筍絲

December 03, 2007

福建牡蠣三昧@石川町『味香園』 〜そして不思議な筍絲=スェンスウの香り〜

味香園
最寄駅:関内 / 石川町
料理:四川料理
採点:★★★★★
一人当たりの支払額(税込み):3,000円〜5,000円
用途:昼食


『福満園』で心ときめいた『福建風牡蠣のお好み焼き』。
「お好み焼き」という和訳は、ちょっと罪作りかもしれない。
どちらかといえば韓国の「チヂミ」に近い。
それはさておき調べるほどに、この季節の福建牡蠣はなんとも旨そうだ。

と、こうしているうちに、中華街の反対側にあるこの店の存在を知った。
福満園の姉妹店らしい。
ちょうど週末で混みあう中華街に出かけるよりは、落ち着いて安上がりに食事ができそうな気がする。

オットにはすでに、現役時代の野村監督よろしく「牡蠣のお好み焼き」「カキオコ」「福建の牡蠣」「牡蠣かきカキ」「牡蠣料理」と、囁き戦術できれいに洗脳してある。

店の構えは、ちょっと間口広めの街中華だ。
中華街の賑わいはどこへやら、こちら側は人影もまばら。

漬物まずは漬物。ビールのアテだ。
結構いい盛り具合で300円。
メニューを見ると
「ランチセット650円」とある。
しかも5種類ばかりある。

この日のセットには「蒸し鶏の胡麻和え」なんていうものもあった。
もっと近ければランチ利用したいところだ。

牡蠣の香味揚げ牡蠣の香味揚げ。
てんぷらもあったがこっちにしてみる。
小ぶりの牡蠣がスナック風に
からっと揚げてある。
ちょっと塩が強めだがビールに合う。


空芯菜炒め焼き小龍包





どかんと一山、空芯菜炒め!
「鉄分が強いから、置いとくと黒っぽくなります」とお姐さんが一言。
この店、福満園と違って日本語が通じてきちんと接客してもらえるのだ。
よく知らない料理を食べに行っているので、こういう人がいてくれると食事が楽しくなるね、とオットと二人ニコニコする。
この空芯菜は、炒め加減も味付けもぴったりいい感じ。
後に向けて期待が膨らむ。

ええと、左にあるのは・・・焼き小龍包。
いや、まあ、焼いてありますんで。
これってどこで食べても「ミニ肉まん」ですね。
そう思えばよろしい。
普通の小龍包を頼まなかっただけ、学習能力に向上が見られる
・・・と思いたい。

牡蠣お好み焼き問題の(?)カキオコ。
先に書いたとおり「お好み焼き」という
日本語ネーミングには問題があると思う。
原語で「海蠣煎餅」といわれれば
はあ、なるほどと正しいイメージになる。

写真の通り、いわゆる中華の煎餅(ここのは玉子が主体)に牡蠣を潰してペースト状にしたものをたっぷり乗せて焼く。
潰してしまうので牡蠣の食感はないが、そのぶん旨みがたっぷり。
焼き小龍包用にもらった黒酢をつけて食べたら、また別の旨さが広がる。
邪道だろうが構うものか。

福建風焼きそばお姐さんオススメの福建風煮込み焼きそば。
ちょっとクリーム風のソースが入っている。
このうっすらクリーム系が
牡蠣やら貝やら海老やら魚やらに
しっかり入り込んで麺に絡む。

いわゆる中華の焼きそばと違うけれど、病み付きになりそうな味だ。
オットも「これ、ウマイよ、ウマイ!」とわふわふ喰っている。
この人がこうなるのは、余程気に入ったときだけなのだ。
どうもツボに入ったらしい。
ウマイのも確かだが、こういう「魚介味濃厚の乳脂系だが味わい軽め」という組み合わせは、我が家の味的にストライク、なんだろうか。
指先くらいのちっちゃい牡蠣が山ほど入っている。
こうしてみると福建牡蠣って本当に小さい。

白身魚と高菜のスープ白身魚と高菜のスープ。
この店のスープ系がウマイのはよくわかったが
上品な白身魚の出汁が出た上に
中国高菜のスッパショッパさが旨みをます。
ステキだあ。


「うま〜♪」と喜びにアドレナリン全開の男女が熱く視線を絡ませる。
ここで出る言葉は一つだ「まだ、喰える!」

さつまいも団子またスープかい?!という気もするが
団子が面白そうだから頼んでしまった。
「蒸地瓜丸」というさつまいもの団子のスープ。
運ばれてくると、なんだか不思議な匂いが漂う。
「この匂いナニ?」と夫がクンクンする。

一瞬何か腐ったもののような匂いにも感じるが、これが明らかにスープから漂い出ているのである。

構わずスープをすすると、先のスープとはまたまるで違う味わいが広がっていた。
あの上品な淡白さもよかったが、この複雑で不思議な旨みは一体なんだろう?

お姐さんがふとやってきて「大丈夫ですか?」と聞いた。
この匂い、どうにもダメな人がいるから、ちょっと心配だったそうな。
この独特の発酵臭の正体は笋糸(又は筍絲=スェンスウ)という調味料。
タケノコを発酵させたものだそうだ。
タケノコをどうすればこうなるのか、謎は果てしないけれどもとりあえず食べるほうに専念することにした。

団子にはサツマイモの甘味はなくて、モッチリした歯応えだけが残る。
子供の握りこぶしくらいの大きな団子がゴロゴロと5つ。

団子の中身団子を開くとこれまた楽しい。
モッチリした団子の中には
福建牡蠣やら福建海苔やら
海の幸の香り一杯なのだ。
これはクセになりそうだなあ。

福建海苔は「髮菜」という藻のような海草で、これも独特の香りと食感だ。

ここまでは「福建料理って美味しいけれど淡白な中華ね」と思っていたが、この一品でイメージが一気に変わった。
この日一番は最後のこの一品。
ぱちぱちぱち、と無意味に拍手してみる。

しかし・・・この団子はけっこうしっかりお腹にたまる感じ。
皮がムッチリみっちりと密なのだ。
「チャーハン・・・?」などというツブヤキは、あっさりと宙に消えた。
うう、オナカイッパイじゃあ。

仙草ゼリーお姐さんがニコヤカに
「サービスです」と出してくれた仙草のゼリー。
こういうデザートは本当に嬉しい。
おかげさまで胃が少し軽くなった。
ふう。漢方の不思議。


二人で紹興酒も一本飲んで、幸せ気分で帰宅→爆睡の午後だった。
この店、構えは普通の街中華だから、単に安い定食や麺飯ものだけ、なんていう普段使いも気楽にできそうでいい感じ。
午後通し営業なので使いやすいのもいいところ。

もうちょっと我が家に近いと言うことないのになあ・・・。


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あ〜、喰った喰った♪



仙草蜜。台湾の缶ジュースです。なんかおいしそうだな・・・。


オイスターブック (平凡社ライブラリー (227))

読めば必ず牡蠣が食べたくなる一冊。
静かな冬の夜に読みたい牡蠣にまつわるエッセイ集です。

arima0831 at 14:12|PermalinkComments(39)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック