれど、シェフはチキンの味わいを考えて、スープとチキンは別にされたとのこと。

カルタゴ チキンモロヘイヤで、上にドドドとソースをかけると完成!
トッピング乗せの写真は、忘れた。スミマセン・・・。

確かに一般家庭の油も強く量も凄いものに比べれば、かなりあっさりしていいるけれど、モロヘイヤのレシピは様々だから、これはこれで大変上品な味わい。

こちらにも別記事をUPしたので、ご参照いただければ・・・。

あ〜、デザートのマハラベイヤ(中東風ミルクプリン)と、名前は失念しましたが、ピスタシオとデーツを餡にした餃子風のマグレブのお菓子も、大変美味しかったけれど・・・写真忘れ・・・。

尚、こちらのメニューは要予約(モロヘイヤ以外の内容は日によって変わることがあるので、お問い合わせ下さい)。
お店自体も、こじんまりしているので予約がベター。

でも、久々にモロヘイヤを堪能して、ウフフのフ。

ところで、なんと驚いたことに、シェフはエジプトは行ったことがない・・・と。
でも、エジプト人にエジプト料理を出すと「ここのエジプト料理は、美味しいけど胃にもたれないでいいなあ」といいながら帰る、とやら・・・やっぱり彼らも、それなりに胃もたれはしていたんだね・・・(笑)。

こうなったら、シェフ真骨頂のマグレブ料理、タジンやクスクスを是非とも、
と思うのは人情でしょう・・・次回だな、インシャアッラー。

ああ、また煩悩がもう一つ増えてしまった。
いつ行こうかしらん。


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胃が二つあるなら、もう一足先の荻窪に行って『安斎』で鰻・・・という妄想が・・・。
ただの妄想ですけれどね。いやホント・・・。


Elle a table (エル・ア・ターブル) 2006年 09月号 [雑誌]

『カルタゴ』も、マグレブ代表で掲載されています。




白チーズも各種あり。


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August 18, 2006

エジプト料理専門店『エル・サラーヤ』 四谷でエジプシャンナイト! 

エル・サラーヤ
最寄駅:曙橋 / 四ツ谷
料理:アフリカ料理
採点:★★★★☆
一人当たりの支払額(税込み):3,000円〜5,000円
用途:夕食


夏といえば、エジプトではモロヘイヤ。
現地では五月あたりの旬の出盛りが、一番葉が柔らかくておいしいのだが、とりあえずモロヘイヤが八百屋や露天の野菜売りのところから姿を消すと、いつのまにか涼しくなっている。

「モロヘイヤが食べたいっ!」
という心の内なる叫びに素直に従い、オトモダチを誘って四谷までいってきた。
目指すは、一年ほど前に開店したエジプト料理専門店『エル・サラーヤ』。

とりあえず「幹事責任」ということで、6時半ごろには着いてメニューを色々研究する。
生ビール(ハイネケンの生 550円)の肴に「トルシーある?」と聞いたら「日本人向けでない」というお返事。
トルシーとはエジプトの漬物。
単品では出していない、ということだ。

「ムシュ・ムシュケラ・ハーリス!(全然問題なーい!)」の一言で、ナンダあんたたちエジプトにいたのかい、マアイイヤ、と小皿で出してもらう。
このへんのアバウトさが、エジプトらしくて和む。

尚、モロッコのビールも800円であるよ、とのことだったが、とりあえず御遠慮しておく。
ハイネケンの生が550円であるのに、モロッコのビールをオーダーするほど我々は心も財布も豊かではないのである(多くは語らぬ。エジプト産よりかなりマシなことは間違いないけれど)。

ドリンクに「アラック」とも出ていたが、これは「ペルノー」だった。
一帯どこからどこ産のアラックを入れているのか??!!と興味しんしんだったので、
ちょっと肩透かし。
ううむ、まあ、似たようなもんといえば似たようなもんではあるけれどなあ。

トルシーは、しょっぱい、酸っぱい、辛い。
エジプトから直接輸入しているということで、まさに懐かしいエジプトの味。
しばし懐かしさに浸る。

レバノン料理の場合「カビース」といって、もうちょっと凝った繊細な味わいになるが、これがよくも悪しくもエジプト料理というやつだ。

木曜と土曜はベリーダンスが入るので、結構混むらしい。
店内予約で満杯の様子。
 
今回はレギュラーメニューから注文した。
全体に、日本人向けに若干調整してある味付けだが、悪くはない。
ただし、一品の量はそれほど多くない。
 
モロヘイヤはご飯かけでなく、単に「スープ」しかなかったのは残念。
本格派の、鶏やウサギを煮込んだスープで作った濃厚なモロヘイヤのソースを、ゆでたあとの鶏などをかりっとグリルして、ご飯にのっけて、どばどばネバネバとソースをかけるダイナミズムはない。

まあ、スープとしては美味しかった。
「お料理」のモロヘイヤは、要事前予約、ということだ。
ワタシが確認しておかなかったのがいけないのである。

レンズ豆のスープは、上品な味わいで、店主のマギッド氏が「自信作!」というだけのことはあった。これも現地風というよりは上品だが、独特のレンズ豆風味が嬉しい。

その他、前菜にババガヌーク(茄子のペースト)、ホンモスなどの前菜に、ターメイヤというソラマメのコロッケ。
湾岸ではフェルフェラなどと呼ばれているが、エジプトのストリート・ジャンクフードの花型。
現地では「ルバァ・キロ(4分の1キロ)」などといって、油紙やら新聞紙やらに包んでもらったのを、ハフハフ歩き食いしながら家路についたものだった(20円くらいだった)。
これが三個で500円になるのは、致し方ない。
輸入の干しソラマメ使用、なのだ。

メインはムサカ(ギリシャ料理と思われているが、実は発祥はアラブなのだ)、カバブハッラ(マトンのシチュー)、チキンと挽肉の串焼き(チキン・ケバブとコフタ・ケバブ)。

エーシュ(パン)は、ここの場合有料。
ううむ。確かに原価はかかるからなあ・・・。
ただ、アラブ料理というのはこういう平たいパン(湾岸あたりではホブスという)が基本的にフォークとナイフの代わりであって、そうして本式に食べるとパン代だけで結構な額になる。何とかならないものだろうか。
一枚210円は、山ほどエーシュを消費するゲストには、ちょいと辛い。

味は、上品なエジプト料理、という感じであって、ううむと唸るほどではないが、
全体に悪くはない。食べやすいのはよいところだろう。

だが、なにしろ店が混んでいて、明らかに手が足りない。
サービス二名、キッチン二名でこなしている。
だから、サービスがスローになったりするのは仕方がなかろう。
だれか探しているけど、なかなか見つからないそうだ。

どなたか四谷あたりでアルバイトを探している方、応募してあげてください。

食後はシーシャ(水煙草)でまったりする。
一台1000円を、みんなで回し飲みするのだ。

あと、ご参考までに、ここのお店は全て「ハラール」である。
要するに、イスラム教の儀式にのっとって処理した肉しか使っていないので、イスラーム圏のゲストをもてなすには便利だと思う。

私の知る限りでは、完全にハラールなのは、神保町の『カブール食堂』(アフガニスタン料理)と六本木の『アラディン』(イラン料理。未調査)位だから、接待などに使えるレストランだ(他にもあれば、是非御一報を!)。

料理は全般に食べやすいし、値段的にもリーズナブルなので、エジプトを懐かしみたい方や、この界隈の料理とはどんなものか興味のある方は是非どうぞ。

究極の美味堪能、というわけには行かないけれど、エジプト人スタッフの如何にもエジプシャンなフレンドリーさで、楽しくお食事できます。

ランチバイキングは850円!
これはなかなか、お値打ちな感じ。
近くで昼時になったら、よって見ようと思う。

ついでに書き添えると、この日のベリーダンサーさんは、なかなかダイナマイトでグラマラスな肢体も豊かに、見事なダンスを見せてくれました。
同じ人がいつもいるかどうかは保証の限りではありませんが。

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でも、本格チキンモロヘイヤに未練たらたら・・・。


Elle a table (エル・ア・ターブル) 2006年 09月号 [雑誌]

「地中海特集」といいつつ、モロッコ・チュニジア・エジプト・レバノン・トルコ・ギリシャと、どっぷり「中東」なお料理特集。
こちらのレストランが取材協力してます。
雑誌の特集とはいえ、中東料理の資料としては、かなり参考になるところも多いし、レシピも沢山付いてるので、このあたりの料理に関心ある方は、売り切れて入手不可になる前に買っといたほうがいいかも・・・。


arima0831 at 03:20|PermalinkComments(9)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote